14【不動産投資】サラリーマン大家のリスク管理

竹下昌成

竹下昌成

テーマ:不動産投資

2018年11月の3時間セミナーの微修正版です。わずか5年前ですがずいぶん環境が変化しました。
現在との違いを実感いただくために数字は当時のままです。文字だけで見にくいですがご覧ください。

はじめに


こんにちは。
不動産収入ときくとウラヤマシイ・不労所得・難しそう・ダマされそう・よくわかんない、ってイメージの方が多いと思います。たしかに!
2008年9月のリーマンショック以降の物件価格の下落と金融機関の積極的、一部行き過ぎた融資姿勢によってサラリーマン大家さんがブームになりました。そして、そのブームもスルガショックでいろいろな変化が出てきています。
 時代や周辺環境も含めたリスクにも耐えられる不動産投資の考え方が必要です。
人生100年と言われ始めた中で何かしら運用を考える人は増えてくるでしょう。何を選ぶかは自由ですが、自分がきちんと理解して選べるようになることが大事だと思います。少しでもみなさん自身や相談を受けられる際の参考になれば幸いです。

そもそも・・・、不動産投資についておさらいです。
どんな効果がありましたか??
節税・年金にプラス・生命保険代わり・高利回り・レバレッジ効果・インフレ対策・相続対策。こんなところでしょうか。
ライフプランをはじめ、金融面でできること融合するなどFPならではの視点も含めて入口・維持・出口の3つのフェーズで考えていきましょう。



第一章 入口
1.買う   
①時機
・波を見る?      サイクルを繰り返すから?
・景気のサイクル    リーマンショック2008年9月
好景気→金利高い→物件高い  不景気→金利低い→物件安い 
・スルガショック・・・今後は!?
・自宅購入時が大きなチャンス 自己資金で投資物件購入すると・・・
例)住宅3000万円 自己資金1000万円の場合

・子供の学資準備に

子供の助成金
奨学金貸与(固定0.27%、変動0.01%)

給付奨学金・大学無償化  基準に注意 年収380万円 資産2000万円?
  ・若いうちに  節税・・・損益通算
勤務先の規定注意・・・副業の範囲
         借入が短くなる年齢・・・80歳完済メド
         住宅ローンとの順番に注意
                    
②物件
・場所   リスク分散したつもりが・・・災害 空き家問題 人口減
・構造   SRC・RC・鉄骨・木造
・種類   一棟・戸建て・区分マンション
・間取り  ファミリータイプ・単身タイプ 
・築年数  融資・火災保険・リノベーション
・情報源  ネット 不動産業者 銀行 大家クラブ(コンサル) 競売 
・新築ワンルーム 要注意 

例) 上記 東京新築ワンルームマンションの収支計算
東京都内 駅歩10分 価格2500万円 家賃11万円
借入金額2500万円 期間35年 金利1.86%変動(月額81,030円)
修繕積立5000円 管理費5000円 固定資産税額 年10万円
入居管理費 家賃の5%

A.年間収支はいくらになりますか?



B.家賃が9万円に下がった場合の年間収支はいくらになりますか?



C.あなたはどの物件を買いますか?


普通のサラリーマン 2室で限界 
業者DVD 公務員が自室で缶ビールでカンパーイ  成功!?
家賃保証(サブリース)
*一括借上げ(サブリース)の条件例
  原則2戸~
  空室保証あり
  滞納保証あり
  1戸の場合は検討はします、
  条件は借上率80%、インターネット設備完備(WIFI無料)、設備は最新設備付帯が条件となります
   (例 TVモニターホン、ウオシュレット、エアコン、洗髪洗面台等)
   現状空き家の場合は決まった家賃の80%~借上形式スタート
   退去免責あり

結論  サブリースは不要 ついてる物件は普通に入居が決まる物件
売却時も苦労します、なぜでしょう??

③今、買っていいもの
・相場を分かっていない割安な物件
・任意売却等の物件
・売り急いでいる物件
*5年後同価格以上 実利10%    相場家賃で試算 なければ作る
*キャピタルが明らかに出るもの    売却時まで所有する体力は必要

2.誰で買うのか
・本人  配偶者  子供  親  法人

3.資金
①自己資金
  ・サラリーなどで貯蓄
→ 職位や年収が借入できる金額に影響
→ 仕事での社会経験が不動産経営に活かせる
  
 
②借入
・都銀・地銀・信金信組・ノンバンク・住宅ローン会社・政策公庫  
・有担保と無担保
・本人・配偶者
・奨学金
・民泊業者問題(スルガショック)以降審査厳しく


③贈与
   
4.業者
①どこから探す??  できれば紹介してもらうこと
②大きな会社・小さな会社  「一緒に成長したい会社」を選ぶ
③懇意・公平



5.考え方
①損をしなければOK
②長期 顧客のライフプランと一致しているのか
③投資と経営  消費者と事業者
④不労所得?? カラダ アタマ ココロ ジカン そしてリスク
⑤インカム重視   
⑥決断の覚悟と購入できる準備を 



第二章 維持
1.リスク
①修繕
②空室    
③自殺他殺等事件
④自然災害
⑤物件瑕疵
⑥管積上昇
⑦金利上昇


2.リスクに対して
①収入を増やす  どんなものが思いつきますか?
例)家賃を上げる 自販機 駐車場 看板 アンテナ

②支出を減らす  どんなものが思いつきますか?
例)都市ガス→プロパンガス  電気温水器→プロパンガス
金利交渉   借り換え 
保険の利用

③安定させる
高齢者   生活保護  シングルマザー  物件を増やす
        
④手間を省く    
賃貸契約  原状回復・リフォーム
       
3.管理会社
→ 管理料が安定収入、売買仲介が臨時収入、を目指す会社が多い
①家賃の3%~8%が管理料
②広告料は1カ月~2カ月 
③複数物件を所有する場合は複数社と付き合うことも検討
④修繕に利益を乗せる会社も
⑤不満が解消しなければ乗り換え
⑥頻繁に連絡し過ぎない
⑦ 物件情報が期待できる
        
4.火災保険
①破損汚損 フル活用 
②風災   免責20万円以下など注意
③水災   適用要件は厳しい 地盤面から45センチまたは床上浸水
         要るか要らないかきちんと判断を
④水漏れ  電気温水器物件、築古物件注意
⑤地震保険 一部損壊 5% 軽微なヒビでも対象の可能性
             売却していても該当しているときに所有していれば対象
⑥解約   長期の場合は売却時の解約を忘れないように
⑦物件に近い代理店
⑧保険価格 最低金額で充分なのかめいっぱい欲しいのか
⑨火災保険でリフォームしませんか?
         やめておきましょう そんな業者はトラブルの元です
         
5.その他
①確定申告  自分でできる  国税庁HP確定申告作成コーナー
       節税するには・・・買い続ける
②生命保険の見直し 団信付きの借入で調達した場合など
③寄ってくる東京の不動産業者

例1 「押し買い業者」
平成29年冬のことです。東京の不動業者から投資用マンションを所有する四国の老夫婦に電話がかかってきました。物件は福岡市博多区です。現状400万円程度が相場のワンルームマンション。残債はありません。これを200万円で買い取りたいと電話してきました。しつこくくいさがってきましたが、当然、老夫婦は断りました。
ところが、翌日、四国の老夫婦の自宅まで東京の業者がいきなりやってきて売るまで帰らないと居座りました。老夫婦は怖くなって売却してしまいました。
どうすれば良かったのでしょうか?

例2 「媒介契約ゴリ押し業者」

 平成30年8月のことです。兵庫県に住むマンション投資家の男性に東京の不動産業者が電話してきました。「値段次第では売却される物件はないでしょうか?」
男性は売却に出している物件があったのでそれを扱うことを了承しました。
すると「ちょうど今から別件で商談があります。そこで物件の紹介をしたいので一般媒介契約書をFAXでやり取りお願いします。」と言ってきました。
男性はキッチリしているなぁ、と好感を持ち625万円で一般媒介契約書を交わしました。
すると、2時間後電話がかかってきました。
「商談を抜けてきました。現時点での予算は250万円しかないのですが購入意欲はとても強いです。差を埋めていきたいのですがもう少し値段を下げてもらえませんか?」
男性は了承しました。「手取りで550万円ならいいですよ、売値576万円ですね」
すると不動産業者は再度、一般媒介契約書が欲しいと言い出しました。
不思議に思った男性は交渉は買い付けで良いですよ、と言いました。
すると業者は「言った言わないになるといけないので媒介契約書が欲しい」と繰り返します。
そんなこともあるのか、と576万円で再度FAXやり取りをしました。
そして1時間後、再度、業者からの電話です。「もう一息なのですが、まだ差があります。もう少し金額を下げてもらえませんか?400万円ならどうでしょう??」
男性は金額をこれ以上下げる気はないので今回は見送る旨を回答しました。
ここからしつこく電話でくいさがってきます。450万なら、500万なら・・・。
当初250万円だったものがそこまで上がるのも奇妙です。奇妙と言えば買い付けも出さない。さらに奇妙なことに同じタイミングで別の買取業者を名乗る不動産業者から男性に「このマンション、250万円で売りませんか?」と電話がかかってきていました。
男性は商談客がいるように装って一般媒介契約書で値段を下げて売らせるやり方だと推測しました。

どうすれば良いでしょうか?



第三章 出口
1.物件としての出口

A.売る

①高値で売れる→次に買う物件も高値  
②譲渡所得 減価償却分も利益    
③短期譲渡と長期譲渡 税率・減価償却・相場
④リースバック 

B.持ち続ける

⑤売る必要がない キャピタルが出ない インカム重視 気に入っている
⑥家賃を下げる 使用貸借
⑦子供など含め自己使用
⑧リバースモーゲージ
⑨別の収入を確保しておく
⑩定期的に精算バランスをチェック(時価)

     
2.不動産投資の出口

①ステージ戦略          


ハイリスク期     借入が資産と同じまたは多い
           ひたすら借入 インカム収入だけは膨らむ
           収入=所得ではないことを肌感覚で理解
           家賃収入増→自宅買い替え→BMWに乗り換え、はしばらく先で
RC一棟・ワンルーム・木造アパート

改善期        借入が資産より少なくなる
 インカムは維持または減る、キャピタルは増える
 ババ抜き 物件は入れ替え 5年メドでいったん検討
 ファミーリー区分 土地値のアパート・戸建て

安定期        借入が資産の二分の一以下
           インカムに対する所得の割合はさらに増える
           キャピタルの頻度が減る・売り急がない
           家族名義資産形成  
 
成熟期        物件の減価償却が終了
           借入金額も減少
借入は相続対策、団信メリットなど、長期分を残す
           目指すのは「昔ながらの大家さん」



②65歳の年金受給を試算、残す資産・量を決めていく  

例)65歳で年金月額20万円の夫婦がで月々プラス20万円を実現するには??


③法人設立し社会保険料の軽減  75歳まで     

 協会健康保険料
・国民健康保険   と    法人設立費用        を比較
 法人維持費用             

・認知症などになる前に処分または後見人契約も検討
・後継者がいる場合はきちんと教育をしておく

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20年を超える不動産投資・不動産運用歴を基に、不動産にまつわるさまざまな疑問に答えます。初心者でも分かりやすく伝えることをモットーにしています

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