会社が自社株を買い取るときの落とし穴
「会社を誰に継がせるか」は決まっているから、事業承継の準備はできている。
そう考えている経営者の方は少なくありません。
しかし、事業承継で本当に大切なのは、「誰が社長になるのか」だけではなく、「誰が会社の株式を持つのか」まで決めておくことです。
会社の経営権と株式の問題は、切り離して考えることができません。
事業承継を考える
中小企業では、社長が株式の大部分を保有しているケースが多くあります。
ところが、創業時に親族や役員などに株式を渡していたり、相続によって兄弟姉妹に株式が分散していたりすると、後継者が社長になったとしても、株式まで後継者に集まっているとは限りません。
例えば、後継者が社長になったものの、叔父や兄弟が株式を持ったままになっている。
このような状態では、経営は引き継げても、株式をめぐって後から問題が起こる可能性があります。
だからこそ、事業承継を考えるときには、早い段階から自社株の状況を確認しておくことが重要です。
税務や会社法を含めて早めに検討
例えば、社長が60%、長男が20%、次男が10%、社長の兄弟が10%の株式を持っている会社があったとします。
社長は長男に会社を継がせるつもりでも、長男が社長になっただけでは、株式の100%を長男が持つことにはなりません。
将来、会社が株式を買い取るのか、他の株主から譲ってもらうのか、あるいは相続や贈与によって整理するのか。
それぞれの方法について、税務や会社法を含めて早めに検討する必要があります。
また、株式を集めるためには、当然「いくらで譲るのか」という株価の問題も出てきます。
自社株を誰が持っているのか
事業承継は、「社長のバトンタッチ」だけではありません。
経営権と株式を、誰に、どのように引き継ぐのか。
この二つを一緒に考えてこそ、本当の意味での事業承継の準備が整います。
そして、自社株の整理は、時間に余裕があるうちに始めることが大切です。
「まだ元気だから大丈夫」ではなく、元気なうちだからこそ、家族や後継者と話し合うことができます。
会社を次の世代へ円満に引き継ぐために、まずは「今、自社株を誰が持っているのか」を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
円満な事業承継は、社長を決めることだけではなく、自社株を整理することから始まります。
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岡崎総合会計事務所
税理士 岡崎俊視


