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春藤泰之

接遇向上に取り組む歯科治療のプロ

春藤泰之(しゅんどうやすゆき) / 歯科医

医療法人社団春藤歯科医院

コラム

寝ている間に歯が欠けた?原因は歯ぎしりと食いしばり

2015年8月28日

テーマ:歯並びと顎関節症

コラムカテゴリ:医療・病院

自分では気づきにくい歯ぎしりとくいしばり


歯ぎしりやくいしばりは、寝ている間にしていることが多く、家族に指摘されるまで自分が歯ぎしりをしているなんてわからない人がほとんどです。
指摘されてみて、改めて自分でやってみようと思っても、起きている間はなぜかできない変わった癖です。

自分では気づきにくい癖ですが、言われてみれば「最近歯がしみる感じがする」「奥歯が傷む」「寝起きはいつも肩がこっているようで顎も疲れている」「風邪ではないのに頭痛がする」といった症状は、歯ぎしりやくいしばりの癖がある兆候です。
ひどくなると歯が欠けてしまったり、顎関節症や睡眠障害といった二次障害が起きてしまいます。

歯ぎしりや食いしばりは、歯科用語でプラキシズム(口腔内悪習慣)と呼ばれています。
寝ている間だけでなく、日中無意識のうちに音を出さずにしている時もあります。

歯ぎしりには、横に歯をこすり合せるグラインディングや強く食いしばるタイプのクレンチング、顎を小刻みに動かして、上下の歯をカチカチとかみ合わせるタッピング、顎をずらした位置で左右に動かすナッシングといった種類があります。

自分では自覚することができなくても、歯科医が口の中を見れば、歯の状態からプラキシズムがあるかどうかがすぐにわかります。
早めに歯科医の診察を受けましょう。

歯ぎしりの原因はいろいろ、子供の場合は治療の必要がないことも


歯ぎしりが起こる最大の原因はストレスと考えられています。
人間はストレスを取り除くために、さまざまな行動を起こしますが、趣味に没頭することや体を動かすといった自分なりのストレス解消法が見つからなかったりすると無意識に歯ぎしりを起こしてしまうのです。

また噛み合わせが原因でも歯ぎしりが起こります。
歯並びの矯正や虫歯治療で詰め物やかぶせ物がある人、虫歯や歯周病の治療で抜歯した後そのままになっている人などは、噛み合わせが悪くなり、顎周辺の筋肉の動きが悪くなって歯ぎしりが起こることがあります。

歯ぎしりは幼い子供でも見られます。
寝ている間に大人と変わらない程大きな音が出るのでびっくりしますよね。

子供の歯ぎしりは、顎の発育や顎がおさまる位置を探すために起こることがあります。
また、乳歯から永久歯に生え変わる時期に起こる歯ぎしりは、歯の生え変わりが落ち着く頃には無くなることが多く、病的なものではありません。
心配な時は、歯科医に相談して下さい。

歯ぎしりの治療や癖をなくすには


歯ぎしりの相談で歯科医院を受診したら、歯科医はまず虫歯や歯周病などの病気があればその治療を先に行います。
そして、噛み合わせが悪くなっているようなら調整をします。

その後、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースに似た物を作り、夜寝るときに装着するように指導します。
このナイトガードは、上の歯を覆う形状で、額関節を休ませる働きを持っているだけでなく、寝ている間に歯がこすれるのを防ぐことができます。

ストレスが原因で、それを軽減するためには、漢方薬や安定剤を用いた薬物療法を行うこともあります。

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