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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

収納にこだわる【キッチンにこだわった家作り】

2018年11月16日 公開 / 2020年5月7日更新

テーマ:キッチン

コラムカテゴリ:住宅・建物

キッチンにこだわった家作り、今回は収納について書いていきたいと思います。

前回は、こちらです。
【キッチンにこだわった家作り】食洗機にこだわる



◇パントリー収納について

パントリーとは、キッチンの一部に設けられた収納で、ストック食料品、使用頻度の低い調理器具などを保管しておく場所です。

今までのキッチンの収納では、
  使用頻度の高い食器 → カップボード
  使用頻度の高い調理器具 → キッチン本体
というふうに使われてきましたが、最近はこれに加えて、
  使用頻度の低い食料品、調理器具、食器 → パントリーに収納
という家が増えています。

パントリー

キッチンには、オフシーズンには使わないもの(土鍋やカセットコンロなど)、使用頻度が低いもの(ホットプレートや来客用食器)、ミネラルウォーター、飲料、乾物、調味料などがあるかと思います。

また、子供のいる家庭ではお弁当箱や水筒なども複数あったり、非常食がストックされている家もあるかもしれません。

こういうものをすっきりと片付けようとするなら、どうしても広めのパントリーが必要になってきます。

パントリー

キッチンにパントリーを設ける場合、「奥行きのある、ざっくりとした空間を用意する」ことをお勧めしています。

たとえば、ホットプレートなどはかなりの奥行きがありますし、ダンボールに入った食材などは、小分けせずそのまま置いておけた方が便利です。

日常使うカップボードなどは、重ならないようになるべく細かく仕分け、分別して置ける方が便利かもしれませんが、パントリーについては「ざっくりした広さ」が確保できるようにして下さい。



◇冷蔵庫について

インテリア雑誌などをみると、キッチンの壁にピッタリと冷蔵庫が納まった写真をみることがあります。

インテリアデザインから考えると、壁に隙間無く、更に前面に凹凸もなくフラットに納まった冷蔵庫は、キッチン全体をすっきりと綺麗に見せます。

しかし、冷蔵庫は家電製品です。

当然、電化製品としての寿命がありますし、技術革新で性能の良い商品が出てくる可能性もあります。

新築時、完璧な納まりをみせた冷蔵庫も、次の買い換えでピッタリ納まるかどうか判りません。

冷蔵庫の納まり

冷蔵庫の納まりについては、将来を見据えて、少し余裕のあるサイズを確保して下さい。

具体的なサイズについて難しいのですが、たとえば、家庭用の冷蔵庫の最大サイズ:横幅約90cmを一つの目安にして貰ってもいいかもしれません。

どうしても大容量の冷蔵庫が必要な場合、もう一台冷蔵庫を増やして、たとえばパントリー内にもう一台の冷蔵庫を設置するなどの対応も良いかもしれません。



◇吊り戸棚について

キッチンの上の空間を有効に利用出来る吊り戸棚については、壁付けのキッチンが主流だった頃には広く使われていました。

しかし、対面式キッチンが主流になり、更に広いLDKが増えてくるのに従って、圧迫感のある吊り戸棚はあまり使われなくなってきました。

キッチンの吊り戸棚

写真はクリナップのキッチンです。

最近では少なくなった吊り戸棚ですが、これくらいデザイン性のある吊り戸棚であれば、インテリアとしても綺麗に纏まってきます。


吊り戸棚の欠点は、キッチンとダイニングを視覚的に仕切ってしまうところにあります。

しかし、「キッチンをあまりオープンに見せたくない」という人からすると、この「視線をさえぎる」ことは、逆に利点にもなり得ます。


キッチンは使う人にとってプライベートな空間です。

どのように空間を区切るのか、吊り戸棚を使うことも含めて、自由に考えて頂いて良いと思います。



◇その他


・ゴミ箱について

「生ゴミをキッチンに置きたくない」という要望を聞くこともあります。

これについては設計上何度か検討したことがありますが、まだ完全な解決方法が得られていません。

「キッチンの外にサービスバルコニーを設けてそこにゴミ箱を置く」「二重密封できる大きなゴミ箱を設置する」「ディスポーザで処理する」などのアイデアはありますが、「これがベスト」という方法までは至っておりません。

ゴミ箱の設置については、設計していく中で、個別に検討するしか無さそうです。


・買い物動線について

食料品の買い物は、ほぼ毎日のように行われる作業です。
  買い物を持って玄関を入る → ・・・ → 冷蔵庫、パントリーに収納する
この動線が長すぎないような間取りにすることをお勧めします。


・通路幅について

これは収納とは直接関係ありませんが、キッチンに立つ人が一人ではない場合(夫婦で料理、親子で料理など)、通路幅は広め(90cm以上)にすることをお勧めします。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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