口腔内を噛んでしまう原因と対処法
さまざまな原因で起こる顎関節症患者が増えています
食事や会話をする時に顎に違和感や痛みがあれば、顎関節症の疑いがあります。
正常な人は、口を大きく開けたときに指が縦長に3本入りますが、顎関節症になると指が2本かそれ以下しか入りません。
また顎を動かすと、耳の付近で「カクカク」、「ミシミシ」といったような音がすることもあります。
突然噛み合わせが変わったように感じることもあり、口を完全に閉じることができなくなることもあります。
顎関節症になると、このような症状の他に、頭痛や肩こりといった全身の痛み、耳や目にトラブルを起こすこともあります。
顎関節症は、さまざまな原因が重なって起こると考えられています。
最も多いのは、噛み合わせの異常ですが、その他に歯ぎしりやくいしばりの癖がある人、左右のどちらか一方で食物を食べる癖がある人、顎を打つなどして顎関節や靭帯を傷つけてしまったといった理由でも発症します。
顎関節症の診断から治療に至るまで
口を開けるときに「変だな」と感じたら、痛みを伴っていなくてもまず歯科医の診察を受けて下さい。
検査は、問診や視診、触診、X線検査、MRI、CT、額関節鏡検査などの画像検査などを行い総合的に判断されます。
顎関節症の治療は、その症状によりさまざまなものがあります。
その80%~90%は、咀嚼筋のマッサージやストレッチ、マウスピースや薬物を使った治療で症状が改善されます。
噛み合わせが悪いときは、歯の矯正や調整を行うこともあります。
症状が深刻な時は、手術をすることもあります。
顎の関節内に強い炎症がみられる時は、関節内部の物質を洗い流す「関節腔内洗浄療法」を行い、関節円板と骨の癒着がある時は、癒着をはがす「関節鏡手術」を行います。
顎関節症の予防には、生活習慣の改善も大切です
顎関節症が発症する原因は、日頃の生活習慣が影響を与える部分が大きく、治療後もセルフケアがかかせません。
歯ぎしりやくいしばりの癖がある人は、歯を接触させないように注意しなければなりません。
このため、治療後もマウスピースを装着することがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、体の緊張からくるものなので、できるだけリラックスするように心がけましょう。
痛みが残る時は、しばらくの間、硬いものを食べないようにします。
歯を食いしばるようなスポーツや管楽器の演奏、口を大きく開けるといった発声練習は、顎に負担がかからないように注意して行います。
口が大きく開閉するためには、トレーニングが必要になるので、顎の運動や良い姿勢を保つなどのリハビリを実行して下さい。