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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

住みやすい家を作るための設計者の選び方

2013年12月28日 公開 / 2020年5月12日更新

テーマ:住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

今回は家を建てるときの設計者の選び方についてです。

タイトルでは「設計者」となっていますが、建築事務所と一緒に家を建てる場合だけでなく、ハウスメーカーや工務店で家を建てる場合にも当て嵌まることだと思いますので、これから家を建てるすべての人に参考にして貰えたらと思います。


家を建てるとき、あなたの要望を具体化し、プランを纏めていくのが設計者です。

ハウスメーカーによっては、担当してくれる営業マンが、設計者に当たる人かもしれません。

住みやすい家が建てられるかどうか、まず最初の段階が「良い設計者(担当者)」を選べるかどうかだと思います。


設計者にも、いろいろなタイプの人が居ます。

その中で、住みやすい家を建てるための設計者とは、どういうタイプの人でしょうか。

今回は、こういう設計者をオススメするというポイントを書いていきます。

リビング俯瞰

◆複数の選択肢を提案してくれる人

家のプランを考える最初の段階では、いろいろな考え方があると思います。

家の大きさ、間取り、2階建てか3階建てか、リビングは1階か2階か、ビルトインガレージ、ロフト、吹き抜けは必要か・・・最初の段階ではあらゆる選択肢があるでしょう。

家つくりとは、その中から必要な部屋、欲しい部屋、土地の制約、予算の制限などを考え、次第にプランを詰めていく作業です。

最適な答えを導き出すためには、いくつもの選択肢を用意して、比較しながら選んでいかなくてはなりません。

後悔しない家つくりのためには、プランニングの段階で複数のアイデアを出してくれる設計者を選ぶようにしましょう。

反対に、最初から「このプランが最適です!」とYesNoの決断を迫るような人(設計者には少ないけど営業マンには、よく居ます)は、要注意です。


◆メリット、デメリットを説明する

家つくりでは、その途中で様々な判断が求められます。

そのときに、そのメリットデメリットを、住む人の視点で説明してくれる人を選びましょう。

たとえば、

 ・吹き抜けの広々リビング
   【メリット】開放的で気持ち良い
   【デメリット】空調が効かない

 ・二十四時間空調システム
   【メリット】一年中快適、安全。埃が立たない。
   【デメリット】一年中光熱費がかかる。窓が開けられない。

のような感じです。

広い窓は明るい日差しを取り込みますが、断熱性に不利です。

開放的なオープンキッチンですが、料理の臭いが広がりやすいという欠点もあります。

設計者には、経験的な知識があります。

あなたの知らないデメリットも知っているかもしれません。

メリットだけでなく、デメリットも説明してくれる設計者を選びましょう。


◆長期的な視点で話をしてくれる

この場合の「長期的視点」というのは、「住む側の変化」と「家の変化」の2つがあります。

住む側の変化とは、家族構成の変化や、住む人が歳をとることについてです。

家の変化とは、経年劣化、メンテナンスの必要性についてです。

家は一度建てたら数十年生活する場所です。

長期的な視野を持ち、将来の変化についてのアドバイスをしてくれる人を選びましょう。


◆税金、補助金、住宅ローンなども含めて、金銭面の相談ができる

家を建てるときには、建築費用だけでなく様々な費用が掛かります。

そこには、建築設計の内容がコスト面に影響するものも少なくありません。

たとえば、

  建築面積 → 不動産取得税、毎年の固定資産税に影響する

  長期優良住宅 → 減税、優遇金利などがある

  屋上緑化 → 自治体によって補助金がある

などです。

これらには当然、メリットとデメリットがあります。

設計者に対して細かい金額の計算までお願いするのは無理かもしれませんが、どういう税金、補助金、優遇金利などがあるのか、ざっくりと相談出来ると助かります。

※住宅の税金、登記などについては税理士、司法書士などが専門ですので、細かい点は、これらの専門家に相談出来ると良いですね。


◆家事が出来る人

「家はデザイン重視、使い勝手や快適性は犠牲にしてもカッコイイ家をつくりたい」人なら、どんな設計者でも関係ありません。

しかし、住みやすく快適な家を求めるのでしたら、全く家事をしたことのない、生活感のない設計者に住宅のプランニングを依頼するのはオススメしません。

実際、著名な建築士でも住宅設計を得意にしている人は、自分で家事をする、生活感のある人が多いようです。

キッチンの使い勝手、洗濯から物干しへの動線、バスルームの掃除のし易さなど、家事動線についてはプランニング段階で設計者によく相談しておきましょう。

このあたりについて、あなたの話を聞いてくれない設計者は要注意です。

※私は、デザイン性と使い勝手を上手く両立させるのが、良い設計者だと考えています。


◆話をきいてくれる人

今までの話を総合しますが、設計者(営業担当者も同じです)は、あなたとちゃんと話が出来ることが重要です。

あなたの要望をちゃんと聞いて、その回答を用意すること。

幾つかの選択肢を提案してくれ、説明してくれること。

ハウスメーカーの営業マンによっては、自社の製品の優秀さばかりアピールする人もいるかもしれません。

自社製品(家)についてのアピールも重要かもしれませんが、それ以上にちゃんと話を聞いてくれる人かどうかが重要です。

あなたの話をちゃんと聞き、最適な答えが得られるように努力してくれる、そういう設計者を選んで下さい。


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http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25680/

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 ◇ ◇ ◇


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