部下なし・一人社長の生存戦略。「3人のGemini」を組織図に組み込む方法

濱田金男

濱田金男

テーマ:生成AIによる業務効率化

「自分一人で何役もこなさなければならない。
でも、リソースには限界がある……」 そんな悩みを抱えるマネージャーや経営者
の方に、ぜひ試していただきたい戦略があります。

それは、3つのGoogleアカウントを使い分け、3人の「AI専門家」を雇用する
という考え方です。今回は、私が実践して効果的だった「AIの役割分担術(ポート
フォリオ)」を公開します。

なぜ「アカウント」を分ける必要があるのか?
「1つのチャット画面ですべてを完結させたほうが楽では?」と思うかもしれません。
しかし、あえてアカウントを分けることには、組織運営上の大きなメリットがあります。
(1)文脈(コンテキスト)の汚染を防ぐ:技術的な深い話と、日常のメール代筆が
 混ざると、AIの回答精度が鈍ります。
(2)記憶の整理:アカウントごとに「専門知識」を蓄積させることで、話が早い
 「ベテラン社員」を3人育てる感覚になれます。
(3)モードの切り替え:人間側の脳も「この画面は研究開発、この画面は事務」
 と切り替えることで、集中力が維持されます。

推奨:AI組織図のポートフォリオ
私が提案する、一人社長のための「AIチーム編成」がこちらです。
【CTO/技術顧問】有料版Gemini(Deep Research活用)
主な任務:研究開発、技術的な問題解決、市場の深掘り調査。
強み:最新のDeep Research機能を使い、複雑な技術課題に対してプロレベルの
回答を導き出します。
ここがポイント:社外秘のプロジェクト情報や技術仕様を集中させ、「わが社の
技術に最も詳しい右腕」に育てます。

【秘書室長/PM】有料版Gemini
主な任務:スケジュール管理、メール代筆、タスクの優先順位付け、壁打ち。
強み:Googleワークスペース(Gmail/カレンダー)と連携し、実務をサポート。
ここがポイント:あなたの「好み」や「仕事のクセ」を学習させ、言わなくても
伝わる阿吽(あうん)の呼吸を目指します。

【制作ディレクター】無料版Gemini
主な任務:セミナープログラム案の作成、解説資料(PowerPoint)の構成、翻訳。
強み:アウトプット(資料化)に特化。
ここがポイント:あえて「外向け」の仕事だけを振ることで、内部情報との混同
を防ぎ、フラットな視点で「わかりやすい資料」を作らせます。

運用を成功させる「2つの鉄則」
(1)ブラウザの「プロファイル機能」で物理的に分ける Chromeブラウザなどの
「ユーザー追加」機能を使い、各アカウントを別ウィンドウで開けるようにします。
ウィンドウの色を変えておけば、「今、誰と話しているか」が直感的にわかります。

(2)迷ったら「秘書」に差配させる 「これは誰に頼めばいい?」と迷う仕事は、
まず「秘書室長」に相談してください。「それは技術的な内容なのでCTOに相談
しましょう」と、AIに交通整理をさせるのがマネジメントのコツです。

では、具体的な使い方として、3つのアカウント(役割)それぞれの特性を最大限
に引き出すためのプロンプト(指示出し)例を示します。

1. 【CTO/技術顧問】用プロンプト
(有料版・Deep Research活用:研究開発・技術問題解決)
プロンプト例
「あなたは弊社の技術顧問(CTO)です。
現在は『[プロジェクト名]』に注力しています。
回答は常に最新の論文、特許、技術ドキュメントの根拠に基づいてください。
単なる概要だけでなく、具体的な数式、実装手順、または代替技術との比較を
提示してください。
私が技術的な壁にぶつかった際は、Deep Research機能を使って、世界中の最新
事例から突破口を探してください。」

使いどころ
「〇〇の技術課題を解決する新しいアプローチを3つ挙げて」「この特許技術を
自社製品に応用する際のリスクは?」など。

2. 【秘書室長/PM】用プロンプト
(有料版:実務・スケジュール・壁打ち)
プロンプト例
 「あなたは私の優秀な秘書兼プロジェクトマネージャーです。
 私のタスク管理、メール作成、思考の整理をサポートしてください。
 私の返信スタイル([例:丁寧だが簡潔に])を学習し、下書きを作成して
 ください。
 複雑な案件については、『次にとるべきアクション』をステップ形式で提示
 してください。
 Googleワークスペースと連携し、私のスケジュールを考慮した提案をして
 ください。」

使いどころ
「このメールへの返信を角が立たないように考えて」
「来週の予定を見て、集中作業に充てるべき時間を提案して」など。

3. 【制作ディレクター】用プロンプト
(無料版:セミナー案・解説資料・構成)
プロンプト例
 「あなたはプロの資料作成ディレクターです。専門知識がない人にも『伝わる』
 構成を作る名人です。
 セミナーやプレゼン資料の構成案を、ターゲット層に合わせて作成してください。
 パワーポイントのスライドごとに『タイトル』『キーメッセージ』『ビジュアル
 イメージ』を整理して出力してください。
 専門用語は極力避け、比喩や具体例を多用したわかりやすい解説を心がけて
 ください。」

使いどころ
「若手エンジニア向けの『最新技術トレンド』セミナーの60分構成案を作って」
「この複雑な技術図解を、パワポ1枚で説明するための構成を考えて」など。

運用のヒント
 各アカウントへの「声がけ」
 これらを設定した上で、日々の会話は以下のように始めるとスムーズです。

 技術顧問へ: 「Deep Researchを起動して、〇〇の最新動向を調査してくれ」
 秘書室長へ: 「ちょっと頭の整理に付き合って。今考えているプロジェクトの
        懸念点は……」
 ディレクターへ: 「来月のセミナーの骨子を作りたい。対象者は〇〇だ」

これらを各アカウントの「カスタム指示(Gem)」に登録しておくか、チャット
の冒頭で送ることで、それぞれの個性がより明確になります。

<注:Gemを使った「3人の専門家」の作り方>
各アカウントで以下の手順で設定してみてください。
Geminiのサイドバーにある「Gemを管理」または「Gemを作成」をクリックします。
 「Gemの名前」を入力します(例:CTO、秘書室長など)。
 「指示(命令文)」の欄に、先ほどお伝えしたプロンプトを貼り付けます。
 「作成」をクリックして保存します。

まとめ:2026年は「AIをマネジメントする」年に
部下がいないことは、もはや弱みではありません。 3つの人格(アカウント)を
使い分けることで、あなたは「3人の優秀な専門家」を抱えるチームのリーダーに
なれます。マネジメントが複雑になりすぎる前に、まずはこの「3人体制」を確立
してみませんか?

このブログ記事を元に、SNS投稿用の短文要約や、具体的な「AIへの指示出し
(プロンプト)例」なども作成できますが、いかがでしょうか?

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

ものづくり現場の品質管理、人材育成のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ群馬
  3. 群馬のビジネス
  4. 群馬の人材育成・社員研修
  5. 濱田金男
  6. コラム一覧
  7. 部下なし・一人社長の生存戦略。「3人のGemini」を組織図に組み込む方法

濱田金男プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼