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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

窓の結露の原因は?結露によるカビの対策や防止には内窓が最適

2019年6月29日 公開 / 2020年4月24日更新

テーマ:リフォーム 窓

コラムカテゴリ:住宅・建物

冬になると窓やサッシをびっしょり濡らす結露。なぜ、こんなに窓が濡れるのか疑問に思ったことはありませんか?

結露の対策をするためには、まず結露が発生する原因について理解することが大切です。今回は結露が起こるメカニズムと、それに合わせた対策についてお伝えします。


【コーナーFIXガラスにびっしりついた結露】

<結露が発生する原因>
空気には水分(水蒸気)が含まれており、これが結露のもとになります。

空気は暖かければ暖かいほど水蒸気を多く含むことができ、逆に冷たくなるほど含むことができる水蒸気の量が少なくなります。水蒸気をたくさん含んだ暖かい空気が冷やされると、保持しきれなくなった水蒸気が水滴となって現れます。これが結露です。

冬の窓を例にとると、窓ガラスは外気の影響を受けてとても冷たくなっています。逆に部屋の中はエアコンやストーブで暖められています。窓を閉め切って生活するため、湿気もこもりがち。そんな環境で、室内の暖気が窓際に移動し、冷たい窓ガラスにぶつかった時、空気中の水蒸気が水滴となって窓に付着するのです。

このように湿度(水蒸気)と温度差が相まって、結露は発生します。1年でもっとも結露が発生しやすい時期は冬です。暖房をつけているので部屋の中は温かく、窓は冷たく、乾燥を防ぐために加湿器を使用していれば湿度も高くなります。また、石油ファンヒーターやガスファンヒーターといった燃焼系の暖房器具、台所での煮炊き。これらによっても湿気が発生します。


【結露を放置してアルミサッシについたカビ】

【結露が垂れて窓枠と壁紙についた結露後のカビ】

<結露を放置すると…その影響>
冬場は窓の結露が毎日のように発生するので、拭き取るのが大変です。
結露拭きが日課になるのは、とても憂鬱ですね。
「窓が濡れているだけ、放っておいたら乾くでしょ?」と思ったら大間違い!

結露をそのまま放置していると、人体にも家にも悪影響を及ぼし、さまざまなトラブルに発展する可能性があります。

濡れた窓を放置することで、その水分が垂れてサッシの下部が濡れます。カーテンが接していると、カーテンも濡れます。

この状態が続くと窓枠の周りはいつも湿気を帯びていることになります。それによってカビが生えてきます。カーテン、サッシのパッキン、窓枠の下、時にはフローリングにまでカビが繁殖することがあります。

カビが繁殖すると見た目が悪いだけでなく、アレルギーの原因にもなるほか、肺炎を引き起こすこともあります。また、カビをエサとするダニの繁殖にもつながります。
ひどくなると窓枠に接する壁紙、壁材にまでカビが生えたり、剥がれたり、弱くなったりします。

家族全員の健康を守るためも、建物を守るためにも、結露を放置してはいけませんし、なんらかの対策が必要となります。


【家具をどけたら、壁に結露あとのカビがびっしり】

<結露はいたるところに発生します>
窓ガラスの結露は目につきやすいのですが、目に見えないところでも結露は発生しています。

家の中で温度が低く湿度の高いところといえば、大きな家具の後ろ、北側の壁に接した押入れの壁などが考えられます。中古マンションでは外壁に面している壁に多く見られます。
これは断熱材が劣化して起こる現象です。

こういったところを点検してみると、結露が原因でカビが生えていたり、クロスが剥がれていたりすることが少なくありません。放置しておくと傷みが広がっていきますので、予防や対策は欠かせません。

また、結露が起こる場所の近くに電源やケーブルなどがあると、故障の原因にもなりますので、注意が必要です。


【電気代は少々高くてもエアコンの除湿機能は便利です】

<手軽にできる結露対策>
結露を防ぐためには、換気を良くして湿気をため込まないことが大切です。1日1回は窓を開けて換気をすることが望ましいです。

食器棚やタンスなど大きな家具は、通気性がよくなるよう、5㎝ほど壁から離して設置するようにしましょう。

また外壁側に家具を置くと結露しやすくなるので、避けたほうが良いといえますが、悩ましいところですね。

クローゼットや押入れは、物を詰め込みすぎると通気性が悪くなるので、荷物は少なめが理想です。すのこを使って床との間にすき間を作り、壁から離すのも有効です。時々換気することも大切です。

乾燥すると加湿器を使うこともあると思いますが、加湿をしすぎても結露しやすくなるので、程よい湿度を保つことも大切です。


【中桟ありの木製内窓、換気小窓付きですのでしめたまま通期も可能です】

<窓の断熱リフォームによる結露対策>
窓ガラスの結露を防ぐ方法としては、窓の内側にもうひとつの窓を設置する方法があります。内窓を付けることによって断熱性能を高める方法です。

内窓を付けると、外気で冷え切ったガラスに室内の暖かい空気が触れる前に、手前に設置した内窓で空気の移動を遮断することができます。

窓ガラスの結露を防ぐ方法としては、窓ガラス自体を断熱ガラスに交換する方法もあるのですが、マンションでは窓は共用部扱いのため、この方法は採れません。また、アルミサッシ部分は断熱されませんので、アルミに結露が発生する可能性があります。

通常、サッシはアルミ製です。アルミニウムは熱伝導率が高いため、外気の影響を受けやすく、結露も発生しやすい傾向にあります。


【杉の腰板と一体の木製内窓】

内窓ならガラスとサッシの両方の結露を防ぐことができますので、より効果的といえます。内窓の窓枠は熱の伝わりにくい樹脂製や木製がおすすめです。

内窓をつけると断熱性能が格段にアップするので、石油ファンヒーターなど燃焼系の暖房器具を使うと、以前よりも部屋の温度・湿度が高くなり、結露の発生を招きます。内窓をつけたら、燃焼系暖房は控えましょう。

内窓で室内の温度も下がりにくくなり、冬の朝のつらさ、結露の煩わしさから解放され、快適に過ごせるようになります。


【結露を放置するとカビが発生し、そこにダニがわいてきます】

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