<医学博士が解説>レントゲン写真の撮影で被ばくする??レントゲンの安全性と放射線の話
先日の台風が通り過ぎた後、夜はずいぶんと冷え込むようになって参りましたね。冬が近づいてくると水道のお水が冷たくなるからか、歯の「冷水痛」や滲み(しみ)を訴える患者さんが増えて参ります。
むし歯で穴が空いている場合は当然歯が滲みますが、明らかなむし歯が無くても歯が滲みることもあるんです。歯磨き粉のCMで皆様おなじみ(?)の「知覚過敏(ちかくかびん)」ってやつです。正式には「象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)」と言いますが、どなたでも起こりうるこの困った症状の原因と治療法についてご説明したいと思います。
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1.知覚過敏の原因
知覚過敏とは歯髄(しずい=いわゆる歯の神経)に炎症はないが、歯に刺激が伝わりやすい状態になって、冷たい風や飲み物、歯磨きの刺激などで一時的な痛みを生じる症状を言います。の原因として、比較的多く見られるのは次のようなものです。
①歯の根っこの露出
歯周病により歯茎が下がった場合、歯ブラシを強い力で擦ったり磨き過ぎにより歯や歯茎が削れてしまった場合など歯根が写真のごとく露出していると知覚過敏が起こります。
②歯軋り(歯ぎしり)や食いしばりによる歯の摩耗
歯の表面のエナメル質部分が摩耗して内部の象牙質が露出するとダイレクトに温度が歯に伝わり知覚過敏になります。
③歯の亀裂やひび割れ
噛み合わせや強い歯軋りにより、目に見えないひび割れを生じて、内部に刺激を伝えやすい状態になって知覚過敏を起こすことがあります。
「なるべく歯を削らない」は当たり前ですよね?!
2.知覚過敏の治療法
①専用薬剤の塗布や滲み止め成分入り歯磨き粉
簡単なのは歯科医院で専用薬剤を塗布することです。
軽度の知覚過敏であれば、数回繰り返し薬を塗布することで歯が滲みにくくなります。
ざっくり申し上げると歯に開いている非常に細かな穴を塞ぐことで歯に刺激が伝わりにくくする効果があります。市販のシュミテクトのような歯磨き粉にも同様の成分が含まれていますので、何週間か一定期間使用することで効果が期待できます。
②断熱材として歯科用レジン(プラスチック)を詰める
薬剤の塗布で効果が無い場合や滲みが強い場合には別の方法を考えなくてはなりません。
歯の根元が露出している場合、くさび状にに削れている、すり減ったような部分には、白い樹脂の詰め物を詰めることで滲みが改善する場合があります。
③歯の神経を抜く
症状が非常に強い場合や広範囲に歯が削れている、根っこが露出している、明らかに亀裂が入っているなどのケースでは穏やかな方法では改善しないため、最終手段として麻酔をして神経を取り除く処置(抜髄)を行います。
痛みを歯が感じなくなるため、処置すれば速やかに症状が改善します。
歯医者の麻酔が効きにくい場合とは?
その他の方法としては噛み合わせの調整を行うとか、レーザーを当てるなど方法がありますが、効能・効果を客観的に検証した文献などは見たことが無くよく分かりません。歯がしみるのに削って治すというのは、一見矛盾しているような気がして私はやったことがありません(笑)。
知覚過敏が起こった場合、まずは歯科医院を受診して虫歯が無いかをチェックしましょう。虫歯でなければ、歯磨き粉などを利用しながらしばらく様子をみるなどして、症状の程度や様子を見ながら、歯科医師と相談して治療法を決めていくのがよろしいでしょう。
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