社内の「風通し」とコンプライアンス
皆さんの会社・職場では、仕事の目標量や目標数値をどのような呼称を用いていますか?
「ノルマ」の他に「目標」や「予算」「KPI」「ボギー」、部署によっては、
「課題」「割り当て」「クオータ」などの言葉も使われていると思います。
ノルマは仕事の中で、ごく当たり前のように使われる言葉ですが、
本来の意味はどういうものかは、あまり知られていません。
ノルマとは?
各個人や工場などに割り当てられた、一定時間内における労働・生産の最低基準量。第二次世界大戦のシベリア抑留者が、引き揚げてきて伝えた語。
出典 精選版 日本国語大辞典
個人や団体に対して国家や組織が強制的に割り当てた労働の目標量であり、多くの場合は労働の成果のみならず時間的な制限も付加される。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノルマという言葉は、第二次大戦後に当時のソビエト連邦によりシベリアに抑留されていた人たちが帰国した際に日本に広まった言葉とされ、「強制や過酷な義務を含んだ目標値」という意味も含んで使われるようになりました。
会社での使われ方
会社での用語としては一般的に「一定時間内にこなすべき最低限の仕事量」
「一定時間内に達成すべき数値目標」という意味で使われます。
ノルマという言葉からはどのような印象を受けますか?
「ノルマ」という言葉には、
「強制的に与えられた過酷な義務」や「絶対に達成しなければならない数値」
というイメージがついてまわります。
弊社のクライアントに行うアンケート回答でもノルマに関する回答が多く寄せられます。
・営業ノルマが厳しい
・営業ノルマを達成しても、評価が変わらない
・ノルマが厳しいので離職を考えている
・ノルマの設定基準が分からず、不公平感が強い
など、ネガティブな回答で使われることが多いです。
押し付けられたものが「ノルマ」で設定に納得できるものが「目標」
と感じる人が多いように思います。
現在では、大企業を中心にノルマという言葉の使用を止めて
「目標」や「KPI」を使用する企業が増えています。
経験則ですが、ハラスメントやコンプライアンス違反の起こる職場では、
「ノルマ」を使用している場合が多いです。
もし、ノルマという言葉を使っていて、「社内の風通しが悪い」「営業部門の雰囲気が良くない」ということがあるのなら、違う言葉に置き換えることをお勧めします。