事務部門の業務に応用できる基本的な15種類のAI活用事例
状況判断や決断力といったベテランの「経験や勘(暗黙知)」を形式知化(データ化)
する方法として、資料では主にAIを活用したノウハウの抽出と、客観的なデータ収集
を組み合わせたアプローチが提案されています。
具体的な形式知化の手順・方法は以下の通りです。
1. AIを活用した「判断基準」と「判断理由」の抽出
ベテランの頭の中にある言語化しにくい決断のプロセスを、AIを用いて引き出し、構造
化します。
①対話型ヒアリング
AIがインタビュアーとなり、熟練者との自然な会話を通じて、その時々の状況判断
のロジックやノウハウをリアルタイムに記録・要約・構造化します。
②行動ログの解析
過去の報告書や日報、作業映像、音声データなどをAIに読み込ませることで、単なる
作業ステップだけでなく、背後にある「判断基準」を自動抽出します。
2. 情報の「構造化」と「判断ルール」の作成
集めた断片的な情報を、誰もが使えるルールに変換します。
①作業分解による言語化
抽出されたノウハウを元に「作業分解」を行い、熟練者が無意識に行っているカン
や急所を、具体的な言葉や数値による判断基準として言語化・マニュアル化します。
②AIによるルールの構造化
収集したインタビュー音声や報告書などの「素材」をAIで処理し、手順書や「判断
ルール」といった目に見える知識(形式知)へと変換します。
3. IoTによる「状況」の数値化・データ化
決断の前提となる「混沌とした状況」や「かすかな違和感」そのものを客観的なデータ
に置き換えます。
熟練者が経験則で感じ取る「設備の調子の悪さ」などの感覚的な判断を、IoTを用いて
4M(人、機械、材料、方法)データとしてリアルタイムに収集します。このデータを
統計解析することで、「異常の予兆」を感覚ではなく数値データに基づいて判断できる
ようになります。
4. 判断を支援する「独自のナレッジベース」の構築
形式知化したデータを生成AI等に学習させ、実際の現場で若手の決断をサポートする
システムを作ります。
①判断理由の学習
例えば見積や設計の支援において、過去のデータや図面だけでなく、「なぜその判断に
至ったか(判断理由)」までをAIに学習させます。
②バーチャル熟練者の実装
学習させたデータを用いて専用のチャットボット(AI)を構築し、若手社員が現場で
迷った際に、ベテランと同等の精度で状況判断や業務を行えるようサポートする体制
を整えます。
結論として 状況判断や決断力を形式知化するには、熟練者が「どのような情報(IoT
データ・ログ)を見て」「どのような理由(対話型ヒアリングで抽出)で判断したか」
をAIを用いて収集し、それを「判断ルール(独自のナレッジベース)」としてシステム
に組み込むプロセスが有効です。



