休職の手引き④
安全衛生配慮のための巡視
最近、有害物の多量曝露による典型的な中毒例は少なくなり、少量の長期曝露の事例が多い。
健康診断とくに生物学的モニタリングの異常として察知される例もある。
作業環境測定結果が管理区分3に相当する作業環境で、改善対策としては、「保護具使用」と
いった作業者の身体への曝露防止を中心にした対策しかとられていない状況で『管理』の対象
となる場合が多くみとめられる。基本的な考え方の⑥から①の方向に進めば進むほど(下記参照)、
作業環境管理の発展的段階へと進んでいくわけである。ところが、対策はとられても、対策装置
が有効に稼働していないという維持管理できていないことが多い。
予防のための巡視では、こういった点に焦点を合わせて巡視する。
作業環境が良好であるにもかかわらず、生物学的モニタリング値が高く出る場合が認められる。
この場合、局所的な高濃度曝露があり、作業環境測定のデザインがまずくて、この状況を把握
仕切れていない場合もあるが、一般的には個人の作業管理が問題になる。できているはずのものが
できていないことが予想される。職場巡視が必須である事例である。問題解決の順序としては、
まず生物学的モニタリング値が個人的な嗜好(清涼飲料水の摂取)等、モニタリング値を左右
する要因の有無を確認したあと、作業者が掃除や修理等の非定常作業に従事した有無とその際の
保護具の使用状況など巡視により確認する必要がある。
参考(下記参照の部分)
①「使わないですむなら使わない」
②「外に出さないようにする」
③「人を近づけない」
④「すばやく吸い込む」
⑤「うすめる」
⑥「身体に入らないようにする」