事務処理ミスをAIで撲滅できるか?「ポカミス防止ツール」「ダブルチェックツール」、など実現のステップ別解説!
Microsoft Copilotにおけるナレッジ(知識)の蓄積は、単に会話履歴を保存するだけでなく、「組織独自のデータ活用」「対話型資産の共有」「個人の文脈学習」という複数のアプローチによって実現されます。
主な蓄積・活用の仕組みは以下の通りです。
1. カスタムエージェントによる組織知の蓄積
特定の業務やプロジェクトに特化した「エージェント」を作成することで、膨大な資料をナレッジベースとしてAIに組み込むことができます。
• ドキュメントの直接登録: エージェントビルダーを使用して、WordやPDFなどのファイルを1エージェントあたり最大1,000個までアップロードし、知識ソースとして活用できます。
• 大容量データのサポート: アップロードできる1ファイルあたりのサイズは最大512MBに拡張されており、マニュアルや膨大な資料もそのまま蓄積可能です。
• 外部ソースとの連携: SharePointやOneDrive上のフォルダ、さらにはDropboxやGoogle Drive、Salesforceなどの外部サービスとも接続し、組織内に散在するデータをリアルタイムのナレッジとして活用できます。
2. Copilot Pagesによる対話型資産の管理
Copilotとのやり取りで得られた回答や情報を、単なる「チャットの断片」ではなく、持続的に利用・編集可能な資産として蓄積する機能です。
• 持続的なキャンバス: AIの回答を「Copilot Pages」という共有キャンバスに変換できます。これは複数のユーザーで共同編集が可能で、プロジェクトの「情報の集積地」として機能します。
• 一元管理ライブラリ: 新しいライブラリ機能により、AIで作成した画像やページを一箇所で簡単に見つけ、管理・再利用することができます。
3. Copilotメモリによる個人の文脈蓄積
ユーザーとの継続的な対話を通じて、AIがユーザー自身の背景や好みを自動的に学習する仕組みです。
• 自動学習: 職種、担当プロジェクト、仕事のスタイル(「アジェンダは必ず作成する」「簡潔な回答を好む」など)を会話から自然に抽出して記憶します。
• 文脈の継続: 一度学習した情報はPCの再起動後も保持され、以降の会話で自動的に活用されるため、毎回同じ説明をする手間が省けます。
4. Microsoft Graphによる組織内ナレッジの動的活用
蓄積されたデータは「Microsoft Graph」を通じて、必要な時に即座に呼び出せるようになります。
• 全方位検索: 自然言語を使用して、メール、ファイル、チャット、会議記録など、組織全体のデータを横断的に検索し、情報を整理して提示します。
• 引用と参照の明確化: 生成された回答には、根拠となった組織内ファイルやWebサイトへのリンク(参照元)が明示されるため、蓄積された情報の信頼性を担保しながら活用できます。
このように、Copilotは「明示的に登録したドキュメント」「対話から生まれた共有資産」「個人に紐づく文脈情報」を多層的に蓄積することで、単なるAIを超えた「組織の知能」として機能するよう設計されています。
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次に「カスタムエージェントの作成」「Copilot Pages」「ライブラリ機能」「Copilotメモリ」の4つの方法のメリット、デメリットについて解説します。
1. カスタムエージェントの作成(エージェントビルダー)
特定の業務や目的に合わせて、独自の知識や役割を持つAIアシスタントを構築する方法です。
• メリット:
◦ 特定の業務に高度に特化させることができ、経理、マーケティング、ITサポートなどの「専門家」として機能させることが可能です。
◦ 最大**1,000個までのドキュメント(1ファイル最大512MB)**をナレッジとして登録でき、組織独自のルールや専門用語を網羅的に学習させられます。
◦ 性格やトーン(話し方)を自由に設定できるため、自社の社風や好みに合わせた対応が可能です。
◦ WordやPowerPointなどのアプリ内から**「@メンション」で直接呼び出し**て、作業中の文脈に沿った支援を受けられます。
• デメリット:
◦ 利用には**「Copilot for Microsoft 365」の有料ライセンスが必要**であり、無料版のCopilotでは作成・利用ができません。
◦ 管理者はエージェントのライフサイクルや所有権の管理、セキュリティポリシーの適用など、適切なガバナンスを維持するための運用負担が発生します。
2. Copilot Pages
AIとの対話から得られた回答を持続的なデジタルキャンバスとして保存し、共同編集できる機能です。
• メリット:
◦ AIの回答を断片的なチャットで終わらせず、持続的なプロジェクト資産として蓄積・編集ができます。
◦ マルチプレイヤーによるAIコラボレーション向けに設計されており、複数のユーザーがサイドバイサイドで同時に編集や共有を行えます。
◦ 作成したPagesの内容を、ワンクリックでWord文書やPowerPointプレゼンテーションに変換して活用することが可能です。
• デメリット:
◦ 原則として組織向けの有料機能であり、政府向けクラウド(GCC)やエンタープライズ環境での提供が主となります。
◦ 組織の設定によっては、会議終了後にデータが削除される場合があるため、長期保存には適切な管理が必要です。
3. ライブラリ機能
AIで生成した画像やPagesを一箇所で管理・再利用しやすくするための専用空間です。
• メリット:
◦ AIが作成した全ての資産を1つのライブラリで一元管理でき、過去のコンテンツを探す手間(摩擦)を大幅に削減できます。
◦ 過去の作業を簡単に取得できるため、以前の成果物を再利用して同じ作業を繰り返さないようにし、時間を節約できます。
◦ 画像や概要(Pages)でフィルター処理し、Teamsやメールですぐに共有できるため、チーム内のコラボレーションが促進されます。
• デメリット:
◦ 「Microsoft 365 Copilot アプリ」専用の機能として提供されているため、単体のブラウザ版利用などでは恩恵を受けにくい場合があります。
4. Copilotメモリ
ユーザーとの会話から職種、好み、仕事のスタイルなどをAIが自動的に学習して記憶する機能です。
• メリット:
◦ 「自動学習」が最大の特徴であり、ユーザーが明示的に指示しなくても、会話の文脈からAIが勝手にあなたの癖や好みを覚えてくれます。
◦ 一度記憶した情報はPCの再起動後も保持され、WordやOutlookなどMicrosoft 365アプリ全体で共有・活用されます。
◦ 無償版(M365基本ライセンスのみ)でも利用可能であり、追加のCopilotライセンス費用をかけずにパーソナライズを実現できます。
• デメリット:
◦ AIが会話から推論して記憶するため、意図しない情報や誤った内容を学習してしまうリスクがあります。
◦ パスワード、クレジットカード番号、社外秘の数値などの機密情報を入力・記憶させないよう、ユーザー自身が注意を払う必要があります。
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無料版のCopilotメモリの使い方
無料版のCopilot(Microsoft 365の基本ライセンスで利用できる追加費用なしのCopilot Chat)におけるCopilotメモリの使い方は、AIに「学習させる(記憶させる)」ステップと、蓄積された情報を「管理する」ステップに分けられます。
具体的な手順と活用法は以下の通りです。
1. Copilotに情報を記憶させる(学習)
特別な設定は不要で、会話を通じて自然に、あるいは明示的に覚えさせることができます。
• 自動学習: 会話の流れから、職種、部署、好みのスタイルなどをCopilotが自動で推論して記憶します。
◦ 例:「今日の営業会議で新製品の提案をするんだ」と話すと、「ユーザーは営業職」と自動学習します。
• 明示的な学習: 覚えさせたい情報を直接指示します。
◦ 例:「私はプロジェクトマネージャーで、アジャイル開発を担当していることを覚えておいて」。
2. 記憶している内容を確認・管理する
Copilotが何を覚えているかは、チャット画面または設定画面から操作できます。
• チャット画面で確認: 「私について何を覚えていますか?」や「私のプロジェクトについて教えて」と質問すると、記憶している内容を教えてくれます。
• 設定画面での詳細管理:
1. Copilot Chat画面右上の「…」(三点リーダー)をクリックします。
2. 「Settings」(設定)を選択します。
3. 左側メニューから「個人用設定」(Personalization)を選択します。
4. 「Copilot メモリ」をクリックすると、記憶の一覧が表示されます。
3. 情報の削除と機能のオフ
• 項目の削除: 設定画面の一覧から不要な情報の横にある「×」ボタンを押すか、チャットで「〇〇のことは忘れて」と伝えます。
• メモリのリセット: 全ての記憶を消去したい場合は、設定画面で「すべてクリア」または「Reset」を実行します。
• 機能の停止: 設定画面のトグルスイッチをOFFにすると、新しい情報を学習しなくなります(既存の記憶は保持されます)。
4. 効果的に使うためのコツ
• 最初の自己紹介: 利用開始時に「〇〇株式会社の営業部でマネージャーをしています」のように基本情報を伝えておくと、以降の回答がパーソナライズされます。
• 機密情報の回避: パスワード、クレジットカード番号、社外秘の数値などは記憶させないよう注意が必要です。
• 定期的な更新: プロジェクト終了時や異動時には、古い情報を削除して最新の状態に保つことが推奨されます。
利用条件の注意点: この機能は主に**職場または学校アカウント(Entra ID)**向けに提供されています。個人用Microsoftアカウント(MSA)では、機能名や動作が異なる場合があります。



