日本株の未来は? ~10年先を見据えた投資戦略をわかりやすくご紹介~
お客さまにお伝えしたいこと
- AI普及による自動化の影響はあるが、大半の仕事で完全に代替するのは限界があり、依然として人間の関与が不可欠である。
- AIの利用による業務への影響について、業務効率化や新たなイノベーションなどのポジティブな面が注目されている。
- AI普及は、私たちの働き方に変化をもたらす可能性があり、業務効率化等への活用が進むことも期待されています。
昨今は日常生活でもAIと呼ばれるコンピュータに人間の知的な働きをさせる人工知能の利用が一般的になっており、AIの普及によって私たちの働き方がどのように変化するかは非常に興味深いテーマのひとつです。
国際労働機関(ILO)が2025年5月に公表したAIが雇用に与える影響について分析した最新研究レポートによると、職業ごとのAIによる自動化の影響は図表1のような分布となっていました。
上記グラフはAIによる自動化の可能性を国際標準職業分類(ISCO-08)に基づく業種別に0~1の範囲で評価されており、0は完全に自動化の影響を受けないこと、1は完全に自動化が可能であることを示しています。緑色の2023年と青色の2025年を比較すると、縦軸の標準偏差が低下しており、AIが普及してきたことで、影響度合いの評価が定まってきていることが分かります。
一方で横軸のスコア分布はあまり変わっておらず、AIが普及しても、大半の仕事で全ての実際の業務を完全に代替するのは限界があり、依然として人間の関与が不可欠であることを示しています。
これは、AIを利用した自立型ソフトウェアであるAIエージェントがSaaSと呼ばれるソフトウェアサービスを代替するのではと言われた「SaaSの死」論について、SaaSが直ちに消滅するというよりも、従来型ソフトウェアがAIを前提に進化していく可能性として捉える方が現実的と考えられるのと同様の視点といえます。
また、AIの普及度合いについて、総務省の令和7年版情報通信白書によると2025年時点における日本の業務でのAIの利用率は55.2%となっており、欧米や中国と比較するとまだ低い割合に留まっていますが2024年に対しては着実に高まっています。
同様にAIの利用推進による自社への影響に対する考え方について、日本では「業務効率化や人員不足の解消につながる」が最も多く挙げられ、他の3か国はビジネスの拡大や新たな顧客獲得、新たなイノベーションを多く挙げる傾向が見られています。総じて、4か国いずれもセキュリティやガバナンス面での課題も指摘されていますが、AI普及に対しては業務効率化やビジネス拡大等のポジティブな面がネガティブな面よりも注目されています。
先ほどのAIによる自動化の影響において人間の関与は引き続き不可欠であることを踏まえると、AI普及は、私たちの働き方に変化をもたらす可能性があり、業務効率化等への活用が進むことも期待されています。



