多品種少量生産工場における、部品や資材の発注、在庫管理の方法、ポイント解説

濱田金男

濱田金男

テーマ:TOC理論と生産性向上

多品種少量生産工場における部品や資材の発注、在庫管理は、品種の多さと生産量の
少なさから、過剰在庫や欠品のリスクが高く、効率的な管理が重要となります。
以下に、その方法、ポイントをまとめました。

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   (多品種少量生産における在庫管理のポイントをマスターしよう!)

1. 発注方法
多品種少量生産では、需要予測が難しいため、以下の発注方法を組み合わせることが
有効です。

●都度発注 (個別発注)
 ・方法: 生産計画に基づいて、必要な部品や資材をその都度発注します。
 ・メリット: 過剰在庫のリスクを最小限に抑えられます。
 ・デメリット: リードタイムが長い場合、欠品のリスクが高まります。また、発注頻度
  が高くなり、事務作業が増加します。
 ・対策: 短納期に対応できるサプライヤーを選定する、共通部品・汎用部品を事前に
  確保するなどの対策が必要です。

●定期発注
 ・方法: 一定期間ごとに、過去の需要実績や今後の生産計画に基づいて発注量を決定
  します。
 ・メリット: 発注業務を定型化でき、事務作業を軽減できます。ある程度の在庫を
  確保できるため、欠品リスクを低減できます。
 ・デメリット: 需要変動が大きい場合、過剰在庫や在庫不足が発生する可能性があり
  ます。
 ・対策: 需要変動の大きい部品は、都度発注と組み合わせる、発注サイクルや発注量
  を柔軟に見直すなどの対策が必要です。

●安全在庫発注
 ・方法: 予測できない需要変動やリードタイムの遅延に備えて、一定量の安全在庫を
  常に確保し、在庫量が一定レベルを下回ったら発注します。
 ・メリット: 欠品リスクを大幅に低減できます。
 ・デメリット: 過剰在庫になる可能性があります。
 ・対策: 需要変動やリードタイムのばらつきを考慮して、適切な安全在庫量を設定する
  必要があります。

●かんばん方式
 ・方法: 後工程から前工程へ、必要な部品の種類と量を指示する「かんばん」を渡し、
  前工程はその指示に基づいて部品を供給します。
 ・メリット: 必要な時に必要な量だけを調達できるため、無駄な在庫を削減できます。
 ・デメリット: サプライヤーとの連携が不可欠であり、導入に手間がかかる場合があり
  ます。
 ・対策: サプライヤーとの情報共有体制を構築し、スムーズな運用を目指す必要があり
  ます。

2. 在庫管理の方法
多品種少量生産では、多くの種類の部品や資材を管理する必要があるため、以下の方法
を組み合わせることが重要です。
●ABC分析
 ・方法: 在庫金額や使用頻度などに基づいて、部品や資材をA(重要度高)、B(重要度
  中)、C(重要度低)の3つのグループに分類し、それぞれのグループに対して異なる
  管理方法を適用します。
 ・Aグループ: 重点的に管理し、発注頻度を高めたり、安全在庫を少なめに設定したり
  します。
 ・Bグループ: AグループとCグループの中間的な管理を行います。
 ・Cグループ: 発注頻度を低くしたり、ある程度の量をまとめて発注したりするなど、
  簡略化した管理を行います。

●定量発注方式
 ・方法: あらかじめ設定した発注点(在庫量がこのレベルになったら発注する)を下
  回ったら、一定量を発注します。
 ・メリット: 発注タイミングが明確で、管理が容易です。
 ・デメリット: 需要変動が大きい場合、欠品や過剰在庫が発生する可能性があります。
 ・対策: 需要変動に合わせて、発注点や発注量を定期的に見直す必要があります。

●定期棚卸
 ・方法: 定期的に(週に一度、月に一度など)、倉庫内の在庫数を実際に数えて記録
  し、帳簿上の在庫数と照合します。
 ・メリット: 帳簿上の在庫数と実際の在庫数のずれを把握し、在庫管理の精度を高める
  ことができます。
 ・デメリット: 棚卸作業に時間と手間がかかります。
 ・対策: バーコードやRFIDなどの技術を活用して、棚卸作業の効率化を図ることが
  重要です。

●ITシステムの導入
 ・方法: 在庫管理システム(WMS)や生産管理システム(MES)などを導入し、
  部品や資材の入庫・出庫、在庫状況などをリアルタイムに管理します。
 ・メリット: 在庫状況を正確かつ迅速に把握でき、発注ミスや在庫不足を防ぐこと
  ができます。データ分析に基づいた在庫最適化も可能です。
 ・デメリット: 導入コストや運用コストがかかります。
 ・対策: 自社の規模や業務内容に合ったシステムを選定し、段階的に導入していく
  ことが望ましいです。

3. 発注・在庫管理のポイント
 ・正確な需要予測: 過去の販売実績、市場動向、顧客からの情報などを総合的に分析
  し、可能な限り正確な需要予測を行うことが重要です。
 ・サプライヤーとの連携強化: サプライヤーと密にコミュニケーションを取り、納期
  や品質に関する情報を共有することで、安定した部品や資材の調達につなげます。
 ・リードタイムの把握と短縮: 部品や資材の発注から納入までのリードタイムを正確
  に把握し、可能な限り短縮する努力が必要です。
 ・標準化の推進: 可能な範囲で部品や資材の標準化を進めることで、在庫の種類を減
  らし、管理を効率化できます。
 ・トレーサビリティの確保: どの製品にどの部品や資材が使われたかを追跡できる
  体制を構築することで、品質問題発生時の対応を迅速に行えます。
 ・定期的な見直しと改善: 発注方法や在庫管理の方法は、状況に合わせて定期的に見直
  し、改善を続けることが重要です。
 ・従業員への教育: 発注・在庫管理の重要性を従業員に理解させ、適切な知識とスキル
  を習得させるための教育を行うことが不可欠です。

多品種少量生産における発注・在庫管理は複雑で難しい面もありますが、上記のポイント
を踏まえ、自社の状況に合わせて最適な方法を組み合わせることで、効率的な管理体制
を構築することができます。

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濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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