相続税の株価と、会社法の株価は違う?
「会社が自分の会社の株式を買い取るだけだから、簡単な話でしょう。」
そう考えてしまう経営者の方もいらっしゃいます。
しかし、自社株の買い取りは、単に「株主と金額を決めて、お金を払えば終わり」というものではありません。会社法上の手続きや税務上の取り扱い、そして株価の決め方まで、いくつか注意すべきポイントがあります。
いくらで買い取るのが適正なのか
非上場会社の株式には、市場で決まった価格がありません。
そのため、会社が株主から株式を買い取る場合、「いくらで買い取るのが適正なのか」が問題になります。
特に、少数株主から株式を買い取るケースでは、会社側と株主側で希望する価格が異なることがあります。
会社としてはできるだけ適正な価格で買い取りたい。一方、株主からすれば、自分が持っている大切な財産ですから、できるだけ高く評価してほしい。
ここで話がまとまらなければ、単なる株式の売買ではなく、株主との紛争に発展する可能性もあります。
また、自社株の取得には会社法上のルールもあります。財源規制など、会社が自由に資金を出して買い取れるわけではありません。
どのような目的で評価するか
例えば、先代社長の兄弟が会社の株式を10%保有していたとします。
事業承継を前に、後継者に株式を集約するため、会社がその10%を買い取ることになりました。
ところが、会社側は「相続税評価額を基準にすればいい」と考え、株主側は「会社の現在の収益力を考えれば、もっと高いはずだ」と主張しました。
同じ株式でも、どのような目的で評価するかによって、株価の考え方は変わります。
「税務上の評価額がこの金額だから、それで買い取ればいい」と単純に決められるものではないのです。
自社株の状況を整理する
自社株の買い取りで大切なのは、最初に「なぜ買い取るのか」「誰から買い取るのか」「いくらが適正なのか」を整理することです。
そして、会社法上の手続きや税務についても確認しておく必要があります。
自社株の問題は、株価だけを見ていても解決できません。
株主との関係、会社の将来、そして事業承継まで含めて考えることが大切です。
「株を買い戻せば、後継者に会社を渡せる。」
そう考える前に、一度、自社株の状況を整理してみてはいかがでしょうか。
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岡崎総合会計事務所
税理士 岡崎俊視


