交替勤務でも品質を落とさない3つの秘訣とは?【食品工場】おいしさと安全を守る!

濱田金男

濱田金男

テーマ:中小製造業の生き残り策

「うちの工場、交替勤務だから品質管理が難しいんだよね…」
食品工場の皆さん、こんなお悩みありませんか?24時間フル稼働で私たちの食卓を
支えてくれる交替勤務の工場。でも、その特殊な勤務形態ゆえに、思わぬところで
品質問題が発生しやすいのも事実です。

「教育はしっかりやっているつもりなのに、なぜかミスが減らない…」

実は、品質問題の原因は教育だけではないかもしれません。今回は、食品工場の品質
を守るために、教育以外の3つの重要なポイント「日常管理」「シフト管理」「その他
の問題」に焦点を当て、具体的な原因と今日からできる対策をわかりやすく解説します!

【秘訣1】毎日のチェックが命!「日常管理」を見直そう
毎日の業務に潜む小さな問題が、大きな品質トラブルに繋がることも。食品工場では
特に、ささいな見落としが食中毒などの重大事故を引き起こしかねません。

●こんな「日常管理」の問題、ありませんか?
 ・作業手順、本当にみんな同じ?:手順書が古かったり、人によって解釈が違ったり
  すると、製品の味や見た目にバラつきが出てしまいます 。例えば、ドレッシング
  の材料を混ぜる時間がAさんとBさんで違ったら…?

 ・機械や器具の調子は万全? (4M管理のMachine):機械のちょっとした不調や、洗
  浄不足が、異物混入や菌の増殖の原因になることも 。毎日使う充填機、ちゃんと
  隅々までチェックしていますか?

 ・材料は大丈夫? (4M管理のMaterial):賞味期限切れの原料をうっかり使ってしま
  ったり、アレルギー物質の表示ルールが変わったのに気づかなかったり…なんて
  ことはありませんか? 。

 ・「いつもと違う」を見逃してない? (変化点管理):新しいパートさんが入った、
  機械の設定を少し変えた、いつもと違うメーカーの材料を使った…そんな「変化点」
  こそ要注意!情報共有がうまくいかないと、思わぬミスに繋がります 。

 ・整理整頓、できていますか? (5S活動):床に物が散乱していたり、器具が所定の
  場所になかったりすると、作業効率が落ちるだけでなく、つまずいて食材をダメ
  にしてしまったり、異物混入のリスクも高まります 。

 ・うっかりミス、防げていますか? (ポカミス対策):似たような調味料の容器を取
  り間違えたり、加熱時間を間違えたり…そんな「うっかり」を防ぐ工夫はできて
  いますか? 。

 ・「危ない!」の共有、できていますか? (危険予知活動):「あ、今の作業、ちょ
  っと危なかったかも…」そんなヒヤリとした経験、みんなで共有できていますか?
  安全意識の低下は、品質意識の低下にも繋がります 。

●今日からできる!日常管理の改善策
 ・誰でもわかる手順書を作ろう!:写真やイラスト、動画も活用して、新人さんでも
  一目でわかる手順書にアップデート! 。定期的に見直して、現場の声も反映させ
  ましょう 。

 ・機械や器具の点検は念入りに!:毎日の始業前点検、終業後点検を徹底し、記録を
  残しましょう 。

 ・変化点はみんなで共有!:「今日は〇〇さんが新しい作業に入ります」「この材料
  今日から新しいロットです」など、朝礼や引継ぎでしっかり伝え合いましょう 。

 ・5Sは品質向上の第一歩!:みんなで分担して、整理・整頓・清掃・清潔・躾を徹底
  「どこに何があるかすぐわかる」「異常があればすぐ気づける」職場を目指しま
  しょう 。

 ・ポカミスは仕組みで防ぐ!:調味料の容器に大きく名前を書く、タイマーを複数
  設置する、間違った操作ができないような治具を使うなど、物理的な対策を取り
  入れましょう 。

 ・ヒヤリハットは宝の山!:小さなヒヤリも報告しやすい雰囲気を作り、みんなで
  共有して再発防止策を考えましょう 。

【秘訣2】働く人に優しい環境を!「シフト管理」を見直そう
交替勤務は、働く人の生活リズムや体調に大きな影響を与えます。無理のないシフト
管理は、働く人の健康を守り、ひいては製品の品質を守ることに繋がります。

●こんな「シフト管理」の問題、ありませんか?
 ・夜勤続きでヘトヘト…:不規則な勤務や連続夜勤は、集中力や判断力の低下を招き
  思わぬミスに繋がります 。

 ・引継ぎ、ちゃんと伝わってる?:「〇〇の機械、ちょっと調子が悪かったんだよね」
  「この材料、残りが少ないから発注お願い」…そんな大切な情報、次のシフトの人
  に確実に伝わっていますか?口頭だけだと、漏れや誤解が生じやすいものです 。

 ・他のシフトの状況、知ってる?:違うシフトの人と顔を合わせる機会が少ないと、
  コミュニケーションが不足しがち。一体感が薄れると、いざという時の連携も難し
  くなります 。

 ・あのシフト、いつも人手が足りない…:特定のシフトに負担が偏っていたり、急な
  欠員に対応できなかったりすると、残ったスタッフの負担が増え、ミスが起こり
  やすくなります 。

 ・夜勤は特に心配…:夜間は管理者やサポートスタッフが少ないことも。トラブル
  発生時の対応が遅れると、品質問題が大きくなってしまう可能性があります 。

●今日からできる!シフト管理の改善策
 ・無理のないシフトを組もう!:連続夜勤はなるべく避け、勤務間隔をしっかり空け
  るなど、働く人の負担を考えたシフト作成を心がけましょう 。
 
 ・引継ぎは「書く・話す」で確実に!:引継ぎノートや共有システムを活用し、記録
  に残す習慣をつけましょう 。口頭での補足も忘れずに。

 ・シフト間の壁をなくそう!:定期的なミーティングや情報共有ツールで、他のシフ
  トの状況も把握できるようにしましょう。

 ・助け合える体制を作ろう!:急な欠員にも対応できるよう、応援体制を整えておき
  ましょう 。一人が複数の作業をこなせる「多能工化」も有効です。

 ・夜勤スタッフを手厚くサポート!:休憩室を快適にしたり、夜勤手当を見直したり、
  緊急時の連絡体制を明確にしたりするなど、夜勤でも安心して働ける環境を作りま
  しょう 。

【秘訣3】見落としがちな「その他の問題」にも目を向けよう
日常管理やシフト管理以外にも、工場の品質に影響を与える要因はたくさんあります。

●こんな「その他の問題」、ありませんか?
 ・作業場、暗くない?うるさくない?:照明が暗かったり、機械の音が大きすぎた
  りすると、集中力が低下し、ミスが起こりやすくなります 。

 ・「どうせ言っても変わらないし…」と諦めてない? (モチベーション):頑張って
  も評価されなかったり、改善提案が聞き入れられなかったりすると、働く人の
  やる気は下がってしまいます。品質に対する意識も薄れてしまうかも… 。

 ・情報共有、紙とペンだけ? (情報システム):品質データや生産状況がリアルタイム
  で共有されていないと、問題の発見や対応が遅れてしまいます 。

 ・問題が起きても、その場しのぎ? (継続的改善):同じようなミスが繰り返される
  のは、根本的な原因が解決されていないからかもしれません。PDCAサイクル、
  回っていますか? 。

●今日からできる!その他の問題の改善策
 ・働きやすい作業環境を作ろう!:照明を明るくする、騒音対策をする、空調を
  整備するなど、快適に作業できる環境を目指しましょう。

 ・「よし、もっと良くしよう!」と思える職場に!:品質改善の提案を歓迎し、
  良い取り組みは表彰するなど、働く人のモチベーションを高める工夫をしま
  しょう 。経営層が「品質第一!」というメッセージをしっかり発信すること
  も大切です 。

 ・情報共有はスマートに!:タブレット端末や情報共有システムを導入して、
  必要な情報が誰でもすぐに見られるようにしましょう 。

 ・みんなでカイゼン!:問題が起きたら、なぜ起きたのかをみんなで考え、再発
  防止策を立てて実行する。そして、その効果を検証する。この「PDCAサイクル」
  を習慣にしましょう 。

まとめ:品質はみんなで守り育てるもの
交替勤務の食品工場で品質を守り抜くためには、教育だけに頼るのではなく、日常
管理、シフト管理、そしてその他の問題にも目を向け、一つひとつ改善していくこと
が大切です。
 毎日のチェックを怠らない「日常管理」
 働く人に優しい「シフト管理」
 見落としがちな「その他の問題」への目配り

これらの秘訣を参考に、あなたの工場でも「おいしさと安全」を追求し続けてくださ
いね!品質は、誰か一人が頑張るのではなく、工場で働くみんなで守り育てていく
ものです 。

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濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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