中小製造業の利益の出る事業計画の立て方(その2)具体的手順を教えます。
国内市場の縮小と激化する国際競争という複合的な圧力に直面する中で、日本の中小
製造業にとって海外市場への展開は、もはや選択肢ではなく、持続可能な成長を実現
するための必須戦略となっています 。国内だけで事業を継続することには限界がある
という認識が広がりつつあります 。
近年、日本企業の海外展開の目的は大きく変化しています。
かつては生産コストの削減を主な目的として大企業が海外に進出する傾向が強かった
ものの、現在では進出先の国やその近隣諸国での需要を取り込むこと、すなわち市場
獲得を企図する海外展開が増加しています 。
これは、単なる生産拠点の移転や輸出拡大に留まらず、製品・技術の現地適合化、
ブランド戦略の再構築、そして現地のバリューチェーンへの統合といった、より高度
なグローバル戦略が求められていることを示唆しています。
経済産業省の調査によると、2022年度末時点の日本企業の海外拠点は全体で24,415
社に上り、そのうち製造業が10,433社(42.7%)を占めています 。地域別に見ると
アジアが最も多く約67.8%を占めており、特にASEAN10ヵ国へのシフトが見られます 。
これは、中小企業にとっても海外市場が具体的な成長機会として認識されつつあるこ
とを示しており、日本の製造業がグローバル市場で「安い国」から脱却し、国際競争
力を回復するための重要なフェーズに入っていることを示唆しています 。
経済産業省が提唱する「製造業X(エックス)」、すなわちGX・フロンティア技術や
デジタルを活用したサービス化による高付加価値化を目指す産業構造転換 とも深く
連動しており、海外市場での新たな価値創造が期待されています。



