森林由来音を聴くことによるリラックス効果の実験
私が大手住宅メーカー営業マン時代、開発当初は売れないだろうとURを皮肉っていた上津台は、神戸三田プレミアムアウトレットとイオンモール神戸北という巨大商業施設の誘致成功で一転、人気の郊外住宅地になりました。
空区画に対する建物充足率では、お隣の藤原台を抜いているそうです。今時、凄いことですよね。
アウトレットのイベント時には、六甲北有料道路や周辺の道路が渋滞するほどの人気が今でも続いています。
その人気の上津台で、里山住宅という新たな企画でできたのが里山住宅博㏌神戸です。
住居街区の周辺の里山を残して整備し、自然と共生する街をつくろうというのですね。
元々田舎に住んでいる人は、共同管理地や川などの草刈りは住民必須事業として全員参加でしています。
この里山の維持管理は果たして続くのだろうかと色々なことを感じながら、お目当ての本格木造住宅を見学してきました。
建物の外観は本当に様々でした。吹き付け・ガルバリウム鋼板・木壁の部分貼り・サイディングなど、それぞれの設計士さんや工務店の個性が出ています。
【以前、宮本鉄男環境建築設計事務所と共同提案したオール国産木の個人住宅】
地域工務店と量産住宅のプレハブメーカーとは住み分けが出来ています。全般的にみると工事単価が全然違います。
ローコスト木造住宅メーカーと地域工務店の戦いが熾烈を極めていると聞きます。
ローコストメーカーは第一印象を安く見せて、追加工事契約で値段を上げていくシステムなのですが、地域工務店が安くしようとすると「色々まとめてなんぼ」になります。
そうすると、構造材も含めて安価な材料ばかりを集めてくることになり、ローコストメーカーとの差別化はできなくなって結局自滅してしまいます。
地域工務店は、地元の気候風土に合った材料を使っていることを徹底的にPRして、フットワークの良い生活密着品質を売り物にしてお客様に安心していただくのが一番です。
展示場の中に入ると、一番先に飛び込んでくるのが床材です。
ヒノキ、スギ、パイン、ウォールナット、自然塗料で黒くした床材もありました。
一口にスギといっても、無塗装・木目を立たせたザラザラしたモノ・米ぬか系で塗装したものなど様々で、とてもわくわくしました。皆それぞれにこだわりを持っていらっしゃいます。
ヒノキはやはりあの独特の清々しさぷんぷんで、日本の家の王道を感じさせました。
【ウォールナットのサンプル。中まで茶色です。とても硬くて冷たい足触りです】
興味深かったのは、日本の床材(杉・桧)と外国の床材(パイン・ウォールナット)ではテイストが違います。
大げさに言うと文化の違いを感じました。高額と言われるウォールナットの黒茶色は木そのものの色ですが、パインにはしっかり塗装がされています。
だから、木の匂いが全くしません。ウォールナットも匂いがありません。
ある建築家の建物ではパイン材に黒っぽい塗装がされていましたが、節を目立たなくするのも目的のひとつだと言われました。節はインテリア上、邪魔者扱いされている傾向がありますが、硬い節があるから床板が収縮しにくくなっているという効果もあるのです。
【杉内装の戸建。暖房効率の良いとても暖かい家です。宮本鉄男環境建築設計事務所の作品】
それに対して、杉・桧の建物では、香りや調湿力・保温力など木の持つ自然力を生活に積極的に役立てようという素足感覚を前面に出しています。
どちらが良いということはなく、さまざまなのだなあと感じ入りました。
もうひとつ興味深かったのは、色んな形の土間が設計に盛り込まれていたことです。
共通仕様ではないとのことでしたが、里山=土間=吹き抜ける風なのでしょう。
自宅プランに土間を盛り込もうと考えている方には、最適な展示場だと思いますよ。
土間の展示場と言っても大げさではないです。べたなものから、店舗のようなものまでありますから、ぜひ足を運んでみてはどうでしょう?
総括すると、新建材の匂いがしない、涼しくてさらさらの建物ばかりでした。
森林浴生活の商品開発にも多くの気づきがありました。ありがとうございます。
里山住宅博㏌神戸の会期は、来年1月15日まで。
全ての建築条件付き土地と建物付き区画が完売することを祈っています。
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