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コラム
診断について④
2022年10月19日 公開 / 2023年1月13日更新
前述③の「行動のあり方」とは、あくまで外側からみての話で、本人の内側からみれば「体験のあり方」です。私たちは他人の体験を直接にはとらえられず、その人の「行動(ふるまいや言葉)」を介して間接的に推測するほかありません。そのような推測に頼っている(頼るしかない)のが、現在の精神医学診断なのです。
ICDやDSMは英文です。両者は「精神疾患mental disease」の分類ではなく「精神障害mental disorder」の分類です。disorderの語には、原義的には「異常」「病的」の意味なく、「通常的(ordinal)な秩序からずれた状態」を意味するだけのものです。なぜdiseaseではなく、disorderなのかといえば、ICDやDSMは病巣・病因・病理の同一性に基づく分類ではないため、近代医学的な意味での「疾患」diseaseの診断分類とはいえないからです。
日本では、ICD-10やDSM-5では、disorderを「障害」と訳しています。①で解説しましたようにICD-11が日本で承認されれば「障害」ではなく、「症」と訳されるのではないかと思われます。
※参考文献 子どものための精神医学 滝川一廣著
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