ものづくり中小企業の連携の目的・企業が連携する上で重要な3つのポイント

濱田金男

濱田金男

テーマ:中小製造業の生き残り策

経営資源に乏しいものづくり中小企業・小規模事業者は、厳しい競争環境に
置かれており、受注活動も思うようにいきません。こうした現状を打開する
ためには、ものづくり中小企業同士が互いに連携し、不足している経営資源
を相互補完することで、大きな効果が期待できます。

実際に企業連携を行っている企業を調査すると、「既存事業の取引先の拡大」
「新たな製品・サービスの開発・販売」に効果があったとしています。

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(中小企業連携の目的)
いままで中小企業の連携組織は,共同受注を目的に設立されていました。
ただし、共同受注を目的としただけでは,受注状況の悪化によって連携組織を
存続させるのが難しくなっています。

そこでメンバー間での情報共有や人材確保,新規市場の開拓などの「自己成長」
を目的とすることが不可欠です。

最終目標として、完成品開発に打って出ることによって「下請けからの脱却」
を目指すことが求められると思います。

そこで以下に中小製造業が目指す企業連携に当たっての、3つのポイントを
解説します

1.マーケティング強化
ものづくり系の中小企業は,ユニークな加工技術を活かして面白い製品を考案
している企業も多いと思います。しかしながら,それをマーケティングして
売るところまでもっていくノウハウに欠けています。

また、完成品となると、様々な加工・組立技術、製品の梱包デザインなどの
自社にはない工程を経て出荷しなければなりません。また、安い部品を海外
から調達しなければならないこともあります。

最も困難なことは、販路開拓です。
良い製品を作っても、売れなければ利益も得られません。国内外の展示会へ
の出展や、ホームページの充実、国や県の支援を得るなど、一社では困難な
様々なマーケティングへの取り組みを、共同で企画し実施することが必要に
なってきます。

2.新たな企業連携の模索
それらの活動を行うために不足しているものを補うのが企業連携です。
様々な加工業者やデザイナーなどが集まって情報を共有し,助け合い、一つ
の目的に向かって、最終商品の開発・販売を行って行きます。

企業が連携する上で重要になるのが、企業同士がコミュニケーションをとれる
ネットワーク作りです。これまで,ものづくり系の中小企業は特定の地域に
集積し,地縁や血縁をベースとした企業間ネットワークを形成してきました。

しかし近年,アジア・中国への生産シフトや後継者問題から倒産が相次ぐと
いった状況の中で,これまでの濃密なネットワークが崩れつつあります。

これまでの古いネットワークが消える一方で,新しいネットワークを形成
する動きを促進することも大切であり、インターネットの活用は不可欠です。

地域を基盤にしたウェットな連携だけでなく,インターネットが普及した
現在,遠く離れた地域同士が連携できる環境を整えていくことが重要です。

3.コーディネーターの必要性
企業連携を成功させるための秘訣は、プロジェクトを牽引する「コーディ
ネーター」または「プロジェクト・マネジャー」が絶対に必要だということ
です。

コーディネーターはどのような働きをするのかというと、例えば、製品の
売り方や見せ方を知らないメーカーにデザイナーやマーケティング・プラン
ナーを紹介してつなぐこと。

そのために必要とされる能力は「コミュニケーション能力」です。上から
見下ろすような感じではなくて,相談者と同じ目線で話を聞き,課題を抽出
することが大切なのです。そうしたコミュニケーション能力を持つ、若くて
優秀な人材を育て輩出して行くことも、企業連携には必要なことです。

若者が目標とするような生き方や見本といったものを、連携の中で模索し
育て上げていく。日本のものづくり業界では、はっきり言ってコーディ
ネーターといった職種はあまり認知されていませんでした。

そのような仕事に憧れを持つ若者が増えれば,ものづくり企業連携の可能性
は大きく膨らみ、バラ色の将来が開けてくるのではないでしょうか。

企業連携には企業の結集、連携の形、事業の方向性を定める必要があり、その
役目を担うため、当社はいままでコーディネーターの役割を担い連携を推進
してきました。

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濱田金男
専門家

濱田金男(企業経営コンサルタント)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

大手電機メーカーで設計、製造、品質管理に長く携わり、中国工場立ち上げ、韓国での生産ライン効率化など海外支援実績も多数。新しい時代を見据えた工場改革、付加価値向上と人材育成で、ものづくりの現場をサポート

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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