窓のエコリフォームを比較!ガラスを交換するべき?新しく内窓を付けるべき?
「近くにコンビニが出来て夜中も騒がしい」「子供のために静かな環境をつくりたい」
あるいは、「ピアノの音が近所迷惑になっていないか心配」「ペットの鳴き声が外に漏れないようにしたい」。
外の音が気になる方、音を出してしまってお悩みの方など防音したい理由は千差万別。
音というものは、発している側からすればあまり気にならないものですが、聞いている側の人間はストレスを感じるものです。そして、気になりだしたら、とことん気になるもので、防音リフォームを考える方も少なくありません。
そのような方々に注目していただきたい場所は「窓」です。
【マンションの高層階の内窓 風の金切り音が聞こえません】
<なぜ窓の防音対策なのか?>
外から聞こえる音、自ら出す音が気になる場合、もっとも対策が必要なのは窓です。
音の出入りは、窓、玄関、床、壁、天井、換気口など、いろいろありますが、その中でも圧倒的に窓が多いからです。
にもかかわらず、壁や屋根や床の厚みに比べて、一般的なガラスは通常3~5mmほどと薄いので、音が透過しやすいのです。もしも部屋が壁だけならば聞こえてこない音も、窓があるために騒音として入ってきます。また、家の中の音が外に漏れてしまいます。
そのため、窓の防音リフォームによって防音性能は大幅に改善されると考えられます。
道路工事や大型自動車の走行など、家が振動するような音となると対策は困難ですが、それ以外の空気を伝わって聞こえる音は、窓の防音対策によってかなり軽減されます。
<防音対策には3つある>
窓の防音対策は次の通りです。
〇サッシはそのままにして窓ガラスだけを交換する
〇窓もサッシも交換する
〇二重窓(内窓)にする
それぞれについて詳しくご説明いたします。
【出窓のサッシをばらしてガラス交換しています】
【ガラス交換が完了しました】
①【窓ガラスを交換する防音対策】
今のガラスを防音ガラスに交換する方法があります。
防音ガラスは各メーカーいろいろな種類がありますが、一般的な構造としては、2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟んだガラスや、異なる厚みのガラスを組み合わせた防音仕様の複層ガラスなどがあります。
防音ガラスはマンション用のアルミサッシにも対応しており、施工は簡単です。しかし、マンションでは窓は共用部扱いとなっているため、個人で入れ替えることができない場合が多いです。また、窓ガラスだけを交換しても、サッシの隙間から入ってくる音は防音できません。
【戸建 古い窓枠の切り取り作業】
【戸建 新しいサッシの取付作業】
【戸建 室内から見た新しい窓枠】
②【窓もサッシも取り替える】
窓は、開閉がスムーズにできるよう、サッシの下枠の中に戸車が入っています。この部分に隙間があります。この狭い隙間から侵入してくる音のほうが、ガラスを透過してくる音よりも断然多いのです。
窓枠ごと取り替えてサッシとガラスを防音仕様のものにすれば、音の漏れは改善できるでしょう。
戸建は、交換が可能です。サッシ周りの外壁を解体し、新しいサッシを入れた後に外壁補修も必要ですので、費用も手間もかかります。また、マンションなどでは窓は共用部分となっているので、窓ごと交換するリフォームは許可が下りないのが普通です。
【戸建て用 アルミ樹脂複合ペアガラスサッシ+雨戸付きは最強です】
③【内窓をつけて二重構造にする】
既存の窓の内側にもうひとつの窓を追加で設置し、窓を二重構造にする方法です。内窓は設置しやすいので、防音対策としては一般的です。戸建住宅で、室内に設置が難しい場合や和室の掃出し窓の場合は、外窓で対応することもあります。
内窓は、いまある窓を壊さないので工事も簡単で、価格もリーズナブルです。通常、既存の窓枠の内側に取り付けることになりますが、この幅はメーカーによって異なり、幅が狭い場合は「ふかし枠」といって増し枠を施す必要があります。
【マンションの窓にびっしりついた結露も内窓で大幅改善します】
<おすすめは内窓の設置>
以上のように、ガラスの交換だけではサッシの隙間から音が漏れますし、窓枠ごと交換するのは、手間とコストがかかります。おすすめしたいのは内窓です。
既存の窓と新設した窓の間にできる空気の層が音の通過を緩和します。この空気層が広ければ広いほど防音効果が向上します。また、新たに取り付ける窓枠を、密着性の高いものにするため、隙間を通り抜ける音も減ります。
マンションでも内窓の設置は共用部分に触れないので、許可が下りるのが普通です。総合的に考えると、内窓の設置がもっとも効果的な防音対策といえるでしょう。
【内窓をつけると真冬にこれだけの冷気遮断効果がありますよ。なんと12℃も!】
<内窓は、防音のほかにもメリットがある>
家計にうれしいことに、光熱費が下がります。内窓をつけると、冬は室内の暖気を逃がさず、夏は冷たい空気の流出を防ぐので、省エネ性能が格段にアップするからです。結露の防止にもつながり、さらには防犯効果もあります。
ただ、内窓を設置できない箇所もあります。換気扇やエアコンの室外機が取り付けられている窓、内倒し窓や回転窓などのように開閉構造から設置できない場合もあります。
このように、窓の防音対策は、リフォーム箇所によっても対策が異なりますので、信頼のできる業者に相談してみることをおすすめします。