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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

家にエアコンが無い!親にも子どもにも優しい自然素材の断熱について

2019年3月29日 公開 / 2020年4月24日更新

テーマ:リフォーム 親&実家

コラムカテゴリ:住宅・建物

ちょうど良い室温は人により違います。暑がりの人、寒がりの人、年齢によっても「ちょうどいい」と感じる温度は異なります。
また年々、予想のつかない異常気象に見舞われることの多い日本の暮らし。手軽に温度調整できるエアコンは、もはやどのご家庭においても必須アイテムか、と思いきや、未だにエアコン未設置のおうちが存在します。

「うちの実家にはエアコンがない」という方がいらっしゃいます。暑い盛りのお盆休み、寒さ厳しい年末年始のお休み時期、「実家にエアコンがない」という理由で帰省をためらう方に遭遇することがあります。



「エアコンがないなんて!」実家への帰省を躊躇する理由 
夏の暑さは、今や猛暑から酷暑へ。2018年に国がまとめた報告書によると、日本の気温は世界的にも速いペースで上昇しており、今世紀末の平均気温は20世紀末に比べ、プラス5.4度になると言われています。気温上昇にともない、さらなる熱中症の増加も予測されます。

また、寒い季節の気温差も激しく、ガクッと温度が下がることで体調を崩す人も少なくありません。暑さや寒さから身を守るのも自己管理のひとつとされる時代です。そして、気候に適応するための生活必需品として挙がるのは、エアコンです。

一方で(さすがに都会や郊外では少ないですが)、エアコンの取り付けにいまだ躊躇する方、一度故障してからそのままの状態にしている方もいらっしゃいます。
高齢の方に、その傾向は強いようです。「どんなに暑くてもエアコンはいらない」「自然の風じゃないのでエアコンは嫌」など「エアコン嫌い」の方も少なくないようです。

しかし多くの地域で、夜間も30度を下回らない時期があるなど、気象状況は変わっています。田舎の山から吹く風が田畑を抜けて、夏も快適だった頃とは違います。ビルが立ち並ぶ都会では、ヒートアイランド現象も起こります。

そして「実家にエアコンがない」「自分たちが泊まる部屋にエアコンがない」というのは若い夫婦や子どもにとって大問題。エアコン嫌いの実家の親を説得しようと、言葉を尽くした話もお聞きしますが、「エアコンがないから実家に帰りたくない」とは、なかなか言い出せないようです。



子供にとって実家の暑さは辛い、高齢者にとってエアコンの寒さは厳しい
学校にエアコンを設置してほしいという保護者の声が、全国的に上がっています。毎年、夏場は熱中症の子どもの救急搬送が相次ぎます。

子どもは汗っかきなイメージがありますが、実は大人より汗をかく機能が未発達で、暑さを感じてから汗をかくまでに時間を要し、体温を下げるのにも時間がかかります。
そのため大人よりも体に熱がこもりやすく、「おじいちゃんおばあちゃんの家にエアコンがない問題」は、子どもの健康状態にも深刻です。

今はまだ若い親御さんも、だんだんエアコンが苦手になる可能性があります。高齢になると、温度を感じる機能や体温を調節する機能が衰えるようになるからです。

さらに「エアコンをつけっぱなしにして体が冷えきって不快に感じた」という経験から、徐々にエアコン嫌いになる方もいます。

窓や床に断熱を施していないことが原因で冷気や暖気がどんどん逃げて、エアコンをつけても快適室温につながりません。そのため、夏は“低めの温度・強めの風量”でかけるものですから、今度は冷え過ぎて寒く感じるというわけです。冬はその逆ですね。


【吹き付け断熱材の施工例】

また、「夏は暑くて2階に上がれない」というお話もかなりよく聞きます。これは日本の戸建て住宅の断熱性が低いことに関係しています。屋根裏の断熱がなされていないためです。
最近のエアコンは省エネタイプで性能も向上しています。新築するときに断熱リフォームを真剣に考えれば、1台のエアコンを稼働させるだけで家中にまんべんなく冷気を送り、快適温度を手に入れることも可能です。

エアコンの使い方を含め、家族みんなが快適と感じる環境を考えて、実家の建物の断熱に着目してみましょう。

実家に自然素材を!無垢の木を使って断熱と健康を考えよう
エコリフォームとは、冷暖房器具などによるエネルギー消費量をおさえる目的で行う、地球環境に配慮したリフォームのことです。断熱材や省エネ資材を使い、暮らしやすい住宅にしてみませんか?

実家が断熱性の高い家に生まれ変われば、エアコンも快適にはたらき、冬はあたたかく夏は涼しくなるでしょう。


【木製内窓と桐の建具】

先ず、断熱リフォームとして提案したいのが、内窓の設置です。
森林浴生活では木製内窓をおすすめしています。今ある窓の部屋側に内窓を取り付けると、断熱効果も抜群。窓の外と内では12度もの温度差が出ることもデータを取って分かりました。また、結露も減り、カビの発生を抑えてくれます。

壁や天井、床の断熱リフォームなども、耐震工事と併用すれば補助金が受けられます。



床には、自然な湿度調整が期待できる天然木を使ってはみてはいかがでしょう?大規模工事が不要な商品「置き床生活」なら、その名の通り床に置くだけ。
湿気を吸うので夏でも床はサラサラ。保温力のある杉は足元からあたたかさをキープするので、冬の強い味方となります。

自然素材を使ったリフォームは、冷暖房の効率がアップするエコリフォームと言えます。

森林浴のような、無垢材ならではの香りを楽しむ家。お盆休みや年末年始の帰省が楽しみになる実家も夢ではありません。

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髙岡恭平

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髙岡恭平(森林浴生活株式会社)

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