深刻な製造業の技術力・現場力の低下と技術者不足
発想を変えて「下請け」という立場を生かし、独自の生き方を模索する製造業から
「受託製造(サービス)業」に変身する3つのポイントについて解説します。
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(自社の得意技術で顧客を獲得したいと考えている企業様)
下請け製造業、下請け業者という言葉から受けるイメージは決していいものでは
ありませんね。
儲からない、人が集まらない、親企業からのコストダウン圧力・・・など、など
しかし、発想を変えて「下請け」という立場を生かし、独自の生き方を模索する
という、前向きな考え方をしてみると、これは意外といけるのでは?ということ
も言えると思います。
受託製造業/受託サービス業として生まれ変わるには?
下請け企業は、言い方を変えると「受託製造業」です。また「受託サービス業」
としての役割も担っています。
つまり、顧客要求仕様に沿って、忠実にQCDを満足した製品を提供しています。
そう考えると、どうしたら「受託製造(サービス)業」としての機能を高める
か?に注力していくことになります。
しかし、大口の受注は見込めず、多品種で、しかも短納期で作らなければならず
残業してやっと間に合わせているといった現状を見ると、「受託製造(サービス)
業」などと、カッコいいことを言っている場合ではありません。
しかもひとたび、不良を出すと、その次から注文が来なくなってしまいます。
では、「下請け業者」から、真の意味で「受託製造(サービス)業」に変わる
ためのポイントは何でしょうか?
ポイント1:全員で、自社の特徴って何?を考える
よく言われていることなのですが、「独自技術を育てろ!」といっても、世の
中で誰もできないことをやれというのではありません。そうでなくても、ある
分野において、他社よりも少し上の技術、サービス機能を持つことです。
「うちには、技術なんてないよ!」という社長さんがいますが、よく考えて
みてください。今の顧客がなぜ、あなたの会社へ注文を出すのか?
自分ではわからなくても、顧客から見ると、必ず良いところがあるはずです。
この加工方法に関しては、どの企業より熟知しているので、期待した精度で
バラツキが少ないものを納入してくれる、試作を頼むと、図面の不備の指摘や
加工方法の提案をしてくれるなどです。
自社の優れている点、特徴を社長を含め、社員全体で考え、共有することが
実は大事なことではないでしょうか?それが分かれば、優れている点をもっと
磨きを掛けていこうとする、行動が生まれてきます。
ポイント2:機械に投資?それとも人に投資する?
今や、中国メーカーでも多品種少量生産に十分対応できる企業が増えています。
多品種少量生産は日本国内企業の役割として、国内にずっと残ると考えている
と、それは間違いで、いつの間にか、中国のメーカーに取って代わられてしま
います。
そうならないためには、更にQCDに磨きを掛けることですが、そこで方向を
間違わないようにしてほしいのです。
優秀な最新機械の導入、ロボット化などにより、それらを達成しようとすると
すると、その発想では、中国企業と変わらないことになってしまいます。
日本の中小企業が、真っ先に取り組まなければならないのは、機械化、ロボット
化ではなく、ヒトを育てることです。つまり、優秀な人材を雇用するための
環境整備、教育の仕組みなどに投資することなのです。
また、熟練技能を継承させる努力も必要です。これらは、3年後、5年後を見据
え、内部の人材を育成することを基本とします。
外部からノウハウを持った人を引き抜いてくる、設備を入れるなどは、中国企業
と同じ発想であり、それでは顧客の信頼も得られず、日本の企業は生き残れません。
ポイント3:儲けるための仕掛け
ポイント1、2の努力により顧客の信頼を得ることができます。しかし、企業は
儲けなければ、なりません。そのためには、安定した受注を確保することを考え
なければなりません。
顧客企業の情報収集と、技術に裏付けられた営業力、マーケティング力が必要に
なってきます。
「あのトップ企業の技術スタッフよりネットを通じて問い合わせがきている」
などは絶好のチャンス到来です。
ホームページは、そういった意味で24時間、優秀な営業マンの役割を担って
くれます。このツールをうまく使いこなしていくために、「受託加工(サービス)
業」のホームページはどうあるべきか?顧客にどう語り掛けるべきかを良く考え
る必要があります。
地方の中小企業でも、日本中に自社の受託製造・サービスを発信することが可能
です。現在では、中小企業の多くがホームページを所有するのが当たり前になって
います。
しかし、集客面でしっかりと機能しているホームページは少なく、WEB上には
存在するが、月間100アクセス以下のホームページが山のようにあります。
これでは、問い合わせも来ません。
中小企業がホームページで集客するためには、第一歩として月間1000アクセス
を目指すことです。営業マン一人を雇い育てるより、ホームページを育てたほう
がはるかに安価で何倍もの営業力を発揮します。
1000アクセスから5000、10,000とアクセスが増えていくと、受注につながり
売上も増えていくことは確実です。
アクセス数を増やすには?
アクセスを増やす確実な方法は、コンテンツSEOといわれる良質なコンテンツ
をサイト内に蓄積していく方法です。分かりやすい例で説明すると、企業の
サービスや製品の情報とマッチするようなブログ記事をどんどん公開していく
ことです。
これには根気強く継続するしかありません。
閲覧者の知りたい情報や疑問を解消できるようなコンテンツを積極的に公開
していくことで、Yahoo!やGoogleの検索からブログに訪れます。
先ほどのように大手メーカーのエンジニアが、解決方法をネットで検索する
うちに、ホームページにたどり着き、問い合わせをしてくるのです。
それをきっかけに、見込み客となり受注につながっていきます。
ブログ記事の質を保ち、できるだけ更新頻度を高くするのがベストですが、
手間がかかるのは事実です。そこを何とか乗り越え、受注につなげていく
ことが大事なのです。