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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

家に大量の本を収納する方法

2018年11月26日 公開 / 2020年5月7日更新

テーマ:住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

今回は、自宅に大量の本を収納する方法について書いていきたいと思います。


このテーマについては、過去にも書いています。
【参考】本の多い人が建てる家(書庫/書斎/図書室のある家)
【参考】書庫、図書室のある家


大量の本をどう収納するかに書いていくと、最近では「電子書籍にしてしまえば良いのに」という意見も聞かれます。

しかし、紙の本の方が良い、本が捨てられないという人もまだまだ多いと思います。

私もその一人です。

前回のコラムで「自宅の本が約4000冊」と書きましたが、困ったことに今はもっと増えています。

たまに減らしますが、全体数で見れば今のところ増える一方です。

私は特に蔵書家でも読書家でもないのですが、本は減りません。

今回はそんな人の家作りについて、書いていきたいと思います。



「大量の本を収納している建築物」というと、参考になりそうなのは図書館です。

インターネットで図書館建築を検索すると、明るく、開放的で、格好いい図書館の画像がたくさん表示されます。

しかし最近、本好きの人が有名建築家の設計した図書館を非難する意見が多くなってきました。

「高い壁一面の本棚は使い辛そう」
「直射日光が入ると本が日焼けする。閲覧にも向かない」
「高い棚の本、地震が来ても大丈夫?」
「最初から収納棚が一杯になっていては、今後蔵書が増やせないのでは?」

など。

「建築家は見た目のデザインしか考えていない」
「建築家には図書館を設計する能力がない」

と書いている人もいます。

本棚
※写真は司馬遼太郎記念館のHPから。この記念館の巨大本棚は、基本的にディスプレイ用だと思います。



今回は、個人住宅の話ですので図書館とは直接関係ありませんが、これらの指摘は、家での本の収納にも当てはまる部分があると思います。

たとえば、最近、個人住宅でも目にすることのあるインテリアとして「高い壁一面の本棚」などがありますが、これは見た目は良いのですが、地震時の安全性には問題がありそうです。

高さのある本棚は、埃などの掃除も大変です。

そしてなんといっても、本が取り出し辛く、普段の使い勝手が悪いでしょう。


家での本の収納については、図書館とは違います。

自宅図書室には必すしも閲覧室を設ける必要はないのですから、直射日光の入らない場所を選んでも良いかもしれません。

書庫を一箇所に固めずに、家の各部屋に分散させても良いかもしれません。

本はインテリア家具ではないのですから、見た目より、自分が使いやすい方法を選んで頂いて良いのです。


個人的な意見になりますが、本の多い人にとって「家の本棚」に求められる役割は、

・収納効率が良い。

・どんな本があるか、他人に見せる必要は無い。

・しかし、自分は直ぐに探せる。

・あまり埃が付かない方が良い。

・今後、本が増えても対応出来る収納能力がある。

このあたりではないかと思います。


そして、建築設計的に気になるところは、

・床が抜けない。地震でも安全。

ここがポイントだと思います。


たとえば、開架式の本棚を買ってきて並べただけでは、倒れる危険があります。

商品によっては天井に固定する本棚というものもありますが、固定の仕方次第で、天井の方が保たない可能性もあります(天井はそんなに丈夫ではありません)。

またそれ以前に、本を集密収納すると、木造住宅では床が保たない可能性が高いと思います。



本の収納については、本の数、種類(サイズ)によっても変わってきますし、人によっても「こだわりポイント」が違ってくると思います。

重量物である本は、構造設計にも関わってきます。

「大量の本を収納できる家」を建てたい人は、是非「本の収納で困っている設計者」と一緒に、家を建てて頂きたいと思います。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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