見積りは”どんぶり”ではダメ!金額はどのように算出していますか?(新たな部品加工・組立品を受注する場合)
多品種少量生産工場における生産計画の立案と、設計変更や特急依頼への対応は、納期
遵守の鍵となります。以下に、それぞれのポイントをまとめました。
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(多品種少量生産における生産計画の立て方のポイントをマスターしよう!)
1. 生産計画の立て方
多品種少量生産では、以下の要素を考慮して生産計画を立てる必要があります。
・受注情報: 顧客からの注文内容(品種、数量、納期)を正確に把握します。
・需要予測: 過去の販売実績や市場動向などを参考に、将来の需要を予測します。
ただし、少量生産の場合は予測が難しいこともあるため、柔軟性を持たせる必要
があります。
・在庫状況: 現在の部品、資材、仕掛品、完成品の在庫状況を把握します。
・設備能力: 各設備の稼働状況や生産能力を把握します。
・人員配置: 作業者のスキルや人数を考慮します。
・リードタイム: 各工程にかかる時間を把握します。
・サプライヤーの納期: 部品や資材の調達にかかる時間を把握します。
これらの情報を基に、以下のステップで生産計画を立てます。
・大日程計画: 中長期的な視点で、全体の生産能力と需要のバランスを取りながら、
おおまかな生産計画を立てます。
・中日程計画: 月単位や週単位で、具体的な生産量や納期を落とし込んだ計画を立て
ます。
・小日程計画 (日別計画): 日々の具体的な作業内容や生産スケジュールを詳細に計画
します。
ポイント
・負荷の平準化: 特定の設備や作業者に負荷が集中しないように、生産量を調整します。
・余裕を持たせた計画: 予期せぬトラブルや遅延に備えて、計画に若干の余裕を持たせ
ることが重要です。
・見える化: 生産計画をガントチャートや生産管理システムなどで可視化し、関係者
全員が状況を共有できるようにします。
・定期的な見直し: 計画は一度立てたら終わりではなく、状況の変化に合わせて定期
的に見直す必要があります。
2. 設計変更適用依頼への対応
取引先からの設計変更依頼は、多品種少量生産では頻繁に発生する可能性があります。
スムーズに対応するためのポイントは以下の通りです。
・変更内容の正確な把握: 設計変更の内容、適用時期、対象ロットなどを取引先と
十分に確認します。図面や仕様書などの情報共有を徹底します。
・影響範囲の確認: 設計変更が生産工程、使用部品、在庫などにどのような影響を
与えるかを迅速に評価します。
・社内関連部署との連携: 設計、製造、購買、品質管理などの関連部署と情報を共有
し、協力して対応策を検討します。
・変更管理プロセスの確立: 設計変更の受付、評価、承認、実施、記録までの一連の
プロセスを明確化しておきます。
・部品・資材の手配調整: 変更によって不要になる部品や資材の在庫状況を確認し、
サプライヤーとの調整を行います。
・製造手順の修正: 作業手順書や製造指示書などを速やかに修正し、現場に周知します。
・納期への影響評価と顧客への連絡: 設計変更が納期に影響を与える可能性がある
場合は、速やかに取引先に連絡し、協議を行います。
・トレーサビリティの確保: どの製品に新しい設計が適用されたかを記録し、トレー
サビリティを確保します。
ポイント
・迅速な初動対応: 設計変更依頼を受けたら、迅速に影響範囲の確認と対応策の検討
を開始します。
・コミュニケーションの徹底: 社内外の関係者との密なコミュニケーションが不可欠
です。
・柔軟な対応力: 状況に応じて、生産計画や作業手順を柔軟に変更できる体制が必要
です。
3. 特急依頼品などへの対応
特急依頼品への対応は、通常の生産計画に影響を与える可能性があるため、慎重な判断
と対応が求められます。
・実現可能性の評価: 特急依頼の納期、数量、仕様などを確認し、現在の生産状況や
設備能力から実現可能かどうかを迅速に評価します。
・優先順位の決定: 他の生産計画との兼ね合いを考慮し、特急依頼の優先順位を決定
します。
・リソースの調整: 必要に応じて、人員配置や設備稼働計画を一時的に調整します。
・関連部署との連携: 営業、製造、購買などの関連部署と連携し、協力して対応策
を検討します。
・納期短縮のための検討: 工程の見直し、段取り時間の短縮、残業などの手段を検討
し、可能な限り納期短縮に努めます。
・顧客への状況報告: 特急依頼の対応状況や納期見込みなどを顧客に適宜報告します。
・通常計画への影響最小化: 特急依頼への対応が、他の通常生産計画に過度な影響を
与えないように配慮します。
ポイント
・迅速な判断: 特急依頼の内容を迅速に把握し、対応の可否を判断します。
・情報共有: 関係者間で情報を共有し、協力体制を構築します。
・柔軟な生産体制: 特急依頼に対応できる柔軟な生産体制を構築しておくことが望ま
しいです。
・無理のない計画: 無理な納期設定は品質低下につながる可能性があるため、実現
可能な範囲で対応します。
4. 納期遵守対応のポイント
上記の生産計画、設計変更対応、特急依頼対応を踏まえ、納期を遵守するための重要
なポイントは以下の通りです。
・精度の高い生産計画: 実行可能な精度の高い生産計画を立てることが基本です。
・進捗管理の徹底: 生産進捗を常に監視し、遅延が発生した場合は早期に対策を講
じます。
・品質管理の徹底: 不良品の発生を抑え、手戻りによる遅延を防ぎます。
・段取り時間の短縮: 品種切り替えなどの段取り時間を短縮することで、生産効率
を向上させます。
・設備の保全: 設備の故障による生産停止を防ぐため、定期的なメンテナンスを実施
します。
・サプライチェーンマネジメント: サプライヤーとの連携を強化し、部品や資材の
安定供給を確保します。
・問題解決能力の向上: 生産現場で発生した問題を迅速に解決できる体制を構築し
ます。
・従業員のモチベーション向上: 従業員のモチベーションを高め、生産性向上につ
なげます。
・改善活動の継続: 生産プロセス全体を継続的に見直し、改善していく姿勢が重要
です。
多品種少量生産における納期遵守は、多くの課題がありますが、上記のポイントを
実践することで、顧客からの信頼を得て、事業の成長につなげることができます。
ITツールの活用も有効な手段となります。



