兵庫県産材木材フォーラムに、杉の置き床生活を出品
【早春の庭に飛んできたウグイス】
聴覚が森林浴の健康効果実験の最終章です。
森林医学では自然由来音といいますが、これらの音が生身の体にどのような影響を与えるのかはとても興味深いですね。
【実験1 自然由来音と無音、ピュアトーン(ピー音)を聴いたときの生体反応
① 小川のせせらぎ音
② カッコウの鳴き声が入った森の音
③ ウグイスのさえずりが入った森の音
④ 西表島(いりおもてじま)の夜の田園で収録した蛙の鳴き声
⑤ ピュアトーン(不快音)
⑥ 無音状態。これらの音を閉眼状態で2分間聴かせた。
【よくご存知のメジロです】
(主観評価)
小川のせせらぎ→ウグイスのさえずり→カッコウの鳴き声の順番で快適と評価された。
蛙の鳴き声は反応なし。無音状態はやや不快、ピュアトーンの不快感がかなり強かった。
(脳血流動態)
ウグイスのさえずり→小川のせせらぎ→カッコウの鳴き声の順番で生体が沈静化した。
主観評価では無反応の蛙の鳴き声でも生体は明らかに沈静化した。
主観評価ではやや不快だった無音状態は、明らかに生体にストレス状態を生じさせている。
主観評価ではっきりと不快だと評価されたピュアトーンで脳血流が減少しているのは、ヘモグロビン濃度が大きく増加する場合と低下する場合に分かれたことから、ストレスからの逃走反応が現れたことを示している。
(結果)
主観評価でもっとも快適感を得たのは小川のせせらぎだが、生体はウグイスのさえずりが最も沈静化した。森林の自然由来音は主観評価と生体反応が一致したことから、心身両面でリラックスすることがわかった。
(須磨パークヒルズの近くで見つけたトトロのような体型の野鳥です)
【実験2 音楽と自然由来音を聴いたときの生体反応】
① 小川のせせらぎ
② 滝の音
③ カッコウの鳴き声
④ ウグイスのさえずり
⑤ ラテンポップス系音楽
⑥ クラッシック系音楽
⑦ 無音状態
⑧ 暗算課題遂行
閉眼座位で90秒間、脳血流動態を測定する。
【松原高原近くの森の小川です】
4つの自然音では、滝の音→ウグイスのさえずり→小川のせせらぎ→カッコウの鳴き声の順番で沈静化した。滝の音の鎮静効果が最も大きかったが、時間経過に伴って低下していった。
小川のせせらぎは全被験者で後半やや上昇するが、主観評価では好き群で低下傾向が明白。
無音状態は、上昇傾向で生体はややストレスを感じている。
暗算課題遂行は、上昇カーブが急激で生体は短時間でストレス状態に移行した。
音楽聴取ではジャンルを問わず、脳血流動態は低下して生体はリラックス状態になり、本人が快適と感じている群ではこの傾向がさらに強まる。
自然音や音楽を聴くことで「怒り-敵意」「疲労」などのマイナス感情尺度が減少した。
自然音と音楽では、好みの音楽の方が生体の沈静化は明白であった。
ただ、音楽の場合、曲の趣味によって差異がみられた。青年期では男女ともポップス系音楽により、「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労感」「混乱」のマイナス感情尺度が減少した。
青年期の男子では、緩やかなテンポの曲の場合、顕著な個人差があった。
壮年期の男女では、緩やかなテンポの曲で気分が改善されることがわかった。
(結果)
音楽と自然音では、その場面や世代構成でうまく使い分けると効果があることがわかった。
【軽井沢の白糸の滝から流れる浅間山伏流水の小川です】
私の場合、仕事中は森の野鳥のCDをエンドレスでかけています。いろんな鳥の鳴き声が入っているCDですが、この実験同様、ウグイスのさえずりがとても心地よく聴こえます。
思考の邪魔にならないばかりか、時々はいるウグイスのさえずりのおかげで集中力がとても持続します。
小川のせせらぎや滝の音、または波が打ち寄せる音はふ~っと眠くなりますので、私には眠りたいときのとても便利なアイテムです。
音楽の聴き方は人それぞれでしょうね。大音響で集中して聴くもよし。
家事をしながら静かなBGM代わりも素敵です。いずれも一人音楽鑑賞は問題ありませんが、家族でも音楽の好みが違う時は配慮が必要になります。
視覚・触覚・臭覚・聴覚の4分野の実験を長編で紹介してきましたが、つくづく私たちの生体は森林浴仕様でできているのだということがわかりました。
森林医学(http://www.fo-society.jp/therapy/)を編集された宮崎良文先生は、快適とはシンクロすることだと著作で述べられています。自分にとって心地よいものを身近においてそれにシンクロすることが、真のリラックスにつながるのでしょうね。
こんな森林浴仕様のマンションリフォームに興味のある方はこちら⇒http://forestreform.co.jp/top/index.php
実際にモデルルームで体験したい方はこちら⇒http://forestreform.co.jp/about/modelroom.html