<医学博士が歯科麻酔を解説>歯医者の麻酔が効きにくい場合とは?
1.痛くない歯の治療に麻酔は欠かせません
歯科治療のイメージと言えば、皆さん「痛い!」だと思いますが、私の場合、治療では患者さんに出来るだけ苦痛を与えないように、ちょっとでも「滲みそう」、「痛そう」な処置には、なるべく局所麻酔を併用するようにしています。
歯医者の麻酔が効きにくい場合とは?
ごく稀にですが、先生方の中には「なるべく麻酔を使わない」というモットー(?)の先生もおられるようで、患者さんに実際に伺った話で、治療中の痛みに耐えかね麻酔をリクエストするも断られ、痛みを我慢するように言われ、泣きながら耐えたとか…。私自身が結構な「痛がり屋」ですので、想像したくない話です。「もし自分が患者だったら?」を考えると積極的に麻酔を併用する方が苦痛も少なく、緊張せずに治療が受けられるのでは?との思いでそうさせていただいております。
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2.麻酔をした後の「心臓がドキドキ」は異常ではありません
さて、当院では初めてお見えになった患者さんには、普段の健康状態やお飲みになっているお薬のこと、治療上の希望など、問診票の記入をお願いしていますが、「麻酔の後で気分が悪くなった」、「麻酔した後心臓がドキドキした」という体験を治療に際しての不安事項として挙げられる方がかなりおられます。自分もそうだったという方も結構おられるのではないでしょうか?
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この症状が「薬剤によるアレルギーなどでは?」などと考え心配される方が多いのですが、結論から申し上げますと心配いりません。元々、心臓に何か不具合がある方でなければ異常でも何でもありません。
歯科用の局所麻酔(部分麻酔)には、たいていエピネフリンという血管を収縮させる成分が添加されています。
元々、歯茎は毛細血管が密に分布しており、血液が沢山流れているため、赤い色をしているのですが、エピネフリンは麻酔を打った部分の毛細血管を収縮させ、血液の流れを滞らせることで、麻酔薬が血液に流されずにその場所に長く留まり、麻酔の効きを長く保ち、麻酔の使用量を少なくするために加えられています。
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エピネフリンはアドレナリンと類似した物質でして、少量ながら血液に混じって心臓へ流れて到達すると、心臓に対しては心筋を収縮させてドキドキするのです。どなたでもある程度の量を注射すれば、多少はドキドキしているはずなので、別に異常ではありませんのでお気になさらなくても大丈夫なんです。治療の前に緊張していたりすると、さらに鼓動が早くなることもあるため、余計に心配になってしまわれるのかもしれませんね。
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歯科・口腔外科/茨城県のインプラント専門医
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