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ベンチャーキャピタルからの投資を受けるための条件

2014年12月21日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

ベンチャー企業向けの投資用のファンドがどんどん組成されて
います。ベンチャーキャピタルの投資が活発になってきました。
投資する際の企業価値評価も、ポジティブになってきました。

事業を積極的に仕掛けて、飛躍させたいと考えておられる社長
様は、エクイティーによる資金調達にも挑戦してください。

※銀行借り入れなどによる調達をデッドと呼びます。これは借
入れです。元金に金利を乗せて返済します。一方、エクイティ
ーとは、自社の株式を新たに発行、買い取ってもらうことで資
金を調達します。返済義務はありませんが、投資家は株主とし
て議決権を行使します。デッドとエクイティーの中間的な転換
社債や、議決権を抑えて、配当を優先する、または、近未来の
業績に応じて株価が変動する…様々な種類株もあります。会社
側と投資家の利害を調整する手法も進化してきました。

■エクイティー資金の投資を受けられる会社様の条件を整理し
ます。

◆1:事業性
○会社を成長させて事業を世に問う、近未来に株式公開を目指
すことが条件になります。一定以上の存在意義を有する事業性
が必要です。

◆2:経営者の考え方
○資本を他人から受けて、言いかえると、第三者を株主に迎い
入れて経営ができることが条件になります。経営が変わります。
この決意が必要です。

◆3:将来の収益性
○5年~7年以内に株式公開基準をクリアーできる事業性が必要
です。例外を除いて、5~7年以内に数億円程度の純利益を継続
的かつ、増益基調で計上できる収益性が必要になります。

◆4:足元の実績または、経営者の実績・経歴
○一定の事業実績が必要になります。
・5年後に売上高20億円、営業利益4億円を計画、実績は、前々
 期の売上高が1億円で営業利益が▲1,000万円、前期の売上高
 が2億円で営業利益が2,000万円、今期は半期で売上高が2億
 円、営業利益2,000万円、これならわかり易いですね。
・収益が伴っていなくても、例えば会員組織を作って将来利益
 を出す、この場合などでは、その会員数の推移が実績になり
 ます。確実に組織が構築されていて、将来的に利益を計上で
 きる合理性があればポジティブです。

○実績が少なければ、経営者の経歴と事業性を評価します。
すごい人が、その経験に沿ったすごいことをやる、これに近い
ほど投資評価はポジティブになります。業績の裏付けがなけれ
ば、経営者の経歴と事業性が重要になります。

ただ、事業実績無しの立ち上げ時に投資を受けるのは難解です。

■投資家へのアクションは…
投資家側も事業を探しています。投資に値する事業を見つける
のに躍起です。

◆1:説明資料を準備してください。
・経営者の経歴・経験、今の事業に至った経緯・理由
・事業の有望性と自社が取り組める理由
・中期計画概要、短期的な攻めどころと資金需要
 (何にお金が必要か?)
・足元の業績

◆2:投資家を探してください。
・ベンチャーキャピタルの所在を探すことは容易です。ホーム
 ページで検索すれば出てきます。直接電話をして話せば対応
 してくれます。投資家側も事業を探しています。
・ご縁があれば紹介を受けてください。
 ポイントは、エクイティーに縁深い一社・一人を見つけるこ
 とです。エクイティーの世界は、横のつながりが深く、一社・
 一人が多くの仲間を紹介してくれます。

■投資を受ける際には、よく理解してください。

◆1:投資家も納得する事業計画が必要です。

◆2:それに沿った資本政策が必要です。あわせて株価も決ま
ります。

これらは、投資家と協議をしながら決めることになります。注
意すべきは、名のあるベンチャーキャピタルは総じて紳士では
ありますが、それでも株価は安い方が良い、一方、会社側は株
価を高くしたい、この利害が存在します。
また、企業価値=純資産+将来利益、この将来利益に会計上の
正解は存在せず、売り手と買い手の目論見で決まります。
会社側も専門家の助言を受けた方がよいでしょう。

エクイティーに対する知見は、多岐にわたる複雑な内容です。
すべてを理解することは容易ではありませんが、要点だけでも
留め置きください。

※エクイティー資金の調達を検討したい会社様は、当事務所に
ご相談ください。

○当事務所は、『貴社の財務部長代行』を廉価でお引き受けいたします。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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