分譲マンションの管理を他人任せにしてはいけません
以前、分譲マンションの管理にあたっては、「マンション管理士」や「弁護士」に相談することを考えてみてほしいということをお話ししました。
今回は、継続的に相談したりアドバイスをもらったりという関係の「顧問契約」についてお話ししたいと思います。
味方を作りましょう
以前のコラムでもお話ししたとおり、多くのマンションで管理業務を委託している管理会社という存在は、本来的に「管理組合のために働く」ということが決まっている存在ではありません。
そういう意味で、もし管理会社の対応に不満を持たれているという場合であっても、それは本来管理会社に要求すべき内容ではないのかもしれません。
そういうときに理事会や管理組合の味方となって親身に関わってくれる存在としては、「マンション管理士」や「弁護士」の方が頼りになるということができます。
継続的な関係のよさ
もちろん、「マンション管理士」や「弁護士」には、問題が起きたときに都度相談することもできます。
ですが、管理会社には年間契約で継続して管理業務を任せていることがほとんどでしょうから、「マンション管理士」や「弁護士」についても、日々起こる悩みや問題について継続して相談ができ、都度適切なアドバイスを受けられるようにしておくことは、理事の方の負担軽減という意味でも大きなメリットがあるのではないかと思います。
そういうときには、継続的な関係を前提とする「顧問契約」を結んでしまうという方法があります。
管理委託費にするか顧問料にするか?
通常の弁護士との顧問契約は、会社などが月数万円という単位で契約し、法律相談の都度相談料を支払わなくてもよいとする契約が多いと思います。
同じように、マンションの管理組合も、組合の管理費から、毎月数万円を支払う代わりに、都度相談料を支払わなくても法律相談ができるという関係を、マンション管理士や弁護士との間で構築するということが可能です。
以前も書きましたが、マンションの共用部分の管理や、管理費や修繕積立金の徴収、管理といった事務的な管理業務は、管理会社に委託することは有益であると思います。
ですが、管理会社が「管理組合のために働く」とは限らないということを考えれば、管理会社への委託費を少し見直して、その分をマンション管理士や弁護士への顧問料として支払って継続的な相談が気軽に行える環境を作ることも考えていただいてよいのではないかと思います。
もっとも、私も現実のマンション業界にそこまで詳しいわけではありませんので、マンション管理士さんがどの程度顧問契約を持っているのか、また、同業である弁護士たちがどの程度顧問契約を持っているのかは、正直わかりません。
弁護士の場合、いきなり顧問契約を結びたいと持ちかけても、一定の信頼関係が築かれるまでは顧問契約を結ばないという弁護士も少なからずいます。
ですから、必ず顧問弁護士がすぐ見つかるということにはならないかもしれません。
そんなときは、まずは現実に直面した問題を都度相談しに行くことにして、何度か相談しているうちにお互いに信頼関係が築けたと判断した時点で、顧問契約を結ぶという方法がよいかもしれません。