知識がコモディティ化する時代
これから希少になるのは「知識」ではなく「信頼」
AIによって、専門的な知識が誰でも簡単に手に入る時代になりました。
分からないことがあればAIに聞く。
文章を書いてほしければAIに頼む。
複数の選択肢を比較してほしければAIに整理してもらう。
便利な時代になった一方で、私は新しい問題が生まれてくると思っています。
それは、
「その答えを、本当に信じていいのか?」
という問題です。
知識が簡単に手に入るようになったからこそ、これからは「信頼」の価値が高まるのではないでしょうか。
AIは答えを出せても、「責任」は引き受けない
AIは、もっともらしい答えを、とても上手に作ります。
しかし、その答えによって何か問題が起きたとき、AIが責任を取ってくれるわけではありません。
例えば、相続についてAIに相談したとします。
「この方法が一番節税になります」
と答えてくれたとしても、それが本当にその家族にとって最善の方法なのかは別の問題です。
税金だけを考えれば正解でも、兄弟の関係が悪くなってしまうかもしれない。
財産を公平に分けたつもりでも、家族の中に不満が残るかもしれない。
相続には、数字だけでは測れないものがあります。
だからこそ、
「この人の言うことなら信じられる」
という関係が重要になるのです。
相続で最後に頼りになるのは「この人に任せて大丈夫」
相続の相談を受けていると、最初から答えが決まっているケースばかりではありません。
「どうするのが一番いいのか分からない」
「兄弟にどう話せばいいのか分からない」
「父は本当はどうしたかったのだろう」
そんな相談もあります。
このとき必要なのは、知識だけではありません。
ご家族の話を聞き、これまでの経緯を知り、それぞれの気持ちを整理しながら、一緒に答えを探していくことです。
そのためには、
「この人には本当のことを話しても大丈夫」
と思ってもらえることが何より大切です。
税法の知識だけなら、これからAIがどんどん補ってくれるでしょう。
だからこそ、人間にしか築けない「信頼」の価値は、むしろ高くなると思うのです。
AI時代だからこそ、「誰に相談するか」が大切になる
知識が希少だった時代には、
「何を知っているか」
が大きな価値でした。
しかし、知識が誰でも手に入るようになった時代には、
「誰を信頼するか」
が、より重要になっていくのではないでしょうか。
AIを使うことを恐れる必要はありません。
便利なものは、どんどん使えばいい。
ただ、その一方で、人と人との間にしか生まれない信頼まで、AIに任せてはいけないと思います。
知識がコモディティ化するほど、信頼は希少になる。
AI時代の税理士に求められるものは、知識だけではなく、最後に「この人に任せたい」と思っていただける信頼なのかもしれません。
ーーーーーーーーーーー
岡崎総合会計事務所
税理士 岡崎俊視


