実行予算を作らないから無駄が多い!
建設業の経営者から、決算時によくいただくご相談があります。
「先生、毎月Excelで利益を管理しているのですが、決算書を見ると数字が違うんです。」
実は、このご相談は決して珍しいものではありません。
## 社長は数字を見ていないわけではありません
建設業の社長は、日々現場を回りながら、
・受注状況
・工事の進捗
・入金予定
・支払予定
・工事ごとの利益
などを、自分なりに管理されています。
Excelで経営管理をされている会社も少なくありません。
それにもかかわらず、決算になると、
「思っていた利益と違う。」
「資金の残り方が予想と違う。」
という違和感を持たれることがあります。
## 原因は「管理が間違っている」からではありません
私は、社長のExcelが間違っているとは考えていません。
むしろ、現場の状況を最もよく把握しているのは社長です。
問題は、社長が見ている数字と、決算書が作られる仕組みが違うことにあります。
決算書は企業会計のルールや税法に基づいて作成されます。
建設業では、
・未成工事支出金
・完成工事未収入金
・工事進行基準
・決算整理仕訳
などの処理によって、決算時に数字が補正されます。
そのため、社長が毎月管理している数字と、決算書の数字が完全に一致しないことは珍しくありません。
## 「何となく違う」が毎年繰り返される
建設業の経営者は、決して管理をやめるわけではありません。
「去年と違ったから。」
「今年は少しExcelを直してみよう。」
そうやって毎年改善を重ねています。
それでも翌年、また決算書との違いを感じる。
この状態が何年も続いている会社も少なくありません。
私は、この「何となく違う」という違和感を放置しないことが、経営管理の第一歩だと考えています。
## 次回予告
では、この違いを理解した上で、会社は何を目標に経営すればよいのでしょうか。
売上目標ではありません。
利益目標だけでもありません。
会社を維持し、将来の資金調達力を高めるために必要なのは、「年間で必ず確保すべき粗利額」を明確にすることです。
次回は、建設業の粗利経営の核心となる「必達粗利目標」についてお話しします。
※本記事は建設業をテーマにしていますが、ここでご紹介した考え方は、製造業やサービス業など多くの中小企業にも応用できる経営管理の基本です。


