IoT導入によって収集される3つのデータの種類と経営改善への活用方法

濱田金男

濱田金男

テーマ:DX化で製造業は変わる!

IoT導入によって中小製造業が収集できるデータの種類は多岐に渡りますが、ここ
では経営改善に特に役立つ3つのデータとその活用方法について説明します。

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1.稼働状況データ
工作機械の稼働時間、停止時間、稼働率、サイクルタイム、エラー発生回数、エラ
ー内容など

●活用方法
①生産計画の精度向上
 稼働状況データを分析することで、機械の稼働時間や生産能力を正確に把握でき
 ます。これにより、より精度の高い生産計画を立案し、納期遅延を減らすことが
 できます。
②設備の稼働率向上
 稼働率の低い設備を特定し、その原因を分析することで、設備の稼働率向上につ
 なげることができます。
③予知保全
 機械の振動や温度などのデータを分析することで、故障の兆候を早期に検知し、
 予知保全を実施できます。これにより、突発的な故障による生産停止を防ぎ、
 稼働率向上につながります。
④オペレーターの作業効率向上
 稼働状況データを分析することで、オペレーターの作業時間や効率を把握できま
 す。これにより、無駄な作業を減らし、オペレーターの作業効率向上を図ること
 ができます。

2.品質データ
製品寸法、外観検査結果、不良品発生率、不良品原因など

●活用方法
①品質管理の改善
 品質データを集積し、分析することで、不良品の発生原因を特定できます。
 これにより、品質管理の改善策を講じ、不良品発生率の低減につなげることが
 できます。
②製品品質の向上
 品質データ分析から得られた知見を製品設計や製造工程にフィードバックする
 ことで、製品品質の向上につなげることができます。
③顧客満足度向上
 製品の品質向上は、顧客満足度向上に繋がり、ひいてはリピート率向上、売上
 増加に繋がります。

3.在庫データ
材料在庫数、製品在庫数、在庫回転率、発注履歴、納期情報など

●活用方法
①在庫管理の効率化
 在庫データ分析により、最適な発注タイミングや発注量を把握することができ
 ます。これにより、在庫過多による資金の無駄遣いや、在庫不足による納期遅
 延を防ぎ、在庫管理の効率化を図ることができます。
②適切な在庫管理により、材料や製品の無駄な在庫を抱えることを防ぎ、コスト
 削減につなげることができます。
③サプライチェーンマネジメント
 在庫データ分析を通じて、サプライヤーとの連携を強化し、サプライチェーン
 全体の効率化を図ることができます。

これらのデータは、単体で活用するだけでなく、複数のデータを組み合わせるこ
とで、より深い分析を行い、経営改善に役立てることができます。例えば、稼働
状況データと品質データを組み合わせることで、特定の設備で不良品が発生しや
すい時間帯などを特定し、品質管理の改善策を講じることができます。

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