多品種少量生産工場における生産の進捗管理の方法、ポイント解説

濱田金男

濱田金男

テーマ:TOC理論と生産性向上

多品種少量生産工場における生産の進捗管理は、製品の種類が多く、生産量が少ない
ため、各製品の状況をきめ細かく把握し、柔軟に対応することが重要です。以下に、
その方法、ポイントをまとめました。

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   (多品種少量生産における作業進捗管理のポイントをマスターしよう!)

1. 生産進捗管理の方法
多品種少量生産では、以下の方法を組み合わせることで、効果的な進捗管理が可能に
なります。

●ガントチャート
 ・方法: 横軸に時間、縦軸に作業や製品を配置し、各作業の開始日、終了日、所要
  時間を視覚的に表示します。
 ・メリット: 全体のスケジュールを把握しやすく、遅延している作業を一目で確認
  できます。
 ・デメリット: 品種が多い場合、チャートが複雑になりやすいです。
 ・対策: 工程ごとにチャートを分割する、色分けを活用するなど、見やすさを工夫
  することが重要です。

●かんばん方式 (生産指示かんばん)
 ・方法: 後工程から前工程へ、生産に必要な製品の種類と量を指示する「かんばん」
  を渡し、前工程はその指示に基づいて生産を行います。
 ・メリット: 必要な時に必要な量だけを生産するため、仕掛在庫の削減につながります。
 ・デメリット: 工程間の連携が不可欠であり、導入に手間がかかる場合があります。
 ・対策: 各工程の能力バランスを考慮し、スムーズな情報の流れを構築する必要が
  あります。

●作業指示書
 ・方法: 各作業に必要な情報(製品名、数量、作業手順、使用部品など)を記載した
  指示書を各作業者に発行します。
 ・メリット: 作業内容が明確になり、誤りを防ぐことができます。進捗状況を記録
  する欄を設けることで、実績を把握できます。
 ・デメリット: 指示書作成に手間がかかる場合があります。
 ・対策: テンプレート化やシステム化により、作成業務の効率化を図ることが望まし
  いです。

●進捗ボード (ホワイトボード、電子ボード)
 ・方法: 各製品や作業の進捗状況を、ボードに手書きやマグネット、電子表示などで
  可視化します。
 ・メリット: 現場の状況をリアルタイムに共有でき、問題発生時の早期発見につなが
  ります。
 ・デメリット: 情報の更新に手間がかかる場合があります。
 ・対策: 定期的な情報更新のルールを設ける、デジタルサイネージを活用するなど、
  効率的な運用を心がけることが重要です。

●生産管理システム (MES)
 ・方法: 生産計画、作業実績、在庫情報などを一元管理し、生産状況をリアルタイム
  に把握できるシステムを導入します。
 ・メリット: 正確な進捗状況を迅速に把握でき、データに基づいた意思決定が可能
  になります。
 ・デメリット: 導入コストや運用コストがかかります。
 ・対策: 自社の規模や業務内容に合ったシステムを選定し、段階的に導入していく
  ことが望ましいです。

●アンドン
 ・方法: 生産ラインの異常や遅延などをランプや表示灯で知らせる仕組みを導入し
  ます。
 ・メリット: 問題発生を即座に把握し、迅速な対応につなげることができます。
 ・デメリット: 設備投資が必要になる場合があります。
 ・対策: 異常発生時の対応手順を明確化しておくことが重要です。

2. 生産進捗管理のポイント
 ・正確な計画立案: 納期、生産能力、使用部品などを考慮し、実現可能な生産計画
  を立てることが基本です。
 ・作業の標準化: 作業手順を明確にし、標準化することで、作業時間のばらつきを
  抑え、進捗管理を容易にします。
 ・リアルタイムな情報収集: 各工程の進捗状況を常に把握し、遅延や問題点を早期
  に発見することが重要です。
 ・ボトルネックの特定と解消: 生産ラインにおけるボトルネック(最も遅い工程)
  を特定し、改善策を講じることで、全体の生産性を向上させます。
 ・柔軟な計画変更: 予期せぬトラブルや顧客からの仕様変更などが発生した場合、
  迅速かつ柔軟に生産計画を変更できる体制が必要です。
 ・進捗状況の可視化: 進捗ボードやシステムなどを活用し、誰が見ても状況がわかる
  ように可視化することが重要です。
 ・担当者への権限委譲: 各工程の担当者に一定の権限を与え、自律的な進捗管理を
  促すことで、より迅速な対応が可能になります。
 ・定期的な進捗会議: 関係者間で定期的に進捗状況を共有し、問題点や改善策につい
  て話し合う場を設けることが有効です。
 ・実績データの分析と活用: 過去の生産実績データを分析し、今後の計画立案や改善
  活動に役立てます。
 ・従業員への意識啓蒙: 進捗管理の重要性を従業員に理解させ、全員で目標達成に
  向けて取り組む意識を高めることが大切です。

多品種少量生産においては、一つの方法に固執するのではなく、複数の方法を組み合わ
せ、自社の状況に合わせて最適化していくことが重要です。
また、ITツールを積極的に活用することで、より効率的で精度の高い進捗管理が可能に
なります。

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濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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