「日米欧の家計の違いについて」 ~日本の運用資産の割合は引き上げる余地があります~
お客さまにお伝えしたいこと
- 「これからの相場動向は誰にも正確に見通せない」という前提に立つことが資産運用の出発点
- 見通せない未来に対して自分だけの判断に頼りすぎると、都合の良い情報ばかり集めてしまう「確証バイアス」に陥りやすい
- 客観的な第三者の視点を取り入れることで、自分では気づけない思い込みに気づくことができて、納得感のある投資判断につながる可能性があります
これから先の経済情勢や市場の動きを正確に予測することは、経済分析や市場分析の専門家であっても容易ではありません。だからこそ資産運用においては、「これから何が起こるかは分からない」という前提に立って慎重に判断を重ねていくことが本来求められます。一方で、2024年のNISAの新制度開始をきっかけに、ご自身で情報を集めながら資産運用に取り組む方が増えています。
書籍やSNS、YouTubeなど情報源が豊富になったことで、以前より投資判断がしやすくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、先行きが見通せないからこそ、多くの方が「自分なりの根拠」を求め、集めた情報から確信を深めようとします。ここに落とし穴があります。情報を集めれば集めるほど良い判断ができるとは限らず、むしろ自分の判断を裏付ける情報ばかりを選んでしまう心理的な偏りに陥りやすくなるのです。それが「確証バイアス」です。
【確証バイアスとは】
確証バイアスとは、自分がすでに持っている考えや判断を裏付ける情報ばかりを探し、それに反する情報を無視したり軽視したりしてしまう心理的な傾向です。
行動経済学の中核的な概念の一つとされ、経済的な意思決定の場面で特に強く働くことが指摘されています。
日本取引所グループ(JPX)が公表したワーキングペーパー(*)でも、日本の個人投資家の投資行動には行動バイアスとの関係が認められると分析されています
出典:池端卓也・森田充・亀坂安紀子「日本の個人投資家の投資行動および投資損益に関する分析」JPXワーキングペーパーVol.49、2025年9月12日
出典先リンク
【自分だけの判断に頼ることの危うさとは】
確証バイアスが厄介なのは、「自分は冷静に判断している」と思っている人ほど陥りやすい点です。
たとえば、以下のような状況に心当たりはないでしょうか。
・ある銘柄やファンドを購入した後、その値上がりを予想する記事や動画ばかり検索してしまう
・値下がりが続いても「一時的な調整だ」という情報ばかりを集め、リスクを示す情報から目をそらしてしまう
・SNSで自分と同じ意見を持つ人をフォローし、反対意見を「分かっていない人の意見」として受け流してしまう
SNSやニュースアプリは、利用者の関心に合わせて情報を表示する仕組み(アルゴリズム)を採用しているため、自分の見たい情報ばかりに囲まれやすい環境にあります。自分だけで運用を完結させると、こうした偏った情報に気づかないまま、リスクのサインを見逃してしまう可能性があるのです。
加えて、含み損を抱えた局面では確証バイアスが「損切りの先送り」につながりやすくなります。
本来であれば見直すべき判断が妥当な局面であっても、根拠のない期待に基づいて保有を続けてしまうことがあります。
さらに、含み損が膨らむにつれて不安や焦りといった感情が強まり、「もう少し待てば戻るはず」という都合の良い情報にすがりつくうちに、損失が大きく膨らんでからようやく我慢しきれずに売却する「狼狽売り」につながることも少なくありません。
確証バイアスは、こうした感情に任せた売買行動を後押ししてしまう点でも注意が必要です。
【客観的なアドバイスが必要な理由】
確証バイアスの怖さは、自分ひとりで気づくことが非常に 難しい点にあります。人は誰しも、自分の判断が正しいと思いたい気持ちを持っています。だからこそ、自分の外側にいる第三者の視点が重要になります。
医療の世界では、重要な治療方針を決める際に、主治医以外の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」という考え方が 広く定着しています。資産運用においても同じことが言えます。
自分の判断を裏付けてくれる情報を探すのではなく、あえて自分の判断に疑問を投げかけてくれる客観的な意見を求めることが、思い込みに気づく近道になります。
家族や友人に相談する、あるいは資産運用アドバイスの専門家に話を聞いてもらうといった行動は「自分の判断が間違っている」ことを前提にするものではありません。自分では見えていない視点を補って納得感のある判断にたどり着くためのプロセスです。
【まとめ】
将来の相場を正確に見通すことは、誰にとっても難しいことです。だからこそ、「自分の判断がすべて正しい」という前提に立たず、その判断を裏付ける情報ばかりを集めていないか、時には立ち止まって振り返ってみてください。そして、身近な人や資産運用アドバイスの専門家など、客観的な立場からの意見に耳を傾けることも、先行き不透明な時代の資産運用を支える大切な習慣です。
※情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断にあたっては、市場環境やリスクを十分にご理解いただいたうえで、ご自身の判断により行っていただく必要があります。


