製造業の現場改革手順:生産性アップ、そして利益拡大につながる現場改革をどのように進めるか?

濱田金男

濱田金男

テーマ:中小製造業の生き残り策

中小製造業の生産性アップ、そして利益拡大につながる現場改革は、以下の手順で進める
ことが効果的です。

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   (現場改革の主役は?現場リーダーの育成がポイント)

1. 現場の現状把握と課題の明確化
まずは現状を把握することが重要です。
資材倉庫の実態を把握しましょう。倉庫には何種類の部材があり、在庫金額はいくらか
把握できていますか?

多くの場合、資材発注責任者の経験と勘で購入されており、正確な金額を把握できて
いないケースが多いです。
月々の材料費や外注費を把握し、付加価値生産性を計算することで、問題点が見えて
きます。

「なぜ利益が出ているのか」「なぜ利益が出ていないのか」を明確にする
利益が出ている時こそ、現状に満足せず、将来に向けた改善改革が必要です。
現場リーダーの仕事ぶりを評価し、課題を明確化しましょう。

現場リーダーは利益を生み出すための重要な存在ですが、多くの工場ではその存在価値
が十分に発揮されていません。
利益が出る仕事のやり方を理解し、実践できているかを確認しましょう。
多くの場合、適切な教育訓練を受けていないため、現場作業に埋没してしまい、本来の
役割を果たせていないことがあります。

2. 改善目標の設定
現状把握と課題の明確化に基づき、具体的な改善目標を設定します。
生産性向上、リードタイム短縮、在庫削減など、目指すべき方向性を定めましょう。
目標達成のための具体的な数値目標を設定することで、進捗を把握しやすくなります。
例えば、「付加価値生産性を月ごとに計算し、前月比で〇%向上させる」といった目標
を設定します。

3. 具体的な改善活動の実施
設定した目標を達成するため、具体的な改善活動を実施します。
生産性向上時間管理の徹底: 1時間ごとの生産数を把握し、1時間ごとの生産性を計算
することで、問題点を早期に発見し、迅速な対策が可能になります。

段取り時間短縮: 1回あたりの段取り時間を短縮することで、物の流れを早くし、生産
性を向上させることができます。ロット合併は一見効率的に見えますが、納期遅れを
引き起こす可能性があるため注意が必要です。

外注の見直し: 社内で加工できるものは内製化し、外注費を削減することで、利益率
を向上させることができます。

適切な人材配置: 人に仕事をつけるのではなく、仕事に人をつける。

リードタイム短縮総合リードタイムの短縮: 受注から出荷までの日数または時間を徹底
的に短縮することで、顧客満足度向上と競争力強化につながります。

製造条件の見直し: 品質特性だけでなく、リードタイム短縮の視点から製造条件を見直
すことで、大幅な時間短縮が可能になります。

在庫削減在庫の正しい理解: 在庫は減らすものではなく、コントロールするもの。
顧客要求を満たすために必要な在庫は持ち、不要な在庫は削減します。

ジャストインタイムの導入: 必要数で作る生産計画を立て、過剰な在庫を抱えないよう
にします。

材料の必要最小限発注: 顧客要求を満たす範囲で、材料在庫を必要最小限に抑えること
で、在庫管理コストを削減します。

4. 定期的な評価と改善
改善活動の効果を定期的に評価し、必要があれば計画を見直し、継続的な改善サイクル
を回します。付加価値生産性やリードタイムなどの指標をモニタリングし、目標達成度
を評価します。問題点があれば、その原因を分析し、改善策を検討します。

現場リーダーの育成: 現場リーダーに、管理者としての役割、利益を生み出す仕事のやり
方を教育し、意識改革を促します。
現場リーダーが、進捗管理、問題解決、作業者への教育訓練といった本来の役割を果た
せるようにすることで、現場全体のレベルアップにつながります。

5. 情報共有とコミュニケーションの活性化
現場の情報を共有し、コミュニケーションを活性化することで、問題点の早期発見、改善
策の共有、モチベーション向上を促進します。

デジタルツール活用: 生産管理システムなどを活用することで、情報共有をスムーズに行い
業務効率化を図ることができます。

これらの手順を踏むことで、中小製造業の現場改革を効果的に進め、生産性アップ、利益
拡大を実現することができます。

その他
改善活動を進めるには、「従来のやり方」を見直し、「新しい視点」を取り入れることが
重要です。
「ものづくりの常識」を疑い、本当に正しいのかを常に考える ことで、改善のヒントが
見つかることがあります。
現場の意見を積極的に聞き取り、改善活動に反映させる ことで、現場のモチベーション
向上にもつながります。
成功事例を共有: 他の工場の成功事例を参考にしたり、自社の成功事例を共有したりする
ことで、改善活動をより効果的に進めることができます。
これらのポイントを踏まえ、積極的に現場改革に取り組むことで、中小製造業のさらなる
発展を目指しましょう。

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Mybestpro Members

濱田金男
専門家

濱田金男(製造業技術支援サービス)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

大手電機メーカーで設計、製造、品質管理に長く携わり、中国工場立ち上げ、韓国での生産ライン効率化など海外支援実績も多数。新しい時代を見据えた工場改革、付加価値向上と人材育成で、ものづくりの現場をサポート

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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