日本の製造業の利益減少の原因は?今までの「常識」を疑い、利益を生み出すための正しい考え方と行動とは

濱田金男

濱田金男

テーマ:中小製造業の生き残り策

日本の製造業の利益を減らしている原因は、いくつか指摘されますが、従来の製造業に
おける「常識」とされている考え方や行動にあります。これらの「常識」は、実際には
誤った認識や非効率な方法であることが多く、利益減少につながっているのです。

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   (「常識」を疑い、利益を生み出すための正しい考え方と行動とは?)

1. 在庫に対する誤った考え方
多くの工場では、在庫を減らすことばかりに注力し、在庫を持つこと自体を悪と考えて
います。しかし、在庫は顧客の要求を満たすための手段の一つであり、減らすべき在庫
と持つべき在庫を区別してコントロールする必要があります。
単に在庫を減らすことだけを重視すると、顧客の注文を失注したり、必要な時に材料が
不足したりする可能性があり、結果として売上減少や利益減少につながります。

2. 外注への安易な依存
コストダウンのために、自社で加工できるものまで安易に外注に依頼している工場が多
く見られます。安価な外注先を探すことに意識が集中し、外注費が利益を圧迫している
ことに気づいていないケースが多いのです。
工場は顧客のために仕事をしているのであり、外注先のために仕事をしているのでは
ありません。内製化できるものは自社で行うことで、外注費を削減し、利益を増やす
ことができます。

3. 稼働率向上への固執
多くの工場では、稼働率を向上させることばかりに目が行き、それが目的化してしまっ
ています。しかし、稼働率は顧客の注文量によって決まるものであり、工場側でコント
ロールできるものではありません。
稼働率を無理に上げようとすると、過剰な在庫を抱えたり、残業が増加したりするなど
かえって非効率になる可能性があります。
重要なのは、顧客の注文に適切に対応し、必要なものを必要なだけ生産することです。

4. 生産性向上のための誤った取り組み
生産性を向上させるために、段取り回数を減らそうとする工場が多くあります。
しかし、段取り回数を減らすことに固執すると、ロットが大きくなり、必要なものだけ
をタイムリーに生産するという原則から外れてしまいます。
結果として、納期遅れや過剰な在庫が発生し、利益を圧迫する可能性があります。
重要なのは、段取り時間自体を短縮することであり、それによって段取り回数を増やし
より柔軟で効率的な生産体制を構築することです。

5. 管理者・現場リーダーの意識改革の必要性
多くの工場では、管理者や現場リーダーが、利益を生み出すための正しい仕事のやり方
を理解していません。経験と勘に頼った非効率な方法や、誤った「常識」に基づいた
行動が、利益減少につながっているケースが多いのです。
経営者は、管理者・現場リーダーに利益を生み出すための考え方や行動を教育し、意識
改革を促す必要があります。

これらの原因を解決するためには、従来の製造業における「常識」を疑い、利益を生み
出すための正しい考え方と行動を学ぶことが重要です。
顧客の要求を的確に把握し、必要なものを必要なだけ、タイムリーに生産することで、
無駄をなくし、利益を最大化することができます。

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濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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