「神戸の冬は寒くなっているぞ」、これからは北海道並みの断熱仕様が経済的!
【結露が極端にでるマンションの壁を室内から断熱】
●局所低温は健康の大敵
前回のコラムで、健康という視点から日本の住まいを見ると、冬に室温が低いことは致命的な問題であると書きました。
高齢者に多い心疾患・脳疾患・呼吸器系疾患ですが、これらで亡くなる人は冬に多いという統計が出ています。(厚生労働省 人口動態統計による)
つまり、「屋内の低温」が原因でこれらの疾患が起こるのですが、家の場所によって温度差が極端なのが、大きな問題なのです。
日本人は歴史的に局所暖房、いわゆる採暖が文化なのです。寒い所だけを温めればよいという考え方です。
暖房費は安くなりますが、それが室内に極端な温度差をつくっています。
【さらに熱伝導率の低い杉で仕上げました】
寒い所には極力行かなければよいのですが、わかっていてもトイレだけは我慢できません。
夜中に目が覚め、暖かい布団(約33℃)から出た寝室は10℃、廊下へ出ると8℃、そして一番寒いトイレ(約6℃)に行くことになります。場合によっては5℃以下のトイレもざらにあります。
この極端な温度差が、急激な血圧の変化と心拍数の上昇を引き起こし、結果、心筋梗塞や脳梗塞などで倒れることになります。
【築30年の戸建、屋根裏にグラスウールがこんなにあるのになぜか暑い!】
●どのように家の中を暖かくするか
しかし、玄関も廊下もトイレも浴室もすべて機械で暖房するというのは、現実的ではありませんし光熱費もたいへんです。
屋内の温度差を小さくするために効果的なのは、家全体の断熱性を上げることです。
築20~30年の戸建では、今の気候には合わない性能の断熱材を使っていますし、経年劣化していることも多々あります。また、構造材等の収縮や振動で建物にすき間が出来ています。
戸建住宅なら、隙間を埋めるような吹付断熱材を屋根裏・床下などに有効に使い、開口部(ドアや窓)にはペアガラスや二重サッシ等を使う。
マンションなら、コンクリートの壁面部分には断熱材がもともと入っていますから、開口部(ドアと窓)を効果的に断熱し、加えて床からのコンクリートの冷えを断熱すれば、ほぼ完璧と言えるでしょう。
【スキップフロアの基礎部分の断熱補強工事】
肝心なのは機械冷暖に全面的に頼らないことです。
光熱費がかかる。故障するからメンテが必要。空間的には場所も取る。
それが邪魔で、思い通りにインテリアができない。
構造的に断熱材で家をすっぽり覆うことで、屋内の温度差を少なくできるのです。
【私たちもすっぽり断熱が重要な年代です】
今、このコラムを読んでくださっているあなたはお若いかもしれません。
事実、40才くらいまでは、少々の暑さ寒さによる血圧変動は起きないと言われています。
でも、あなたのご両親はそんな影響を受ける年齢になっているはずです。
また、幼いあなたの子供さんもその影響を受ける可能性もあるのです。
断熱化リフォームをお考えの際には、断熱と健康に詳しいプロに現状をしっかり調査してもらい、これからの病気予防に本当に必要な断熱をしたいですね。
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