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中田和宏

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

中田和宏(なかだかずひろ) / 鍼灸師

トキの森鍼灸院

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コラム

免疫力を高める 乾布摩擦、実は鍼だった!?

2021年11月7日 公開 / 2021年11月9日更新

テーマ:健康とはり

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: ライフスタイル 女性免疫力アップ子育て悩み相談

はじめに


 新型コロナウイルス感染症対策がすすんで、最近では新規感染者数が減少傾向にあり(注1)、観光などの経済活動が活発になってきています。第6派の心配を懸念する声もありますが、いったん、心と体をリフレッシュしてもよいのではないでしょうか。自粛疲れでへとへとです。
 おとなり、韓国では新規感染者数が増えているといいます。ワクチンの効果が切れだした高齢者と未接種の子供に多く発症しているようです(注2)。今後日本でもそのような傾向になると予想されていて子供のワクチン接種を急ぐ声が聞こえています。

免疫力を上げよう!


 古来より6歳未満の子供には鍼を刺さないという暗黙の了解がありました。代わりに小児鍼を行います。
 小児鍼は皮膚をこすったり優しくたたいたりして刺激をし、針を刺した時と同様の効果を期待するもので、「疳の虫」「吐き下し」「おねしょ」など、子供の病気と心身の安定に用いられてきました。
 今の若いお母さんお父さんはこんな方法があることは知らないと思います。
 小児鍼は気持ちのいい鍼のやり方です。

鍼とは医療器具のこと


 「鍼」とは刺す道具だけをいうのではありません。前漢時代に鍼灸の原典『黄帝内経』が編纂されました。その中で「九鍼」と言って9つの鍼が紹介されています。現在われわれが使用している鍼は7番目の鍼。刺す鍼です。それ以外の鍼には指圧棒のようなものやへらのようなもの、切開するメスのようなものなど刺さないものが含まれています。つまり「鍼」とは医療器具のことなのです。
 2000年以上経つ中で、それらはいろいろな役目を果たすようになりました。その一つが小児鍼です。へらのようなものと指圧棒のようなもの、刺さらないけれど先がとがってて皮膚を刺激するようなものがそれにあたります。
 こういった道具を使って子どもの皮膚を刺激することで病気に立ち向かおうというのです。
 具体的には免疫力を増やし成長にかかわるホルモンの分泌を調整する働きがあります(注3)。





小さなキッズはツボはいらない、乾布摩擦でワンパクだ!


 育児疲れや周産期のマイナートラブルで受診されたお母さんを治療していると、子供も治療してほしいと言われることがあります。
 自分のカラダだけでも大変なのに小ささお子さんがぐずっていたり体調が悪かったりするとお母さんはもう大変です。



 お子さんはお母さんにかまってほしい。「ぽんぽんいたい」は食中毒なのか、かまってほしいサインなのか。家族みんな同じものを食べてるから食中毒の可能性は低いですね。そんな時に皮膚刺激です。
 

最近はやりの乾布摩擦


 一番手軽な皮膚刺激の方法です。東洋医学から始まった民間健康法の一つです。小児鍼を応用したものだと考えられます。乾いたタオルや手拭いで背中や胸、腕や足をこするやり方で皮膚が少し赤くなれば終了です。やりすぎは注意です。皮膚炎を起こしてはいけませんし、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある子供はしてはいけません(注4)。
 皮膚の自律神経を刺激して免疫力をあげ、心身の調和を図ろうという目的です。お子さんの免疫力が上がって幼稚園からいろいろ持ってこなくなれば(風邪など)お母さんにうつらなくてすみます。
 小児鍼は皮膚をこすって刺激して自律神経の反射を利用していろいろな症状を改善する方法で、病気でなくても毎日することで風邪をひきにくくおなかを壊しにくい体にします。



キレイは創れる!


 子供の皮膚刺激についてお話ししましたが、女性の美にも皮膚刺激は関係しています。皮膚を刺激することで自律神経を刺激します。免疫力だけでなくホルモンにも作用します。いわゆる神経・免疫・内分泌ネットワークです(注5)。ストレスでこのバランスが崩れるといろいろな障害が体に起こります。予防と治療として皮膚からの刺激が有効ではないかと考えられています。
 女性の美しさの一端を担う女性ホルモン。皮膚刺激で女性ホルモンの分泌が増え、より美しくなるとしたら。

さあ女性の皆さん、今日から乾布摩擦をしましょう。


 動画を紹介します。

 動画では服を着た上からしていますがご自宅ではまっぱ(肌に直接)でやってください。くれぐれも家の人に見られないようにw。ご注意申し上げます。


注1:国内の発生状況など/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html
注2:韓国、コロナ新規感染者数・・・2000人台続く
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae4648b0b6214a68291fd1da33ec908571e1ca1f
注3:鈴鹿医療科学大学付属鍼灸センター
https://www.suzuka-u.ac.jp/facilities/acupuncture-center/menu_2.html
注4:乾布摩擦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%BE%E5%B8%83%E6%91%A9%E6%93%A6
注5:神経・免疫・内分泌ネットワーク
https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_men/column1.html
注6:皮膚刺激で卵巣の女性ホルモンが分泌される研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/10/1/10_14/_pdf/-char/ja

※乾布摩擦は新型コロナウイルス感染症対策ではありません。

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中田和宏

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中田和宏(トキの森鍼灸院)

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