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ホントに、本当に知ってますか?!不動産の査定方法

2016年11月29日 公開 / 2020年9月14日更新

テーマ:不動産売却

コラムカテゴリ:住宅・建物


周辺の中古マンションや中古一戸建ての折込チラシ等を見て、
これぐらいの価格で売れてるんだな、という感覚は、すでに皆さん
身に付いていると思います。
イヤでも、ほぼ毎週何かしら不動産関連のチラシが投函されますからね。
但し、チラシ掲載の物件は、本当にその価格で売却出来ているのか?
当初の査定価格は、本当にその通りの金額だったのか?
ここが、肝心なポイントとなります。

査定方法は3種類

不動産の査定方法は3種類あります。
まず「取引事例比較法」ですが、これが一番ポピュラーな方法となります。
売却物件の周辺事例(売出事例及び成約事例)を基に、市場動向や
取引(引渡し)の時期を加味し、査定金額を算出する方法です。
実際に取引があった物件を複数比較する為、査定金額にブレが少なくなり、
実際に成約する金額にも大きな差異が出にくい、つまり追い金や利益の
予測が簡易である事がメリットです。
次に「収益還元法」です。売却不動産が将来生み出すだろうと予測される
利益と現在の価値を総合し、金額を算出する方法です。
例えば、JR大久保駅近の約63㎡3LDKを、賃料8万円で借りる場合、
8万円×12ヵ月=96万円
が1年間の賃料となります。よって、貸主が得る粗利益は年間96万円なので、
表面利回りを6%として計算すると、96万円÷6%≒1,600万円 となります。
貸主は、1,600万円で購入した物件が、(表面上)17年程の賃料で元が
取れる計算となります。
但し、実勢価格と比べると価格が高くなりやすい為、実需向けの査定方法
としては一般的ではありません。また、マンションの場合は、管理費や
修繕積立金などを相殺すると、実質利回りがかなり落ちるので、注意が
必要です。
最後に「原価法」です。まず、売却不動産を仮に改めて建築した場合、
いくらで建築出来るかを算出します。その上で、経過年数分の償却値を
導きます(構造や法定耐用年数によって数値は異なります)。
一戸建ての場合、建物本体に使用される方法です。
計算例ですが、
木造(在来工法)で経過年数が15年、建築単価を14万円/㎡、
延床面積99.56㎡とした場合、
14万円×99.56㎡×(7年(残存年数)/22年)≒443万円
となります。
これに土地価格を加算すると、一戸建ての査定価格が算出できます。

実需と投資では査定価格が大きく異なる?!

前述の通り、ほとんどの査定で「取引事例比較法」が利用されてます。
しかし、投資で考えた場合、実需エリアでも「収益還元法」を利用する事が
あります。
例でご紹介した物件ですと、実際の相場は1,200~1,400万円程度です。
それに対し、1,600万円の価格が算出されてます。
この価格ですと、実際に住もうと考え、この物件を購入しようとする方は、
ほぼいらっしゃらないと予測されます。
ただ、ここ最近は表面利回りが良くなくても、需給バランスが保てていない為、
投資家達は利回りが低くても購入していってます。
販売期間を長期的に考えているオーナー様であれば、まず投資用の価格で
募集を行い、一定期間経過した後、実需用の価格で再募集するのも一つの
手法かもしれません。

じゃあ、一体どれが適正価格なのか?

このように書いていきますと、「じゃあ、どの査定方法が適正で、
実際に購買層が動きやすいのか?」という疑問が生まれますよね。
私がお話しする事はいつも同じですが、
  ☆ オーナー様がどんな希望条件をお持ちなのか?
  ☆ 成約までの期間は短い方が良いのか?拘らないのか?
  ☆ 税金面でのメリット・デメリットはないのか?
など、あくまでも、その方その方の考えや希望を基に、査定から販売方法まで
ご提案してます。エリアによって、購入・売却の手法は異なると思いますが、
全国どこでも変わらない(と思ってます)正統派は、
「営業マンがしっかりオーナー様をサポートし、その結果、自分(達)の
商売に繋げていけてるか。」なのです。
よって、オーナー様自身が査定依頼をした相手から、査定価格の提示、
販売方法、メリット・デメリットの説明等を受け、信頼出来た時点で
「適正価格」だとお考え下さい。

服や靴、家具や照明、なんでもそうですが、その人の好みを「聞き出し」、
その人に「合った」ものをお勧めするのが、プロフェッショナルだと思ってます。
主に人が住む不動産は、特にその考え方が重要です。
トップセールスマンは、口八丁手八丁で営業成績を伸ばしている訳では
決してありません。あくまでも、相手の心理を考え、聞き出し、それに対し、
ズレのない提案をする為に、自身の知識レベルや思考レベルを上げる努力を
しているだけ、のハズです。
査定にしても、「自社で専任媒介契約を締結してもらわないと!」を決して
表面には出さず、最後の引渡しまでを視野に入れた、現実味のある提案を
していくべきだと思います。

当社HP:アルデ株式会社

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この記事を書いたプロ

林﨑哲也

不動産売買仲介・賃貸仲介のプロ

林﨑哲也(アルデ株式会社)

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