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相続をした空き家の売却方法と注意点

北岡勇介

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テーマ:不動産売却 相続

不動産 売却 空き家

親が亡くなり実家を相続したけれど、将来的にも実家に住む予定がなく、処分に悩まれているという相談をよく受けます。
処分の方法の1つとして、売却をし現金化をする方法がありますが、相続後の売却手続きはどのような方法があるのでしょうか?
なかなか経験をすることのない家の相続は、所有しつづける方がよいのか、手放した方がよいのか、その手順や注意点は何があるのか、どこから手をつけるべきなのか非常に悩ましいものです。
相続不動産の売却は、確実に落ち度なく進めていくことが必要となるので、こちらの記事では相続をした家の売却方法やメリット、注意点を解説していきましょう。

相続をした家を売却するステップ

通常の不動産売却を比べるとプラスアルファの事務作業が追加されてきます。まずは一通りの流れとそれぞれの項目を確認しましょう。

1:相続をした家の名義変更をする
基本的に不動産売却は、当該不動産の所有者のみが行うことができ、名義人以外が代理での売却行為は認められていません。
たとえ代理人が所有者の実印や印鑑証明を所持していたとしても「所有者本人の売却の意思」があるとは認識し難いため、売却の代理行為は無効となります。
そのため、相続した家の名義変更、いわゆる、相続登記が第一段階で行う手続きとなります。ご自身でも手続きはできるのですが、司法書士など専門家に依頼をすることで円滑に進めることができます。

2:仲介にするのか買取にするのか選択をする
名義変更手続きが完了したら、どのような方法で売却活動をするのか検討をします。これはご自身で考えるよりも複数の不動産会社に相談をすることが最善ですが、ここでは2つの売却方法について簡単にご紹介します。
①:仲介
一般購入者向けに売却をする方法となり、売主と買主の間に不動産会社が仲介に入るのが一般的です。物件と顧客の条件にマッチをするまでにある程度の期間を要する必要もあり、長い売却活動ともなると半年以上かかる物件もあると言われています。

②:買取
仲介とは違い、購入者が不動産会社となるケースが買取となります。仲介との違いは、即現金化が見込めることです。
購入者が買取を行っている不動産会社となるため、価格に問題なければ即決で決まることもあります。
ただし、売却価格は相場の7割程度と言われています。

3:現在の状態で売却をするのか、更地にするのか検討する
管理状態が比較的良好の空き家であれば、現状での売却が一番のベストですが、管理状態が劣悪の場合は建物を解体し、更地にすることも検討しなければいけません。
空き家の状態にもよりますが、更地にすることで売却の速度が速くなることもある一方で、解体のコストが上乗せされることはデメリットの1つとも言えるでしょう。

4:依頼をする不動産会社の選定と媒介契約の締結
買取の場合は不動産会社と直接契約となりますが、仲介を選択した場合は、不動産会社と媒介契約を締結しなければいけません。
媒介契約締結後、不動産会社は本格的な広報活動に入り、物件情報を広く周知させるよう動き始めることができます。

5:本格的な売却活動と購入希望者の内見
売却活動が本格化すると共に、内見希望者の予約が入ります。空き家であれば不動産会社が購入希望者と内見をするので、基本的に売主であるあなたの立会いは不要となります。

6:売買契約締結
購入希望者が気に入った物件の場合、買い付け証明書と同じタイミングで価格交渉が入ることがあります。
交渉の折り合いがつくと、売買契約締結に進みます。

7:代金決済と引き渡し
売買契約締結後、買主は住宅ローン等を進め、後日代金の決済、引き渡しというステップとなります。
抵当権の抹消手続きは、いつのタイミングで行うべきなのか、あなたと媒介契約の締結をした不動産会社へ確認をしておきましょう。

相続した家を売却するとこんなメリットがあります

空き家を維持し続けることで周辺住民や共同相続人とのトラブルを招くこともありますが、早々に売却をすることで得られるメリットもあります。

1:ランニングコストの削減
不動産は所有をしていることで毎年の固定資産税を必ず支払わなければいけません。居住をしているしていないは関係なく、不動産を所有している段階でかかってくる経費の1つです。
さらに、土地でも空き家でも、人の手を加えないと老朽化したり雑草が生えてしまったりと、維持管理も定期的に必要となります。
売却をすることで、あなたの所有ではなくなるので、必要経費がかからなくなるのです。

2:現金化にすることで共同相続人とのトラブル回避
不動産を共同で相続をすると、トラブルが起きやすいと言われています。どのように分割するのかでも意見が分かれることから、解決に時間を要することが予想されるでしょう。
もちろん、1つの相続不動産を複数の共同相続人で相続をした場合は、売却時、全員の承諾が必要となりますが、一度売却をしてしまえば、現金を法定相続人で分配できるので、不動産を所有しているよりも早期に解決ができるでしょう。

3:周辺住民からの苦情
手入れのしていない古い空き家となると、周辺住民からの苦情も対処しなければいけません。長い間放置状態が続くと、建物が崩壊する可能性も示唆されたり、空き家を狙った放火や空き巣など、その地域全体の治安にも関わってくる問題に発展することもあります。

ここを注意しましょう

不動産を共同相続した場合は、他の相続人との遺産分割協議にて売却の承諾を得ることが必須となります。
遺言状がある場合は、遺言状が優先され、滞りなく進めることができますが、故人の遺言状がないケースは遺産分割協議で話し合いとなります。
なかなか話し合いがまとまらないケースもよくある話なので、専門分野の弁護士等に早めに相談をしてみましょう。
また、通常の不動産売却と比較をすると、手間が加わり、時間と労力も上乗せされます。
不動産会社や、弁護士、司法書士など、各分野の専門家に早めに依頼をし、複雑な手続きをスムーズに進めていきましょう。

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北岡勇介
専門家

北岡勇介(宅地建物取引士)

もっともっと不動産(有限会社レンテックス)

人口減少が進み、空き家問題が社会で顕著化する中、中古物件売却をサポート。売主の家に対する思いに徹底的に寄り添い理解することで、納得できる売却方法を提案し、中古住宅再生の未来を示している。

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