築140年超の古民家改修、古さに合わせて板材を選ぶ
中古住宅を毎日のように見ていると、「ここはどうしようかな~?」と悩むことが多々あります。なぜ悩むかといいますと、コストとお客様の期待のアンバランスです。
「古さや傷み具合が気にはなるが、どうしても改修したいほどではない」「そこまで費用をかけるつもりはない」というフレーズに象徴されます。
先日も須磨区横尾2丁目のお客様宅でこんな場面に遭遇しました。
【変色して傷んだ樹脂製の二重サッシがついている古い木枠】
「典型的な30年前の和室をモダンに改修したい」とご依頼があった部屋の窓が、その議論になりました。
室内が期待通りきれいになっていくほど、古い樹脂の窓を撤去したあとの木枠が気になるのです。
古くなっているうえ、斑(まだら)に日焼けしています。
【杉の薄板をつくって貼ることにしました】
サンドペーパーをかけて表面が綺麗になればよいのですが、表面がかなり粗いのとアルミ枠を傷つける可能性がありました。また、今の木枠を取って新たな枠を取りつける手法にすると、費用がかかりすぎます。そこで工夫をしたのが、木目の美しい杉を薄く製材して、今の木枠にボンドとタッカーで止めようというものです。
【(広角レンズのせいで窓が伸びていますが)まるで木枠を取り替えたようです】
このあと、壁にコバウ(ドイツ製の漆喰を塗るための下地)を貼り、漆喰を塗りました。
漆喰の質感はなかなかうまく写らないので写真は割愛しますが、壁が綺麗になって薄板貼りの窓枠の美しさが際立ちました。これも、よい木目の板を選んで製材してくれた材木屋さんのおかげです。
【開き戸を取った丁番の後がくっきり目立ちます】
開き戸を引き戸にしてほしいというお話もよく頂きます。
金属製の開口枠は丁番をはずすだけで見た目上はさほど問題ありませんが、写真のように木枠の場合はどうしようもありません。普通なら木を埋めてペンキを塗ることを考えますが、大工+塗装屋の2工程になります。
また、乾く間の臭さも我慢しなくてはなりません。
【内側三方に木枠を作りました】
ドア枠の左右と上に木を取り付ければ、すっきり一発解決です。杉の香りがするのもとても評判です。
うちは日頃から無垢材を扱っているから案外簡単にやりますが、メーカーの建材ばかりを扱っている業者さんには面倒な作業らしいですよ。
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