介護地獄をなくせ!=医師が語る住宅と健康の関係

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション 窓断熱

先日(2/7)行われた「健康・省エネシンポジウム IN ひょうご」で、各分野の専門家から病気と住宅に関して貴重なご報告を頂きました。


【ひょうご協議会 今村会長さんの挨拶(今村産業株式会社 社長)

「介護地獄をなくせ!」 ある断熱のプロフェッショナル建築家が激白した言葉です。

年老いた親の介護が原因で、子世帯が苦労する話はたくさんありますね。
親につきっきりで心身共くたくた…
親の介護費用が家計を圧迫して…
遠方の親の介護で、今の職場を辞めなければならなかった…
親の介護が原因で、夫婦・兄弟が不仲になった…

親が子供の意見に耳を傾けていてくれさえすれば、防げたかもしれないのです。
その子供の意見とは…?

「家を暖かくしておいてほしい」という、たったそれだけのことなのです。


【くぼクリニック 医院長 久保清景氏→http://www.kubo-cl.jp/

高齢者の浴室内死亡事故(溺死)はこんなメカニズムで起こります。
① 暖かい居間から風呂に入るために脱衣所に移動します。
② 脱衣場で服を脱いでさらに寒い浴室に入ります。
③ 熱いお風呂(高齢者は高温好みです)にざぶ~ん。
④ 意識を失って溺死。
特に無断熱の戸建住宅の室内温度格差は激しいモノがあります。
(日本の家の4割は無断熱と言われています)

暖かい居間から寒い脱衣所・浴室に移動する際に血圧が急上昇します。
湯船に浸かった途端に血圧が急降下して、そのまま意識を失ってしまうのです。
私の後輩のお父さんは、昨年の9月にこのパターンで亡くなりました。
残暑厳しい9月ですよ。室内は暑いが、脱衣所が冷えていて温度差が大きかったのです。

でも、大変なのは一命を取り留めた場合です。
親の命が助かったのに大変とは不謹慎かもしれませんが、後遺症が残って自分一人では何もできなくなるのです。
その介護の大変さを、その建築家は介護地獄と呼んだのです。


【オリジナル木製二重サッシ&木製枠(特許申請中)】

では、どのようにして暖かくすればよいのか?

一番簡単なのは、建物全体を暖房しまくって温度差を解消することです。
廊下や脱衣所、浴室内に暖房機を設置して常に温度を保っておけばリスクは減ります。
でも、高齢者の方が光熱費を使いまくる話は聞いたことがありません。
電気・ガス代が家計をびっくりするほど圧迫するからです。

では、どのようにすればよいか?
建物全体を断熱することで、室内を高気密高断熱空間に変えてしますのです。
戸建て住宅は、全てが所有者の自由になりますので、断熱工事をする部位が多く、時には断熱工事だけでも高額になるケースもあるでしょう。

でも、マンションの場合は、共用部と専有部分に分かれているので工事個所が限定されます。
従って、戸建住宅よりも安価で十分な断熱工事をすることができます。


【木製二重サッシの温度差 外気温0℃、内窓12℃】

まずは開口部、窓と玄関。ガラスや鉄板から逃げる熱の量はすさまじく、また副産物として結露が発生します。

次が床です。外壁のコンクリート壁は断熱材が入っていますが、床のスラブは無断熱です。
マンションは、下の人が暖房をするから暖かいとまことしやかに言う人がいますが、そんなことはあり得ません。
コンクリートが温まったり、冷えたりするのはとてつもない熱量と時間が必要なのです。


【カーペットに置いていく杉の置き床生活】

初期費用はそれなりにかかりますが、長期間のランニングコストと医療費で十分に元が取れます。
介護で苦労をしたくなければ、親を説得して「あたたかい家」にしてもらうことがみんなの幸せなのです。
でも、子供の言うことに耳を傾ける親はすくないからなあ…

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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