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『年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることをご提案します。』

2016年4月13日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること
 をご提案します。
※有り余るほどの現預金がある会社様・社長様は除きます。

・年商5億円の社長様、追加で5,000万円の運転資金を持
 ち続けませんか?
・年商2億円の社長様、追加で2,000万円の運転資金を持
 ち続けませんか?
・年商5,000円の社長様、追加で500万円の運転資金を
 持ち続けませんか?

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること
 の長短を考えてみましょう。

○短所は…
・借入金利を2%とすると、経常利益が0.2%ダウンします。
・その他の短所は見つかりません。
借入れと合わせて現預金も増えます。実質の借入金額は増えま
せん。また、返済の原資はこの借入金です。借入れ前の資金か
ら返済するわけではありません。返済しながら現預金も減少し
ますが、その分借入残高も減少します。

○長所は…
・余裕資金を持つことで、資金繰りの苦労から解放されます。
・経営上の安全率が向上します。万が一に備えられます。
・投資などの必要な資金需要に素早く対応できます。(投資に
 使ったら別途資金調達が必要になりますが、一刻を争う時は
 この資金を利用できるとの意味です。)
慢性的に資金繰り業務に追われておられる社長様は少なくあり
ません。この資金繰り業務を極小にして、本来の社長業務に専
念できます。

借入れに対する非論理的な嫌悪感から、ご自身の大切な時間を、
資金繰りという非建設的な活動に費やしていないでしょうか?
・社長様の大切な時間、気苦労が、少しばかりの借入れ金利に
 劣るとは思えません。
・経営上のまさかに対処できる経営資源の一つ目は資金です。
 資金によって時間がかせげます。時間をかせぐことで、経営
 上の対応が可能になります。

■どうすれば、年商対比で今より10%多い現預金を持ち続け
 ることができるのか?

業績の良い時に運転資金の借入れを最大限行ってください。約
定返済付きの運転資金は、返済が伴います。時間の経過に伴っ
て、現預金残高=借入金残高も自然に減少します。一定間隔で、
借り換え、巻き直しを継続して行います。
◆『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
◆『返済分を一定期間ごとに借り替え・巻き直しで補い続ける。』
長期間に渡り、戦略的に資金調達と巻き直しを、さらには金融
機関対応を丁寧に行うことで、ある程度の業績が伴えば実現で
きます。

■中小・零細、小規模企業、個人事業者様が行う財務戦略は上
 記です。

与信力の小さな会社様が、手持ち資金を極小にして、金利負担
を低減しようとする行為は高いリスクを伴います。
また、極小の資金で、日々資金繰りに気を使いながら貴重な社
長の時間を浪費することも正しくありません。

■世の中には、間違えた常識がはびこっています。

・『借り入れは出来るだけ行わない方がよい。』…財務基盤の
 弱い会社様には、真逆の指針です。明らかに間違えです。
・『無借金経営を目指そう。借入れは止めよう』…正しくは、
 『無借金経営を目指そう。それが実現できるまでは、借入れ
 で備えよう。』です。
・『資金が必要になったら金融機関に融資を申し込もう。』…
 金融機関は、返済原資を有する会社にのみ融資を実行します。
 金融機関が貸し出す基準は、その会社の資金需要の有無では
 なく、返済原資の有無です。会社側のニーズとは一致しませ
 ん。金融機関は『日傘』しか有していません。『雨傘』はあ
 りません。※一部の制度保証・制度融資のみ例外です。

■お金の心配ではなく、経営の心配をしませんか。

・社長は、売上・利益を作ることに集中しましょう。
・社長は、マネージメントに集中しましょう。
・資金繰りは、非建設的な業務です。出来るだけ心配しないよ
 うに備えましょう。

■『お金の心配をしない経営』を目指してください。

金融機関対応を含む財務は、資金需要のある時にのみ行うスポ
ット業務ではありません。長期目線で戦略的に行う継続業務で
す。中小・零細、小規模企業、個人事業者様の多くは、この財
務機能が欠落しています。
故に、
・資金繰りが厳しくなってあわてて資金調達に走る
・日々、資金繰り業務に追われる
事になっています。

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること
 をご提案します。
 社長の毎日が、経営が…大きく変わるはずです。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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