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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

食洗機にこだわる【キッチンにこだわった家作り】

2018年11月15日 公開 / 2020年5月7日更新

テーマ:キッチン

コラムカテゴリ:住宅・建物

今回から何回かにわたって「キッチンにこだわった家作り」について書いていきたいと思います。


家作りをしていく中で、キッチンにこだわる方は多いと思います。

メーカー、素材、デザイン、サイズなど、人によってこだわりポイントはいろいろあると思いますが、今回はキッチンの「機能」に注目し、その中でも食器洗い乾燥機、いわゆる「食洗機」について書いていきます。


まず、食洗機の普及率について。

古い家まで含めた設置状況については判りませんが、これから家を建てる方の間で、「食洗機」はかなり標準的な住宅設備になっていると言えるのではないでしょうか。

たとえば、最近私が設計した家の中での設置率は、ほぼ100%です。

システムキッチンのショールームでは、殆どのユニットに設置されていますし、新築での普及率はかなり高いと思います。


食洗機を分類すると、まず、設置場所で「ビルトイン型」と「据え置き型」に分けられます。

置き型食洗機
写真は据え置き型の例です(Panasonic)。

後から食洗機を設置する場合はこのような「据え置き型」を使いますが、新築あるいはリフォームでキッチンを新しくする場合、ビルトインタイプを選ばれることが殆どだと思います。


ビルトインタイプの食洗機について、国産メーカーの殆どは、以下の3種類にサイズが決まっています。
 ・幅45cm 浅型
 ・幅45cm 深型
 ・幅60cm 浅型

食洗機のサイズ
写真はPanasonicの食洗機の例です(Panasonic)。

これらの内部の広さは、
  幅45cm浅型<幅45cm深型<幅60cm浅型 
の順番で広くなります。

使い勝手を考えると、当然、一番間口も容量も大きい「幅60cm浅型」が有利なのですが、現在、このタイプはあまり主流ではありません。

システムキッチンに組み込んだとき、かなりスペースをとるので、そこが敬遠されるのかもしれません。

キッチンメーカーによっては、「幅60cm浅型」を取り付けられない商品もありますので、このサイズを予定している方は注意が必要です。

食洗機の希望サイズについては、必ずショールームで伝えた上、取り付け可能か確認をして下さい。


国産の食洗機は上記の3サイズが主流になるのですが、人によっては「こんな小さなサイズでは使えない」という方もいるかと思います。

その場合の選択肢としては、海外製の食洗機から選ぶことになります。

ガゲナウ
写真はドイツのメーカー、GAGGENAU(ガゲナウ)の食洗機です。

ガゲナウ、ミーレなど海外製の食洗機は、大きさも使い勝手も国産と大きく違います。

サイズが大きいだけでなく洗浄能力も強力ですし、扉は全面開いて、食器だけでなく、鍋やフライパンなどの調理器具も入れるように作られています。

使い方も「下洗い無し」「大量に詰め込む」「時間をかけて一気に洗う」という方法が主流です。

家事文化の違いなのか、国産のような細々とした洗い方とは使い勝手が全然違ってきますので、それに合わせた食器の片付け方が必要です。


海外製の食洗機については、国産メーカーのシステムキッチンの殆どにそのまま取り付けることが出来ません。

ウッドワンなど、一部、取り付け可能なシステムキッチンメーカーもありますが、基本的にはオーダーキッチンのメーカーから選んでいくことになります。


海外の食洗機を選ばれるのでしたら、キッチン自体を海外メーカー製にするという方法もあります。

ユーロモビル
写真はユーロモビルのキッチンです。

キッチン本体がヨーロッパ製、ほぼフルオーダーですので、食洗機も自由に選べます。

デザイン性も素晴らしく、大型の食洗機を入れても、すっきりと綺麗に納まります。



今まで読んで頂きましたとおり、どんな食洗機を使うのかというのは、システムキッチン全体を決めてしまう可能性があります。

ハウスメーカー、建て売りなどの住宅を選ばれる場合、「自由設計」をうたっている会社でも、選べるキッチンが限定されていることが殆どです。

その結果、好みの食洗機が選べない可能性があります。

また、設計や営業の担当者によっては、食洗機に関して「商品知識がない」場合もありますし、そこそも「食洗機の選択肢を採り上げて貰えない」こともあります。


キッチンにこだわりのある方は、モデルハウスなどを見に行ったときに、「キッチンが自由に選べるか」「欲しい設備が付けられるか」などを聞いてみて下さい。

そして、家の設計を依頼するときは、充分な知識があり、キッチン選びにも立ち会ってくれる「建築設計士」がいる会社を選んで下さい。


勿論、建築設計事務所では、一からアドバイスさせて頂きます。

何かありましたら設計事務所に御相談下さい。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

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 ◇ ◇ ◇


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