<医学博士が解説>増え続ける口の中のがん 口腔がん検診のススメ (口腔外科、舌がん)
1.「鼻にくる風邪」=急性鼻炎の影響
9月中も暑い日が続き、10月になっても台風が日本列島に接近したり・・・落ち着かない秋だと思ったら、急に寒くなって参りましたね。気温の変化のせいか風邪をひいている患者さんが増えたように思います。
当院では、1日2回の清掃時の空気の入れ替えはもちろんのこと、常に外気を取り入れる空調が完備されていますし、医療用の空気清浄機も設置されています。また、各ブースに家庭用の空気清浄機も置いていますので、患者さんから風邪はうつらないだろうと油断していたところ、私も風邪をひいてしまいました(笑)
歯科の感染防御対策① 器具の滅菌について
さて、かぜ薬のCMで聞いたセリフみたいで恐縮ですが、風邪にも色々と症状がありますよね。「喉にくる風邪」とか「熱が出て寒気がする風邪」とか・・・。今日のコラムは鼻炎で歯が痛くなるお話です。
いわゆる「鼻にくる風邪」では、急性鼻炎を起こす場合があります。典型的な症状として、鼻水の増加や鼻粘膜の肥厚(腫れ)、粘膜が腫れて膨らむために鼻閉感(鼻づまり)、鼻水が喉に垂れこむために痰が絡んで咳が出るなどです。鼻炎になると鼻の穴の中だけではなく、鼻と繋がっている各所にも炎症を生じます。
※図表は一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会HPより引用させていただきました。
歯科でよく使われる抗生剤「ジスロマック」は画期的なお薬です
2.上の奥歯は上顎洞に近接している
目の下で鼻の横=ちょうど頬骨よりも少し下の辺りに「上顎洞」という空洞があります。この空洞は上顎の骨の中にある空洞ですが、鼻腔と繋がった空洞です。この上顎洞の中に炎症を生じて、沢山鼻汁が溜まったり、腫れた粘膜でいっぱいになってしまった状態を「上顎洞炎」と言います。いわゆる「蓄膿症」のことです。上の奥歯の根の先はちょうど上顎洞の底に位置しているため、鼻に強い炎症を生じると、まるで虫歯のような歯痛を生じることがよくあります。この場合の歯の症状としては、「咬むと痛い」とか「歩いたりすると響くような感じがする」とおっしゃる患者さんが多いです。虫歯ではないため、「冷たいものが滲みる」などの症状はありません。
レントゲン写真の撮影で被ばくする??レントゲンの安全性と放射
風邪が流行る冬場や、春先の花粉症の季節にも鼻炎から歯が痛くなった患者さんが沢山お見えになります。鼻炎による歯痛なのか、虫歯なのかはレントゲン写真をとれば分かりますので、花粉症の方や、風邪をひいた前後で歯が痛い方は、ご相談いただければと思います。
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歯科・口腔外科/茨城県のインプラント専門医
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