巡視の3段階

2013年8月19日

テーマ：産業保健

コラムカテゴリ：メンタル・カウンセリング

巡視には、
①法的に定められた項目が遵守されているかを確認する「管理」のための巡視
　＝最低基準である巡視

②作業場での健康障害等など安全衛生への配慮を確認する「予防」のための巡視
　＝安全や衛生への配慮を確認する巡視

③リスクアセスメントを行い、より快適な職場づくりを行うための「発展」のための巡視
　＝より快適な職場づくりを推進するため、リスクマネジメントをする「発展」のための巡視

の3つに分けることができる。

たとえば、現場の作業環境は法的に定められた管理区分によって、管理区分3～1に区分され、
管理区分に応じた対策が求められる。事業者は有機溶剤や特定化学物質などの有害物質ごとに
定められた法的項目を遵守して、管理区分3の場合には、作業環境改善に取り組まなければ
ならない（管理：法的項目の遵守）。作業環境改善に取り組んだとしても、局所排気装置等の
工学的装置の保守、点検を怠ればすぐにも作業環境は改悪していくので、管理区分1になるような
作業環境に維持し、事業者として職業性疾病を出さないように特殊健康診断も実施し、安全衛生
配慮義務を果たしている（予防：安全衛生配慮義務）。しかし、この場合でも、有害業務従事者は
業務に含まれる有害性を承知しながら、つまり、有害性をシェアしながら作業に従事している。
さらに、発展的な段階としての「快適職場づくり」では、作業場がかかえる有害物によるリスクを
評価し、このリスクを管理するリスクマネージメントが求められる。安全衛生マネージメントシステム・
OSHMS （Occupational Safety and Health Management System）として、厚生労働省も、
各事業場でのOSHMS対策を奨励している。