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正解だと思っていたマイホーム購入、実は失敗?!

2016年9月13日 公開 / 2020年9月14日更新

テーマ:不動産購入

コラムカテゴリ:住宅・建物

こんばんは、アルデ株式会社の林﨑です。
当コラムをいつもご覧頂き、有難うございます!

『夢のマイホーム』のハズが、後悔の宝庫となってしまう事があります。
また逆に、失敗したかな~っと思っていたマイホームが、愛着たっぷりの
我が家になっている事も。
自分の家(住まい)を買う、という目的は同じなのに、何故このような違いが
起こるのでしょう?

新築にこだわった人のその後

『新築』、良い響きです。まだ誰も住んだ事が無く、建具や設備全てが
新しい、そこに最初に住みたい。これは通常、誰しもが一度は考える事では
ないでしょうか。
もちろん、その考え自体に問題はありません。問題なのは、『返せるローン』では
なく、『借りれるローン』で購入した時です。一般的な民間金融機関の規定で、
契約者の年収×6倍までは借せる(返済比率にも当然規定あり)、となってます。
  ※金融機関によって規定は異なります。
実際にある話しですが、いくら『借入れ』が出来ても、現実的に考えないと非常に
まずい事例と、その反対の事例をご紹介します。

加藤さん(仮名)は、夫婦と子供2人の4人暮らしでした。上の子供が幼稚園に
入るタイミングでマイホームを購入する事にしました。当時、年収は約440万円
(総支給額)、ボーナスがあるので、毎月約27.5万円が総支給額です。
所得税及び社会保険料を差し引くと、手取りで約23万円となります。年収から
逆算すると、返済比率上は約3,000万円の借入れが可能です。金融機関の
事前審査で、2,870万円の借入れが可能という結果でした。
新築に憧れを抱いていた加藤さんは、迷わず2,850万円の新築マンションを
購入しました。
35年の返済期間で、毎月返済額は80,119円(ボーナス払い無し)。
管理費・修繕積立金・駐車場代が毎月約25,000円です。毎月約10.5万円が
住居費となります。手取りの内、約45%を超える数字になります。
新居に引越し、やっぱり新築は良いなぁ、と奥さん達と一緒に快適に暮らしていました。
それから約3年が経過し、上の子供は小学校に、下の子供は幼稚園に入ったので、
支払う学費が増えました。住居費差し引き残額が約12.5万円で、光熱費関係
(電気・水道・ガス)・食費・通信費・学費・ガソリン代、全てを払うと約20,000円の
赤字になりました。不足分はボーナス貯金で補ってました。また、車を持っている為、
車検代・保険代・メンテナンス代もかかります。
その結果、余裕が無さ過ぎた為、夫婦喧嘩が増え、約6年後には家庭が破綻して
しまいました。更に、月々の支払いが困難になっていった為、任意売却にて、自宅を
売りに出すハメになりました。
憧れの新築だったハズなのに…。

中古物件購入で、毎月の支払いが楽になった

毎月のランニングコスト、家族旅行や自分達の趣味などへ使えるお金も
含めて試算し、これなら汲々にならない!とか、新築みたいにピカピカでなくても、
自分達で徐々にカスタマイズする方が愛着も湧くし、楽しいと思う、と考えて、
中古物件を購入される方は多数いらっしゃいます。

そんな考えを持つ、山田さん(仮名)は、夫婦と子供2人の4人暮らし。
当時は賃貸物件の2LDK、家賃等総額で75,000円でした。上の子供が
来年から小学生になるので、今の内にマイホームを購入する事にしました。
その当時の年収は約410万円(総支給額)、ボーナスがあるので、毎月約25.6万円が
総支給額です。所得税及び社会保険料を差し引くと、手取りで約21.5万円と
なります。山田さんは、住宅ローン返済額を、手取りの25~30%以内で抑えたいと
考えてました。通勤は電車利用ですが、バス便でも交通費は支給される為、ここは
ガマンしよう、その分毎月のランニングコストを抑えよう、と決めてました。
マンションは駅に近い物件が多く魅力はありますが、管理費・修繕積立金・駐車場代を
考えると、中古マンションでも購入可能価格が限られてくる為、購入予定物件は
中古戸建に絞りました。
探し始めて3週間程で、ちょうど良い1,630万円の中古戸建に出会いました。
駅まではバスで約12分、広さは4LDK、駐車場1台有り、築年数は19年、設備に
関しては部分的に交換が必要、という物件です。中古物件の場合、一般的に
値交渉をします。仲介業者へ1,580万円で交渉依頼した所、売主は快諾してくれました。
返済期間は30年。中古戸建の場合、築年数によって35年間組めないケースがあります。
それでも、ボーナス払い無しでの毎月返済額は50,637円、戸建なので、それ以外の
月々コストはありません。住居費差し引き残額は約16.5万円。
光熱費関係(電気・水道・ガス)・食費・通信費・学費・ガソリン代、全て支払っても、
約2万円が残ります。ボーナス払いが無いので、車のメンテナンス代や子供に
関するものなど、無理なく出費が出来ました。
いずれ、子供達が巣立った時には、便利な場所のマンションに住み替えようと、
すでに考え始めていた山田さんです。

※月々のランニングコストの一般的な金額(おおよその平均値)
  光熱費…4人家族の平均値:約23,000円/月
  食費…      〃     :約50,000円/月
  通信費…     〃     :約10,000円/月
  学費…1人あたり:約30,000円/月

今は、住宅ローン金利が本当に低い水準なので、必ずしも購入価格を
基準に考え、制限する必要はありません。但し、上記のように借入れ内容を
間違ってしまうと、天国と地獄が入れ替わってしまいます。
マイホームは、例え高額であっても、決して難しい買い物ではありません。
自分(達)の現状を冷静に分析し、将来的に生活がどうなるか?を客観的に
判断して、ぜひ『マイホーム購入正解者』への道を進んでいって下さい。

当社HP:アルデ株式会社

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この記事を書いたプロ

林﨑哲也

不動産売買仲介・賃貸仲介のプロ

林﨑哲也(アルデ株式会社)

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