素敵な五月人形2013⑧ ≪続・爽やかです。白糸縅兜(しろいとおどしかぶと)≫
年がら年中、人形と向き合っている私は気がつけばうっかり「分かりにくい「言葉」を使っているのではないか?」と振り返るときがあります。私がこの仕事に就き始めた時、自分自身で「分からなかった言葉」、「疑問に思ったこと」「なるほどなるほどっ」と思ったことを振り返りながら載せていきます♪
今回は「兜の名匠」を簡単にご案内♪
↑吹返し (ふきかえし)と読みます。
兜によっては、人口皮、和紙、生地、豚皮、鹿皮(印伝)などがあります。デザインも様々で、職人によりデザインや大きさも違います。
↑鍬形(くわがた)とよみます。
一昔前までは金のタイプが殆どだったのですが現代は好みの多様化もあり、シルバータイプ、ブロンズタイプ、燻銀タイプなどがあります。武将タイプでは、伊達正宗のような三日月タイプ、上杉謙信の日輪、直江兼続の愛、種類は様々です♪
↑錣(しころ)と読みます。
一般的にはアルミ板に鍍金をかける場合が多いです。その他、和紙製、鉄製、革製、真鍮製、銅板制などがあります。紐の通し方を縅(おどし)といい、小札(こざね・ギザギザの部分)の幅の大きさにより紐を通す数が左右されます。また二段のタイプ、三段のタイプ、四段のタイプがあり段数が多いほど作り手は手間がかかるのですが、視覚的に美しく見えます♪
↑鉢(はち)と読みます。
鉢部分の仕立ても奥が深く、鋳物鉢、ヘラ絞り、プレス、矧ぎ合わせ、など製造方法はさまざまです。デザインでは、大きく分けて、筋兜(すじかぶと)、鋲兜(びょうかぶと・別名 星兜)の二つに分類されます。ちなみに画像の仕立ては矧ぎ合わせ鉢で、デザインは鋲兜となっています。
櫃(ひつ)と読みます。
兜や鎧の土台となる箱の事です。兜、鎧はこちらの櫃に仕舞い込めます。
よく、「箱に仕舞えるのだったら、収納タイプとどう違うの?」とよく質問されるのですが、収納たタイプは付属の櫃が無い代わり下の飾り台が収納箱となっており、付属の弓や太刀、屏風までもお仕舞頂けるタイプとなっています♪(一部屏風のみ別箱になっているタイプもございます)。
ちなみに櫃にもいろいろと種類があり、艶のある「塗櫃(ぬりびつ)」、生地を一枚当てた紗張櫃(しゃばりびつ)、石目塗櫃(いしめぬりびつ)、根来塗櫃(ねぎぬり・ねごろぬり)など様々です。そこに金具を装飾をしているタイプ、シンプルに装飾をしていないタイプがあり、兜、鎧によって多種多様な組み合わせになります。
本日のご案内はここまでですが、ご案内したところを見ていくだけでも、種類の多さ、奥の深さ、職人の「こだわり」奥深いです♪
ちょっとした部分を知るだけで、お人形選びも楽しくなると思います。人の手で作ったも、少しでも職人の「こだわり」が伝われば幸いです。
五月人形のい・ろ・は♪① 兜の名称
五月人形のい・ろ・は♪② 鎧のデザイン
五月人形のい・ろ・は♪③ 兜のデザイン 龍 黄金 編
五月人形のい・ろ・は♪④ 兜のデザイン シルバー編
五月人形のい・ろ・は♪⑤ 兜のデザイン 武将編
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