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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

内窓の効果とは?光熱費削減・断熱意外に様々な効果を発揮

2019年6月29日 公開 / 2020年4月24日更新

テーマ:リフォーム 窓

コラムカテゴリ:住宅・建物

住まいの断熱性能が低く、寒い家に暮らしている方には、内窓を取り付けるリフォームをおすすめします。

内窓を付けると通常のサッシよりも窓からの冷気が室内に入りにくくなるため、エアコンの使用量が減り光熱費を抑えることができます。それ以外にもさまざまな効果や性能があることはあまり知られてないかもしれません。今回は内窓の効果についてお伝えいたします。


【木製内窓の出入窓】

<内窓とは何か>
夏に外から帰ってくると、部屋の中が熱気でムンムンしている―—。また、冬はエアコンを点けていても、窓際に行くと空気が冷たく感じる―—。

そんな時には内窓を取り付けると効果的です。

内窓とは二重窓とも呼ばれ、既存の窓の内側に取り付けた「もうひとつの窓」のことです。

当初は寒い地方で採用されていたのですが、高断熱の家が求められるようになったことと、さまざまな効果や性能があるため、今では全国的に広まっています。


【YKKapのプラマード 樹脂の内窓(補強束付き)

<内窓の断熱効果>
家の中で熱の出入りがもっとも多いのは窓です。

内窓を設置し、外窓と内窓の間に空気の層をつくることで、熱の移動をブロックすることができます。冬は暖かい空気を外に逃がしませんし、夏は暑い空気を中に入れるのを防ぎます。

そのためエアコンの使用も減り、光熱費を抑えることができます。熱の移動が抑えられることで室温を一定に保ちやすくなります。天井付近と床付近の温度差が少なくなったり、部屋間の温度差が縮小することで、血圧上昇が緩和されますし、ヒートショックの可能性も軽減され、健康のためにも良い環境となります。

内窓を取り付ける目的は、ほとんどが断熱リフォームですが、内窓は断熱だけではなく、住む人のいろいろな悩みを解決する設備です。


【ボウウィンドウに樹脂の内窓 空間が広いので防音と防結露に効果的です】

<防音効果が高くなる>
内窓を付けると防音性が高くなるというメリットがあります。

熱の出入りは窓からが多いとお話ししましたが、音もまた、窓からの出入りが断然多いのです。窓は通常ガラス一枚で内と外を隔てているだけなので、壁や屋根に比べても音を通してしまいます。

また一般的な住宅、マンションは、窓にアルミサッシを採用している場合が多く、サッシと窓の隙間からも音が漏れて聞こえます。

したがってガラスを防音ガラスに替えただけでは不十分といえます。内窓を取り付けて2重に音を遮断するほうがより効果的です。

内窓を付けると、空気層が音の伝播を抑えてくれます。部屋から発する音は外に聞こえにくくなりますし、外からの音も家の中に聞こえにくくなります。

人通りの多い道路に面している場合や、お子さんが楽器の練習をされる場合など、内窓を設置すると防音性能がアップします。


【窓ガラスとアルミサッシにびっしりついた結露】

<結露の発生を抑える>
冬の悩みのひとつに結露があります。朝起きると窓がびっしょり濡れており、毎朝の拭き掃除が大変。結露がひどいということは、内と外の温度差があるということです。

冬の窓は、外気の影響を受け、とても冷たくなっています。一方室内は暖房で温度が高くなっています。

水を含んだ暖かい空気が、温度の低い窓ガラスに触れると結露が発生します。窓を2重にすることで、内側の窓は外気の影響を受けにくくなるので、温度差が少なくなり、結露も発生しにくくなります。

内窓のサッシは、アルミ製ではなく、樹脂製か木製を採用します。どちらも熱伝導率が低い素材なので熱の移動を抑制します。そのためガラス同様、サッシ部分につく結露も軽減されます。

結露の発生を防ぐと、ダニやカビの繁殖を防ぐこともでき、健康に良い環境となります。


【万が一カギをかけ忘れても、二重サッシを見た瞬間、泥棒は敬遠するそうです】

<防犯性が高まる>
内窓は防犯にも大いに役立ちます。泥棒の侵入経路は戸建て住宅の場合、6割が窓といわれています。
特に侵入しやすい1階の窓が狙われます。窓を二重構造にすると、侵入に手間や時間がかかり、侵入するまでに周りの人から不審者として発見されるリスクも高まるため、狙われにくくなるといわれています。


【木製内窓をつけたところを横から見るとこんな感じです】

<複層ガラスを使うと、さらに断熱・防音効果がアップ>
複層ガラス(ペアガラス)は2枚のガラスの間に空気の層を挟んでいるため、単板ガラスよりも断熱性能・防音効果が上です。内窓に複層ガラスを採用すると、①ガラス自体の空気層、②外窓と内窓の間の空気層、という2つの空気層で、よりアップした断熱・防音効果が期待できます。

さらに防音、紫外線カット、防犯、防火など、さまざまな機能を持たせた高機能複層ガラスもありますので、目的に応じて選びましょう。


【ガラスブロックFIX窓用の木製内窓はガラスの代わりに中空ポリカーボネート】

<デメリットはあるの?>
以上のように、内窓を付けることで、さまざまな効果があることがおわかりいただけたと思います。

ただ内窓にデメリットを感じるとしたら、開閉の手間でしょうか。通常なら一度で済む窓の開閉を2度行わなければならないので、よく開閉する窓の場合は面倒に感じられるかもしれません。

また、内窓は何センチか部屋側に出てくるので、「圧迫感を感じたり、狭くなるのがイヤ」と言われる方もいらっしゃいました。

しかし、このようなデメリットよりも、設置することで得られるメリットのほうがはるかに大きいと思います。

取り付け工事も比較的簡単なので、断熱や防音、防結露・防カビ、防犯など、住まいの性能を強化したい方は、内窓の取り付けをおすすめします。

木製枠の内窓にすると、無機質なサッシ枠と異なり、木が持つ独特のやさしい雰囲気になり、インテリアのグレードが一気にアップします。

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